「夫婦で歩くスイスアルプス」

シウージ高原 ウィンター・ハイキング

2017年12月31日。前日にヴェローナ空港に降り立ち、電車で移動してボルツァーノ旧市街の貸しアパートに入りました。滞在初日の大晦日は朝から快晴なので、早速ハイキングに出掛けます。ボルツァーノのバスターミナルで7日間有効の「ムゼウモビルカード」(南チロル州内の主要な電車・バス・博物館類が無料になるカード。1人34ユーロ)を買い、オルティゼーイ行きの路線バスに乗り込みました。


シウージ高原行きゴンドラリフト「ザイザー・アルム・バーン」の乗場でバスを下車。背後に聳えている尖峰はシリアール(独語名シュレルン)山塊のザントナー・シュピッツェ(2,413m)です。

大混雑の売場窓口で往復切符を買い、ゴンドラリフトに乗り込みます。

山上のコンパッチョに到着。ゴンドラリフト駅(海抜1,857m)のすぐ前から初心者向きの緩斜面のゲレンデが続いています。

我が家はスキーコース脇の遊歩道を南へ進み、バス停を横切ってハイキングコースに入ります。ハーフリンガーに引かれた馬ソリと擦れ違いました。

スタート地点のコンパッチョ地区のホテル群を眺めた図。背後のなだらかな山はプフラッチ(伊語名ブラッチャ、2,176m)です。

スキーリフト「パノラマ」に沿って緩やかに登ります。

左手(東側)に眺めるガイスラー(伊語名オドレ)山群。中央の最も高い峰がサス・リガイス(3,025m)で、その右隣にサス・ドラ・ポルタ(独語名トーアコーフェル、2,967m)と手前にピッチベルク(2,363m)、更に右にラ・カンセレス(2,714m)とピッツ・ドゥレーダ(2,909m)を経てコル・ダラ・ピエレス(2,747m)とその手前にモンテ・ステヴィア(2,555m)。サス・リガイスの左はセチェーダ(2,519m)で、写真左端はシウージ高原の北端にあたるコル・ダ・ドデッシュ(2,109m)です。

道は蛇行しているので、南西方向にあるシリアール山塊を正面に眺めながら登るところもあります。

シリアール山塊のズームアップ。右端の峰がザントナー・シュピッツェで、その左隣の尖峰はオイリンガー・シュピッツェ(2,394m)、写真中央がブルクシュタル(伊語名モンテ・カステッロ、2,515m)、写真左端がペッツ(2,563m)です。

シリアール山塊の右(西方向)には高峰群がずらーっと遠望できました。写真右がオーストリア国境に並ぶヒンテラー・ゼーレンコーゲル(3,470m)、ホッホヴィルデ(3,480m)、ヒンテレ・シュヴェルツェ(3,624m)、シミラウン(3,599m)等のエッツターラー・アルペンで、写真中央がメラーノ近郊のナトゥルンザー・ホッホヴァルト(伊語名グアルディア・アルタ、2,608m)。左はオルトラー山群で、ハーゼンエール(伊語名オレッキア・ディ・レプレ、3,257m)、オルトラー(3,905m)、ツフリットシュピッツェ(伊語名ジョヴェレット、3,439m)、グラン・ゼブルー(独語名ケーニヒスシュピッツェ、3,851m)、ヒンテレ・エッケンシュピッツェ(伊語名チーマ・ステルナイ、3,443m)、モンテ・チェヴェダーレ(3,769m)、パロン・デ・ラ・マーレ(3,703m)、モンテ・ヴィオーツ(3,645m)、プンタ・タヴィエーラ(3,612m)等が並んでいます。

遊歩道の分岐点。右手は山岳ホテル「パノラマ」を経てラウリン小屋方面へ向かう道ですが、我が家は南へ直進します。正面はロスツェーネ連峰(伊語名デンティ・ディ・テッラロッサ、2,653m)で、右の頂はロートエアトシュピッツェ(伊語名チーマ・ディ・テッラロッサ、2,655m)です。

スキーコースを何回か横断しますが、スキーヤーがどんどん滑り下ってくる感じでもないので、接触の危険は余りありません。

スキーコースは東のサルトリア方面へ下っています。写真左はガイスラー山群、中央はチール連峰(2,592m)、右はサッソルンゴ(独語名ラングコーフェル、3,181m)とサッソ・ピアット(独語名プラットコーフェル、2,969m)です。

サッソルンゴ(左)とサッソ・ピアット(右)のズームアップ。サッソルンゴの左奥はセッラ山群のサス・ダイ・チャモルチェス(2,999m)です。

北側にはツィラーターラー・アルペン方面の峰々が並んで見えました。写真左端から順にクラーマーシュピッツェ(伊語名チーマ・デル・ラーゴ、2,943m)、エーベングルーベンシュピッツ(伊語名チーマ・ディ・ピアンベッロ、2,990m)、ヴィルデ・クロイツシュピッツェ(伊語名ピッコ・デッラ・クローチェ、3,132m)、ブリッケンシュピッツ(伊語名チーマ・デッラ・ヴィスタ、2,988m)、グラープシュピッツェ(伊語名チーマ・グラーヴァ、3,059m)、ホーエ・ヴァント(伊語名クローダ・アルタ、3,289m)、シュランマッハー(3,410m)、フースシュタイン(3,380m)、オルペラー(3,476m)、ゲフローレネ・ヴァント・シュピッツェン(写真中央、3,288m)、フォルデレ・ヴァイスシュピッツェ(3,269m)、ヒンテレ・ヴァイスシュピッツェ(3,395m)、ホッホフェルナー(3,470m)、ホッホファイラー(伊語名グラン・ピラストロ、3,509m)、ホーアー・ヴァイスツィント(伊語名プンタ・ビアンカ、3,371m)、ブライトノック(3,212m)。写真右端はオルティゼーイ村の北側に聳える山、レシェーザ・ディ・フオーリ(独語名アウサーラシェッツ、2,281m)です。

早めに腹の虫が鳴ってきたので、本来のコースから外れ、スキーリフト「パラディーゾ」に沿って少し登ります。数名の歩行者が見える写真中央の道が、歩いてきたハイキングコースです。

山岳ホテル「ゴルトクノップフ」(海抜2,080m)のテラス席。未だ正午前なのに、ほぼ満席の盛況でした。何とか空席を見つけ、カミさんはハンバーガー、私はパスタを注文。ビールも旨かったですが、ここは高級ホテルのようで、ランチとしては少々予算オーバー気味でした。

元の遊歩道に戻って更に南下すると、圏谷の中央にアルムローゼン小屋が見えてきました。

アルムローゼン小屋。当初はここで昼食を摂るつもりでした。やはりこちらの方がリーズナブルな料金で客も少なく、もう少し我慢すべきだったかと後悔しました(笑)。

更に進んで尾根を東へ廻り込むと、南側にモリニョン小屋が見えてきました。正面の山はローゼンガルテン(伊語名カティナッチョ)山塊で、右で最も高く見えているのがモンテ・スピッツ(2,684m)、その左奥にモリニョン・ディ・フオーリ(2,779m)、更に左にモリニョン・ディ・デントロ(2,852m)とクローダ・デル・ラーゴ(2,806m)が続き、写真左端がサス・デ・ドーナ(2,665m)です。

この辺り、道の左手が深い谷になっているので、その向こう側に聳えるサッソルンゴとサッソ・ピアットがひときわ秀麗な姿で眺められました。

モリニョン(独語名マールクネヒト)小屋(海抜2,054m)に到着。思ったより立派な山岳ホテルでした。今日のコースの最奥地点ですが、未だお腹がいっぱいなので、休憩せずに先へ進みます。

道はモリニョン小屋の東側の谷底へ下り、折り返すように北へ下ってきます。写真は何軒かの農家小屋が建つタネッツァ・フンタナーチャの辺り。正面の山はガイスラー山群で、左端がグローセ・フェルメーダ(2,873m)、その右で最も高く見えるのがサス・リガイス、その右奥に覗いている頭がフルケッタ(3,025m)、その右がサス・ドラ・ポルタ。写真中央右寄りがラ・カンセレスで、その右にピッツ・ドゥレーダ、その手前にモンティイェーラ(左、2,644m)とモンテ・ステヴィア(右)、右端がコル・ダラ・ピエレスです。

モリニョン小屋からの下り道はソリ滑りのコースになっています。歩行者に対し「アッテンツィオーネ!」と大声で注意を促しながら、猛スピードで下って行きます。

山岳ホテル「ティルラー」(海抜1,750m)の前がソリ滑りコースの終点で、ここから先は平坦な道になります。写真中央に覗いている白い頂はセチェーダです。

サルトリアのバス停に到着。サッソルンゴを眺めつつ暫くゆっくりしても良かったんですが、ちょうどバスが出るところだったので乗り込んじゃいました。大半の乗客はこの地域のフリーパスを持ってましたが、我が家の「ムゼウモビルカード」はシウージ高原内のバスには効かないので、自動販売機で切符を買いました(1人2ユーロ)。

コンパッチョからゴンドラリフトで下山し、往路と同じ路線のバスでボルツァーノ市街へ戻ってきました。旧市街では大晦日の恒例イベントらしい長距離走大会が開かれていて少々騒がしかったですが、ヴァルター広場(写真)や駅前通りのクリスマス市を観て廻りました。


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