「夫婦で歩くスイスアルプス」

ドライビュンデンシュタイン縦走ハイキング

2013年9月14日。成田発の直行便で前日午後にチューリッヒ空港へ到着し、そのまま電車でクールの街に移動、駅前のホテルに1泊しました。今日は更にサメーダン村へ移動する日ですが、その前にクール近郊の山をハイキングすることにします。クール駅前から市バスに乗って西方のレーツュンス村へ。村外れのロープウェイ乗場がバスの終点で、そこから赤くて丸い可愛いゴンドラに乗り込みました。ヒンター・ライン川の上空を渡って上っていきます。写真右端の家並みがレーツュンス村です。

ロープウェイは山上の静かな集落フェルディスに到着します。

フェルディスの村外れにあるチェアリフト乗場。レーツュンスのロープウェイ乗場で通しの切符を買っていたので、係員に見せるだけで乗り込みます。

チェアリフトは牧草地の斜面を上っていきます。林の向こう側に見えているのが歩いてきたフェルディス村です。

チェアリフトの山上駅ムッタに到着。周囲には何もありませんが、係員の小母さんが「何処から来たの?何処へ行くの?」と親しげに話し掛けてきました。道順を丁寧に教えてくれたのは良いんですが、「日本には行ったことがあるのよ」と、訪ねた日本の街の名前を次々に挙げてなかなか解放してもらえませんでした。今の時期は乗客も少なくて退屈していたんでしょうね。

ムッタから南側の眺望。写真右がブルシュクホルン(3,056m)とピッツ・ベヴェリン(2,998m)、中央がピッツ・ティムン(3,209m)をはじめとするイタリア国境の山々、その左にピッツ・グリッシュ(3,062m)とピッツ・クルヴェール(2,972m)を挟んで写真左端がピッツ・プラッタ(3,392m)方面の山々です。

ピッツ・プラッタ(右端の尖峰)方面のアップ。中央の尖峰はピッツ・フォルベッシュ(3,262m)、左の頂はピッツ・アルブラッチ(3,203m)です。

イタリアとの国境を成す山々のアップ。写真右端がスレッタホルン(3,027m)、その左がピッツ・ポール(3,028m、この山はスイス領内)。中央左寄りの山塊は右からピッツ・ティムン、ピッツ・デッラ・パルー(3,179m)、一段下がってピッツ・ミエッツ(2,835m)。写真左端はスイス領内の山ピッツ・ラ・マッツァ(2,815m)です。手前の谷底に見えているのはトゥージスの町。

ブルシュクホルン(右)とピッツ・ベヴェリン(左)のアップ。両者の中間のピークはピッツ・トゥーフ(2,834m)。左下に見えているのはハインツェンベルク地方のチャッピーナ村です。

右手にアルプ・ラグータ小屋を見下ろしつつ東へ歩き始めます。後方の山はフルホルン(2,529m)。

歩き始めたムッタのチェアリフト乗場を振り返って。海抜2,000m近い高層湿原の中の道を歩いてきました。チェアリフト乗場の左に見えているのはサフィエン谷の西側に連なるシニーナ山塊で、左端の頂がギューナーホルン(2,851m)、中央がピッツ・フェス(左・2,880m)とオーバーホルン(右・2,796m)、右端がピッツ・リエイン(2,762m)です。

分岐を左折して一旦北へ向かいます。前方にフォルダー・ライン川の谷を隔てて、左に雪を被ったリンゲルシュピッツ(3,247m)、右に2つの頂を持つカランダ山(左がフェルスベルガー・カランダ2,697m、右がハルデンシュタイナー・カランダ2,806m)が間近に見えます。

道は下手に見えるアルプ・ダ・ヴェウルデン(フェルディスアルプ)の牧畜小屋群へ向かっていますが、分岐を右折して細い道を再び東へ進みます。フォルダー・ライン川の谷の向こう側に見える家並みは、写真右端がフリムス村で、牧畜小屋群の左後方がラークス村。共にスキーリゾートとして名高いところです。背後に並ぶ山並みはグラールナー・アルペン。残念ながら雲が多いですが、写真左端がカヴィシュトラウ(独語名ブリーゲルザー・ヘルナー)連峰(3,252m)で、その右隣(ラークス村の背後)がテーディ山(3,614m)方面です。

間もなくパルス湖という池の畔を通過。木彫の大きな痩身女性像が4体、池を見下ろしています。バーゼル在住の彫刻家シュテファン・ヒュープシャーの「ディー・ドライツェーン」という作品で、その名のとおり合計13体がこの周辺に設置されているようです(↓のテルム・ベル小屋の近くにも3体ありました)。

チョム・アウルタという小山の北側を越えて東へ進むと、南北に延びる谷間の峠に建つテルム・ベル小屋(海抜1,964m)に至ります。営業中でしたが、休憩には少し早いので素通りしました。

テルム・ベル小屋付近からはスレッタホルン(右)とピッツ・ポール(左)がスッキリと眺められました。ピッツ・ポールの左隣の頂はピッツ・ムッターラ(2,961m)で、その左手前がヒューレリ(2,855m)。スレッタホルンの右はオイセレ・シュヴァルツヘルナー連峰(2,890m)です。

ドライビュンデンシュタインの頂を目指して東へ直登します。写真は歩いてきた方向を振り返って撮ったもの。正面の小山がチョム・アウルタ(2,085m)で、その向こう側から右側の巻き道を歩いてきました。その手前に見えている建物がテルム・ベル小屋です。

ドライビュンデンシュタインはなだらかな山容で、尾根付近には池塘が点在しています。写真左の山はフルホルンで、その右山麓に覗いているスレッタホルンの右にピッツォ・タンボ(3,279m)とトイリホルン(2,973m)が遠望できています。その右はピッツ・ベヴェリンとブルシュクホルン、少し間を置いてピッツ・トミュール(独語名ヴィッセンシュタインホルン、2,946m)、テリホルン(2,856m)、クラップ・グリッシュ(独語名プランゲンホルン、2,861m)が並んでいます。

あと一登りでドライビュンデンシュタインの頂上です。

登り道の左手には、小山チョム・アウルタの右に本日の出発点ムッタのチェアリフト乗場が見えてきていました。その後方はスルセルヴァ谷で、その奥に白く聳えているのはオーバーアルプシュトック(3,328m)です。

ドライビュンデンシュタインの頂上(フルカビュール、2,174m)に到着。ケルンの後方の2つの頂がカランダ山、写真左がリンゲルシュピッツです。「ドライビュンデン」の名は、ここがグラウビュンデン州の基になった3つの地域同盟の境界であったことに由来しているようです。

山頂の北側からはクールの街を見下ろせます。ライン川が流れる谷の奥がラントクヴァルト方面で、その後方はオーストリア国境の山々です。右に見えているスキーリフトのケーブルに沿った道を辿り、写真中央に見える支峰シュプンディスケップフに向かって尾根を下っていきます。

左手に眺めるグラールナー・アルペン。左がフォラープ(3,028m)、中央がラークサー・シュテックリ(ロマンシュ語名ピッツ・グリッシュ、2,898m)、右がオーフェン(2,873m)です。フォラープの下方はフリムス村に向かって張り出している岩山クラップ・ダ・フレム(独語名フリムザーシュタイン)、右端手前はアルプ・モラです。

右手にはクールワルデン村とその奥にパルパン村が見えます。後方の山は写真左端がパルパナー・ヴァイスホルン(2,824m)、エルプリホルン(2,842m)とアローザー・ロートホルン(2,980m)を挟んで中央がパルパナー・ロートホルン(2,899m)、更にピッツァ・ナイーラ(2,870m)を経て右端がレンツァーホルン(2,906m)です。

道はシュプンディスケップフ湖(といっても小さな池)の畔を巻くように下っていきます。後方に見えている頂がドライビュンデンシュタインで、そこから左の尾根を下ってきました。池の畔に分岐があり(写真中央の案内標識が立っている場所)、直進してシュプンディスケップフの尾根を経由して下ることもできます。

広い道を東へ下ると間もなくマリクサー・アルプの牧畜小屋に至ります。軽食が摂れる「エルプリバー」になっています。小屋の後方の山がレンツァーホルン、その左にパルパナー・ロートホルンを経てパルパナー・ヴァイスホルンの左はパルパナー・シュヴァルツホルン(2,683m)、写真左端がギュルガレッチ(2,441m)です。

マリクサー・アルプから牧草地の斜面を再び北へ下ると、別荘やホテル・レストランが点在するブラムブリュッシュが近づいてきます。写真右上の山はモンタリン(2,266m)。

右手にはシャンフィック谷が一望です。谷奥の高峰は左がヴァイスフルー(2,843m)、グロース・シーアホルン(2,709m)を挟んで右がキュプフェンフルー(2,658m)。シーアホルンとキュプフェンフルーの間がシュトレーラ峠で、その向こう側にダヴォスの町があります。右手前はルンカリアーのアルプ、左下の家並みはプラーデン村です。

ブラムブリュッシュのレストランで昼食にしました。アプフェルヴァインを飲みながらカミさんは焼きソーセージ&レシュティ、私はアルペンマカロニをいただきました。

ゴンドラリフトに乗り込んで下山します。

ケンツェリで大型ロープウェイに乗り換えてクール市街へ。マウンテンバイクを持ってロープウェイでケンツェリまで上ってきて、下り道を楽しむ人が多かったです。山麓駅からクール駅まで歩き、電車でサメーダン村に向かいました。


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