「夫婦で歩くスイスアルプス」

メデルガーアルプ ハイキング

2006年6月26日。少し雲が多いものの今朝も晴れています。今日はアローザのアパートから直接歩き始め、谷の反対側(東側)の斜面をハイキングすることにしました。アパートの前から森の中の小道を下り、ウンターゼー(下の池)の脇を通ります。駅前にあるオーバーゼー(上の池)に比べると静かな雰囲気です。

更に森の中の道を下り、電車の線路を渡ると、谷底のイーゼル人造湖の畔に出ます。何も無い湖畔からは水面に映る山の景色が綺麗でした。左の山がアパートからもよく見えるシースホルン(2,605m)。

イーゼル人造湖の湖畔から東側の斜面を一登りすると、美しい牧草地フルカアルプです。写真右の小屋の向こうには、アローザの家並みとその背後にエルツホルン等の山々が並んで見えます。写真左の山はフルカホルン(2,727m)。

フルカアルプの奥から本格的な山道に入ります。森の中の登りが一段落した頃、ベンチの置かれた展望所があります。谷を見下ろすと、アローザ行きの電車がS字状の線路を上っていくのが見えました。

谷の奥に向かって森の斜面を進んでいくと、急に木立ちが途切れて草花いっぱいのアルプが広がります。ティーヤーアルプと呼ばれる場所で、数軒の農家小屋が建っています。後方の山はティーヤーフルー(2,781m)、右奥がフルカホルンです。

ティーヤーアルプから広々とした草原の中を快適に北上します。左手にはアローザ周辺の緑の山々の眺めが広がります。写真右の山は前日に上ったヴァイスホルン。プラッテンホルンを挟んで写真の左端がヘルンリ小屋の辺りです。

尾根上に広がるチュッカーアルプの突端に山小屋「自然愛好の家」が建っていました。人影は無く、「利用希望者は以下の番号に電話せよ」というような貼り紙がしてありました。

チュッカーアルプから行く手を見ると、広々とした草原の中にお伽噺のような雰囲気に包まれてメデルゲンの村が佇んでいました。背後の山はヴァイスフルー(2,843m)方面です。

メデルゲンはほんの小さな村ですが、「アルペンローゼ」という素朴ながらもしっかりしたレストランがあります。我が家もここで昼食を摂ることに決め、レシュティとソーセージグリルを注文。飲み物はパラソルに書かれた商標に誘われて「シュヴィッツリ」という林檎発泡酒を飲んでみましたが、これが今年の旅でアプフェルヴァインに嵌る契機となりました。

メデルゲン村の北側は一面のお花畑。見渡す限り黄色い花の咲く草原が広がります。背後の山はティーヤーフルー。

「天国だ〜天国だ〜」とはしゃいで歩いていたら、進む道を間違えてしまいました。本当はメデルゲン村から上手に登る道を辿ってサピューン谷の奥に下りたかったんですが、お花畑の中の道は前方に見えるヤネッチ・ボーデンの農家小屋から直接に谷へ下っています。「でも、道を間違えたお蔭で天国のような場所を歩けた訳だし、こちらの方が近道だから、まぁ良いかぁ」と考えて、そのまま進むことにします。

森の中の道をサピューン谷の底まで下りてきました。川を渡ると車道に出ました。谷奥のシュトレーラ峠方面へ少し歩けば、Kevinさんのサイトで拝見したレストラン「ハイメリ」に行けるんですが、あいにくメデルゲンのレストランでたらふく食べた直後でお腹がいっぱい。今回はそのまま帰路につくことにします。

急流を見下ろしながら歩いていくと、前方にラングヴィースの村が見えてきます。村の教会など訪ねてから駅に向かいました。アローザ線の電車の駅は何処も可愛いシャレー造り。カミさんが眺めている赤い郵便ポストのようなものは、切符の自動販売機です。我が家は「アローザ・カード」を持っているので電車の切符は不要なのですが、ちょっと買ってみたくなるような風情のある機械でした。


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