「夫婦で歩くスイスアルプス」

モンテ・ジェネローゾ 下山ハイキング

2017年4月29日。コーモのサン・ジョヴァンニ駅から電車に乗ってスイスに入り、カポラーゴ駅で下車しました。駅舎の前からモンテ・ジェネローゾ行きの登山電車に乗り込みます。スイスに入ると電車も駅舎も綺麗で、運賃は高いものの何となくホッとします。


モンテ・ジェネローゾの山頂駅に到着。駅前に建っているのは有名建築家マリオ・ボッタ氏の設計によるレストラン「フィオーレ・ディ・ピエトラ(石の花)」。今月に竣工開業したばかりのピカピカです。危惧していたとおり中腹から早くも一面の雪景色となり、山頂駅周辺には場所によって30〜40cmもの積雪がありました。

「フィオーレ・ディ・ピエトラ」のテラス席。手前だけ除雪してありましたが、さすがに未だ利用客はいません。後方に見えている頂がモンテ・ジェネローゾの山頂です。

「フィオーレ・ディ・ピエトラ」の内部。セルフサービスのレストランで昼食用のサンドウィッチでもテイクアウトしようと思い、ショーケースにあったパニーニを選択すると店員が「温めますか?」と。確かにその方が断然美味しそうです。そうなれば融けたチーズが冷めないうちに食べなきゃねということになり、コーヒーも頼んで館内でいただきました。広々としていて雰囲気は悪くありませんが、窓際の座席でも座ると外の景色が見えづらい構造になっていて、カミさんは不満足そうでした(笑)。

いよいよ出発です。先ずはモンテ・ジェネローゾの山頂へ登ります。カミさんの左に見える標識の分岐で左手へ分岐している道は、オリメント峠方面へ向かう「センティエーロ・バッソ(下の道)」です。登頂後にそちらへ進みました。

モンテ・ジェネローゾ山頂(1,701m)。手前は国境の礎石で、「I ]の文字が彫られた右手がイタリア領、左手がスイス領です(「CS」と表記されています)。山頂にも2つの国境礎石が見えます。

モンテ・ジェネローゾ山頂から西に見下ろすルガーノ湖の南部。写真右端がメリーデの横断橋、そこから左へ延びた半島の先がモルコーテ村(写真中央)で、その左の山がモンテ・サン・ジョルジョ(1,097m)です。中央手前の湖岸がマロッジャ村で、その更に手前の山腹にロヴィオ村、ルガーノ湖の左端がリーヴァ・サン・ヴィターレ村。モンテ・サン・ジョルジョの左はイタリア国境の山モンテ・プラヴェッロ(別名ポンチョーネ・ダルツォ、1,015m)で、その奥にイタリアのヴァレーゼ湖が見えます。モンテ・サン・ジョルジョの後方にイタリアのカンポ・デイ・フィオーリ(1,227m)。写真中央右寄りに遠望できる白峰がモンテ・ローザ連峰で、その右はミシャベル山群です。

モンテ・ローザ連峰のズームアップ。左端の峰がピラーミデ・ヴァンサン(4,215m)で、そこから右へコルノ・ネーロ(4,322m)、ルートヴィヒスヘーエ(4,341m)、パロットシュピッツェ(4,432m)、やや奥のリスカム(4,527m)、ジグナールクッペ(伊語名プンタ・グニフェッティ、4,554m)、ツムシュタインシュピッツェ(写真中央、4,563m)、最高峰のデュフールシュピッツェ(4,634m)、ノルトエント(4,609m)と並び、更に右へ斜めに下がってイェーガーホルン(3,970m)、グローセス・フィラールホルン(3,676m)を経て、写真右端に覗いている尖峰がマッターホルン(4,478m)です。下方手前はマッジョーレ湖畔のラヴェーノ近郊の山、モンテ・ヌード(1,235m)。

ミシャベル山群のズームアップ。左から順にアラリンホルン(4,027m)、アルプフーベル(4,206m)、テッシュホルン(4,491m)、ドーム(4,545m)、レンツシュピッツェ(4,294m)、ナーデルホルン(4,327m)、ウルリッヒスホルン(3,925m)、ポルティエングラート連峰(ピッツォ・ダンドッラ、3,654m)、ヴァイスミース(4,023m)、ラッキンホルン(4,010m)、フレッチホルン(3,993m)と並び、写真右端がベスホルン(3,268m)です。写真中央のイタリアの低山は左がモンテ・ラ・ナーヴェ(988m)、中央がモンテ・セッテ・テルミーニ(別名ベデローニ、972m)、右がモンテ・メッザーノ(932m)で、その右(写真右端)にマッジョーレ湖が見えています。モンテ・メッザーノの下方はルガーノ湖畔の国境の町、ポンテ・トレーザです。

カメラを少し北寄りに向けて、複雑な形状のルガーノ湖をできるだけ構図に収めようと撮ったもの(全容はとても入り切りませんが…)。写真右端の湖畔がルガーノの街で、その左の山はケーブルカーが通じているモンテ・サン・サルヴァトーレ(912m)、そこから湖を挟んだ手前はアローニョ村です。メリーデの横断橋の後方にモンテ・レオーネ(3,553m)、その右にはアレッチホルン(4,193m)やユングフラウ(4,158m)をはじめとするベルナー・アルプスの山々が並んでいます。

モンテ・レオーネ(写真中央)方面のズームアップ。左のなだらかな頂はブライトホルン(3,438m)で、写真左端がヴァンミッシュヘルナー連峰(2,981m)。モンテ・レオーネの右隣はヴァーゼンホルン(伊語名プンタ・テッラロッサ、3,246m)、更にバルムホルン(3,698m)の頭、フルクーボイムホルン(伊語名プンタ・ダウローナ、2,985m)、ビーチホルン(3,934m)を経て写真右端がボルテルホルン(伊語名プンタ・デル・レッビオ、3,194m)です。

ベルナー・アルプス方面のズームアップ。写真左端がグリューンホルン(4,044m)で、その右にオーフェンホルン(伊語名プンタ・ダルボーラ、3,235m)を経てフィンスターアールホルン(4,274m)の尖峰。更にその右にブリンネンホルン(伊語名コルノ・チエーコ、3,374m)とロートホルン(コルノ・ロッソ、3,289m)を経て、ラウターアールホルン(4,042m)とシュレックホルン(4,078m)の連山。その手前にピッツォ・ビエーラ(独語名ヴァントフルーホルン、2,863m)が重なっていて、その右隣(写真中央)がシュトラールバン(2,781m)です。写真右はピッツォ・フィオレーラ(2,921m)を経てバゾーディノ(3,272m)。手前はモンテ・タマーロとモンテ・レーマを結ぶ尾根で、バゾーディノの左下がモンテ・マーニョ(1,636m)、写真中央がゾットーネ(1,569m)、フィンスターアールホルンの下方がポンチョーネ・ディ・ブレーノ(1,654m)です。山腹に見える家並みは左がブレーノ村で、右下がボスコ・ルガネーゼ村。

ルガーノ市街のズームアップ。写真中央で目立っている白い山がモンテ・グラディッチョーリ(1,936m)、その右がモンテ・タマーロ(1,962m)で、両者の間にキューボーデンホルン(左、3,070m)、ピッツォ・ロトンド(中央、3,192m)、ピッツォ・ペッショーラ(右、3,120m)の3峰が見えています。モンテ・グラディッチョーリの左奥は(バゾーディノとの間に)ピッツォ・サン・ジャコーモ(2,924m)とその左にマルヒホルン(2,962m)。モンテ・タマーロの右後方はガーレンシュトック(3,586m)と、その右にダマシュトック(3,630m)です。更に右にピッツォ・ルチェンドロ(2,963m)を経て写真右端がモンテ・ツッケロ(2,735m)。写真右端手前は、山頂までイタリア側から車道が通じていて「イタリアのバルコニー」とも呼ばれるシギニョーラ山(1,314m)です。

モンテ・ジェネローゾ山頂から北側の眺望。手前の頂は支峰のバラゲット(1,694m)です。その左後方で目立っている白峰がカモゲー(2,228m)で、その左にトッローネ・アルト(2,952m)、ピッツォ・ディ・クラーロ(2,727m)、ギューフェルホルン(3,379m)、ラインヴァルトホルン(伊語名アードゥラ、3,402m)が並んで遠望できています。バラゲットの右後方にピッツ・コルベット(伊語名ピッツォ・セヴィーノ、3,025m)、写真中央にピッツォ・ステッラ(3,163m)、写真右奥で頭だけ白くなっているモンテ・カルビーガ(1,698m)の背後にピッツ・バディーレ(3,308m)やピッツ・チェンガロ(3,369m)等のブレガリア谷方面の峰々、写真右端がコーモ湖の北端近くに位置するモンテ・レニョーネ(2,609m)です。モンテ・カルビーガの手前の山麓がサン・フェデーレ村で、その手前の白い鞍部がオリメント峠、更にその手前の白い尾根がサッソ・ビアンコ(これから下山しようとしている方角です)。モンテ・カルビーガの左山麓にルガーノ湖畔のポルレッツァ村が見えています。

モンテ・レニョーネ(写真右)方面のズームアップ。左の高峰はモンテ・ディズグラーツィア(3,678m)で、その左奥にベルニナ山群のピッツ・ツポー(3,996m)。この左にはピッツ・ベルニナ(4,049m)の頭も見えていました。モンテ・レニョーネの下方(写真中央)のなだらかな山はモンテ・ディ・トレメッツォ(1,700m)です。

モンテ・ジェネローゾ山頂から東側の眺望。写真中央のなだらかな山はピッツォ・デッラ・クローチェ(別名モンテ・クロチョーネ、1,491m)で、その背後にコーモ湖(ベッラージョ村付近)が見えています。右で頭が白くなっている山はモンテ・サン・プリーモ(1,686m)で、その右奥はレッコの町の東に位置するレゼゴーネ山(1,875m)、左奥にはグリーニャ・メリディオナーレ(別名グリニェッタ、2,177m)とその左にグリーニャ・セッテントリオナーレ(別名グリニョーネ、2,410m)。グリーニャ連峰の左にはピッツォ・デイ・トレ・シニョーリ(2,554m)、ピッツォ・メッラーシュ(2,465m)、モンテ・ロトンド(2,496m)、ピッツォ・アルト(2,512m)等が並んでモンテ・レニョーネに連なっています。

山頂直下から北尾根上を進む「センティエーロ・アルト(上の道)」は残雪が多くて危険だったので、山頂駅の手前まで来た道を戻ってから、分岐を左折して「センティエーロ・バッソ(下の道)」に入りました。東へ延びる尾根を緩やかに下って行きます。

尾根上の分岐を左折して山腹のトラバース道を北へ進みます。尾根の北側は雪が多く、「下の道」でも歩くのが結構大変でした。左手前の頂が先程登頂してきたモンテ・ジェネローゾの山頂で、中央が支峰のバラゲット、右奥がチーマ・デッラ・ピアンカッチャ(1,610m)です。バラゲットとチーマ・デッラ・ピアンカッチャの山頂近くに付けられた「上の道」もよく見えます。

サッソ・ビアンコの尾根から見下ろすオリメント峠。近くに見えましたが、峠へ向かう道は左手前の尾根(アルペ・ペショー)を巻いた後、その向こう側の谷を大きく迂回して進むため、思ったより距離がありました。

荒廃した農家小屋が点在するアルペ・ペショーを通過。

アルペ・ペショーから東に眺めるピッツォ・デッラ・クローチェ。山頂の左に建物が見えますが、かつてはリフトが運行されスキー場として賑わった時期があったようです。

オリメント峠(海抜1,275m)に到着。レストランが営業していましたが、昼食はモンテ・ジェネローゾ山頂で早々と済ませてしまったので、立ち寄りませんでした。

オリメント峠付近から眺めるグリーニャ連峰(左)、モンテ・サン・プリーモ(右)とコーモ湖。

オリメント峠から東の谷を下ると近道ですが、山道には積雪があって迷いそうだったので、少し遠回りながら舗装された車道を辿ることにしました。写真は窪地の池を迂回して道がカーブしているボイレッテ付近。池の背後の山がピッツォ・デッラ・クローチェの北側斜面です。

アルペ・グランデの分岐を通過。近くにレストランがあるようですが、見えませんでした。

サン・フェデーレ村の家並みが近づいてきました。道路脇は放牧場で、人懐っこい白いロバ(写真右端)が飼われていて、暫し戯れることができました。

サン・フェデーレ村に到着。インテルヴィ谷の中心的な存在の村です。ホテル「ヴィットリア」のレストランでビール(カミさんは白ワイン)を飲んで休憩した後、中心部のカルミナーティ広場にある停留所で帰りのバスを待ちました。乗車の際に運転手へ料金を払おうとすると「追加料金が1.30ユーロかかるよ」と指摘されました。どうやら乗車前にバス停近くの売店等で切符を買っておかないと料金が上乗せされるシステムのようです。知らなかったので損してしまいましたが、追加料金込みでも1人5ユーロなので、約1時間の乗車距離からすれば高くはないと思えました。

コーモ市街へ到着した後、買物に出掛けました。旧市街の城壁脇には多くの露店が並んでいます。大半が衣類や服飾品の安売り店で、確かに驚くような価格ですが、品質の方もそれなりという印象でした。

城壁の外側にある屋内青果市場。明日からの連休に備えて食材を買い込むつもりでしたが、思ったより新鮮な感じじゃなくてガッカリ。滞在しているアパートの近くに日曜祝日も開いている小型スーパーがあるので、そこで良いや、という結論になりました。


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