「夫婦で歩くスイスアルプス」

モンテ・サン・ジョルジョ山麓ハイキング

2017年5月3日。前日の夕食が遅めだったので、今朝は小雨模様ということもあり、コーモ市内のアパート内でのんびり朝食を摂りました。サン・ジョヴァンニ駅から10時過ぎのベリンツォーナ行き電車に乗り、再びスイスのカポラーゴ駅にやってきました。


カポラーゴ駅からルガーノ湖の南東端に沿って西へ暫く歩くとリーヴァ・サン・ヴィターレ村です。湖岸には鴨が沢山泳いでいました。

リーヴァ村の中心に建つサン・ヴィターレ教区教会。左手前の建物がサン・ジョヴァンニ洗礼堂で、西暦500年頃の創建とされ、現存するスイス最古の宗教建築物です。

サン・ヴィターレ教区教会の主祭壇。教会自体は18世紀に建てられたものです。

サン・ジョヴァンニ洗礼堂の内部。八角形の建物の中心に大きな洗礼盤が置かれています。この洗礼盤は12世紀のもので、その下の床に刳り抜かれているのが元の洗礼場だったらしいです。祭壇の奥の壁にキリスト磔刑、左に最後の審判、右にキリスト誕生のフレスコ画が描かれています。

サン・ジョヴァンニ洗礼堂の壁に描かれた「最後の審判」のフレスコ画。

リーヴァ・サン・ヴィターレ村の北側に建つサンタ・クローチェ聖堂にも立ち寄ってみました。こちらは16世紀後半の建立です。

サンタ・クローチェ聖堂の内部。教会というよりは美術館のような雰囲気でした。

巨大な絵画と豪華な装飾の天井画に目を奪われました。

リーヴァ・サン・ヴィターレ村から12時台のポルト・チェレージオ(イタリア)行きポストバスに乗り込みます。バスはカポラーゴ駅が始発の筈なのに、10分以上も遅れてやってきました。

ポストバスでルガーノ湖岸の道を走り、ブルジーノ・アルシーツィオ村の中心を通り過ぎた先のロープウェイ乗場前で下車しました。

ロープウェイ乗場前の船着場。写真右のスイス国旗の右側がモンテ・ブレ(925m)、左側がモンテ・サン・サルヴァトーレ(912m)で、その間がルガーノの街です。

ロープウェイのゴンドラから見下ろすルガーノ湖。右の対岸はモルコーテ村で、岬近くのサンタ・マリーア・デル・サッソ教会や、丘の上に建つモルコーテ城がよく見えます。写真左奥の対岸はイタリア領で、山の中腹に見えているのがクアッソ・アル・モンテ村、その右背後の山がモンテ・ピアンベッロ(1,129m)です。

ロープウェイの山上駅(海抜約650m)に到着。このロープウェイは山上駅の近くに建つホテル・セルピアーノが運営しているもののようです。

ホテル・セルピアーノには立ち寄らず、散策に出発します。本来ならばモンテ・サン・ジョルジョの山頂へ登りたいところですが、今日は出遅れているのと、雨上がりで山頂からの眺望が期待できそうにないと思われたため、モンテ・サン・ジョルジョの西山腹をトラバースして南下するコースを選びました。

森の中にはアリウム・ウルシヌム(ベアラウフ=熊韮)の花が沢山咲いていました。

サン・ジョルジョ山は中生代三畳紀の化石が多く発見されたことで世界遺産に登録されていて、遊歩道の途中に発掘調査現場の跡もありました。写真の岩は「化石っぽいかな?」と思って撮りましたが、全くの勘違いかも知れません(笑)。

森を抜けて平原へ出てきたところに小さな礼拝堂が建っていました。奥の壁に品のある聖母子像が描かれていました。

1950年に閉鎖されたスピニローロの瀝青工場跡を通過。この地域で採掘した岩石から天然アスファルトを製造していたらしいです。背後の山はモンテ・プラヴェッロ(別名ポンチョーネ・ダルツォ、1,015m)で、この向こう側はイタリア領です。

「フォンターナ・ディ・メリデ」のバス停を通過。その名のとおり、水量の豊富な泉が湧いていました。

メリデ村に到着。村の南外れにあるグロットで食事をしたかったんですが、既に14時過ぎで営業時間外と思われるため断念。村内で開いているカフェを見つけ、曜日替わりのパスタランチ(水曜の今日はオレッキエッテ)と白ワインをいただきました。

メリデ村の化石博物館の入口。写真右奥に見えている塔はサン・ロッコ教会です。

「モンテ・サン・ジョルジョ化石博物館」の受付。この地域で発掘された爬虫類や魚類の化石がふんだんに展示されていて、見応えがありました。

サン・ロッコ教会の内部。主祭壇の聖母子画が良い感じでした。

メリデ村の西側の高台に建つサン・シルヴェストロ教会。元々は城郭が建っていた場所らしいです。残念ながら閉まっていて内部を見ることはできませんでした。

メリデ村のバス停。ポストバスに乗り込んでメンドリージオ駅へ出ました。

メンドリージオ駅近くのCOOPに立ち寄りました。「スイス産ワインが飲みたい」とのカミさんのリクエストには応えることができましたが、他の食材はコーモ市内の2〜3倍もの値段なので、何も買う気になりませんでした。

帰りはキアッソ止まりの電車に乗り、徒歩で国境税関を通過してからコーモの市内バスに乗りました。市内バスは乗車する前に切符を買っておかないと料金が2倍になってしまうので、何処で買えるのかなとキョロキョロしていたら、通りにいた小父さんが「切符か?この店だ」と隣のバーを指差してくれました。イタリアの人も親切で助かります。


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