「夫婦で歩くスイスアルプス」

マルグンスからチョー・ド・ヴァレッタ山頂へ

2013年9月21日。1週間お世話になったサメーダン村のアパートをチェックアウトする日ですが、良いお天気なので管理人にお願いして荷物を地下の洗濯室に置かせてもらい、近場のハイキングへ出掛けることにしました。バスに乗って隣村のツェレリーナへ行き、村の上手にある乗場からゴンドラリフトに乗り込みます。

ゴンドラリフトの行く先はマルグンス(海抜2,278m)。シュラッタイン川(写真左手前)が流れるサルヴェール谷の中央ですが、広々としたアルプで谷底という雰囲気ではありません。人影も少なく、ゴンドラリフト駅の前に置かれた小屋で数頭の豚が気持ち良さそうに眠っていました。正面に見えている山はピッツ・シュラッタイン(3,004m)とその右奥にピッツ・グリッシュ(3,098m)、右はピッツ・コルヴィリア(3,083m)を経てピッツ・グリューナ(3,106m)。左には展望台のあるピッツ・ナイール(3,057m)の頂が覗いています。

地図に「ラス・コシュタス」と表記されている放牧場の中を通って北東方向へ歩き始めます。この道は「ヴィーア・エンジャディーナ(エンガディンの道)」コースの一部になっています。写真中央のセーリン谷の奥に見えている峰はピッツ・ダル・ビュッツ(左の白っぽい頂、2,955m)とラス・トライス・フルオールス(右のギザギザ、2,910m)。その麓までマルグンス発のチェアリフトが夏場の金曜だけ運行されていて、これを利用すればピッツ・ダル・ビュッツの裏手にあるヴァレッタ峠越えのハイキングを楽しめそうなんですが、今の時期は既に運行されていません。

出発点のマルグンスと歩いてきた道を振り返って。後方の山々は右端から左へ順にピッツ・グリッシュ、ピッツ・シュラッタイン、ピッツ・ナイール、ピッツ・ナイール・ピッチェン(2,877m)、少し間を置いてピッツ・アルバーナ(3,100m)の頭。ピッツ・アルバーナの手前にコルヴィリアの黄色いケーブルカー駅が見えています。

地図に「ムント・ダ・ラ・ベシュチャ」と書かれたピッツ・パデッラ(2,857m)の南斜面をトラバースしながら緩やかに登っていきます。

左手後方に見えるラス・トライス・フルオールスのズームアップ。「3本の花」の名前どおり、3つのピークが並んでいます。

右手後方(南方向)の眺望。写真中央がピッツ・コルヴァッチ(3,451m)で、その左手前はピッツ・スールレイ(3,188m)〜ピッツ・サン・ジャン(3,134m)〜ピッツ・ロザッチ(3,123m)の連山を経てピッツ・メツディ(2,992m)に連なるロザッチ山塊。その背後に覗いているのがベルニナ山群で、ピッツ・ロザッチの左にピッツ・ロゼック(3,937m)、ピッツ・メツディの後方がピッツ・ベルニナ(4,049m)とその左隣にピッツ・モルテラッチ(3,751m)、写真左端がベッラヴィスタ連峰(3,922m)です。ピッツ・コルヴァッチの右はピッツ・フォーラ(3,363m)、ピッツ・フェドーツ(3,190m)、ピッツ・ダ・ラ・マルニャ(3,159m)、ピッツ・バクン(3,244m)、ピッツ・チェンガロ(3,369m)、ピッツ・バディーレ(3,308m)と続いています。ロザッチ山塊の手前にサン・モリッツ湖とサン・モリッツ・バートの街が見えます。

右手(南東方向)にはベルニナ谷が一望です。谷の中央を流れるフラッツ川の上流に見える村はポントレジーナ。写真右手前は蛇行するイン川と、乗ってきたゴンドラリフトの山麓駅があるツェレリーナ村です。写真右端の山はピッツ・チャルチャーニュ(3,154m)とその背後にピッツ・パリュー連峰(3,900m)、その左はピッツ・カンブレナ(3,606m)、ムント・ペルス(3,207m)、サッサル・マゾン(3,032m)と続き、谷奥に見えるピッツ・カンパッシュ(2,599m)の手前で輝いているのはビアンコ湖。谷の左側はピッツ・アルブリス(3,166m)を経て写真左端がピッツ・ムラーユ(3,157m)です。

右手前方(北東方向)にはイン川の下流方面が見渡せます。飛行場の滑走路の手前に広がる家並みが、我が家が滞在中のサメーダン村です。谷の先に遠望できる山はツェルネッツ村に近いピッツ・ヌーナ(3,124m)で、その右にピッツ・デザン(3,127m)の尖峰とピッツ・クアッテルヴァルス(3,165m)、手前にピッツ・ムルティレル(2,660m)を挟んで右にピッツ・メッツァウン(3,000m)。その更に手前はムント・ミュゼッラ(2,630m)とその右にピッツ・ウテール(2,967m)を経て写真右端がクラシュタ・ブルドゥン連峰(3,134m)。その手前は山頂にホテルが建つムオッタス・ムラーユ(2,568m)です。

ピッツ・パデッラの東斜面「アルプ・クラヴァダッチ」を北へ進みます。正面に近づいてきた山はクラシュタ・モーラ(2,952m)で、その左の支峰ピッツ・ヴァレッタ(2,846m)の背後にピッツ・ケッシュ(右、3,418m)とピッツ・ブライズン(左、3,200m)の頭が覗いています。その更に左はピッツ・メッツ(2,900m)を経てピッツ・ユェルチ(3,267m)。クラシュタ・モーラの手前に見えている草原のなだらかな山がこれから目指すチョー・ド・ヴァレッタです。このまま直進すると写真右端に見えるアルプ・ムンタッチ小屋へ向かってしまうので、写真中央の分岐を左折して緩やかな登り道に入ります。

ピッツ・パデッラの北側の尾根までやってきました。サス・アルフという岩山が近いです。尾根伝いにピッツ・パデッラ山頂へ向かう登山道が折り返すように分岐しています。

マルグーニンの峠へ向けて北へ下ります。写真右のクラシュタ・モーラの手前の頂が目指すチョー・ド・ヴァレッタです。ピッツ・ユェルチの左に見えてきた峰(写真左端)はピッツ・ダ・ラス・ブライス(2,930m)。

マルグーニンの峠(海抜2,409m)。ここから直進して下ると、ベーヴァー谷の底にあるシュピーナス駅に至ります。

マルグーニンの峠から右手(東)へ緩やかに登ります。写真中央のピッツ・ダ・ラス・ブライスの左奥に見えてきた双耳峰はチメルス(2,782m)。

登る左手後方に見えてきたピッツ・オート(写真中央奥、3,246m)。左手前の支峰はラス・セット・レーザス(3,044m)、右の支峰はピッツ・シュピーナス(2,883m)です。写真右端にピッツ・エラ(3,339m)が遠望できています。

ピッツ・エラのズームアップ。アルブラ峠を越えた先のベルギュン村に近い山です。

チョー・ド・ヴァレッタ山頂(2,493m)に到着しました。右後方に見える観測塔?の建っている頂が本当の山頂(2,496m)のようですが、眺望も大差なさそうなので、ここで良しとしました。

チョー・ド・ヴァレッタ山頂から西側の眺め。右がピッツ・オート、中央奥がピッツ・ダル・ビュッツ(右)とラス・トライス・フルオールス(左)、左端がピッツ・パデッラです。

チョー・ド・ヴァレッタ山頂から眺めるベルニナ山群。写真右端のピッツ・ロゼックから左へ順に、ピッツ・チェルヴァ(3,546m)とその左奥にピッツ・シェルシェン(3,971m)、ピッツ・モルテラッチとその背後に最高峰のピッツ・ベルニナ、ピッツ・アルジェント(3,945m)とピッツ・ツポー(3,996m)を挟んで写真中央がベッラヴィスタ連峰、ピッツ・パリュー連峰、ペルス氷河を挟んでピッツ・カンブレナの山々です。

チョー・ド・ヴァレッタ山頂から東へ緩やかに下ります。鋭く切れ落ちた左手にはベーヴァー谷を隔ててクラシュタ・モーラの全容が間近に眺められます。

尾根の東端付近。眼下にベーヴァー村が見えます。ここから南へ方向を変えて下ります。

アルプ・ムンタッチ小屋(海抜2,186m)。大きな牧畜小屋のようですが、奥にテラス席もあって軽食休憩ができます。残念ながら今夏の営業は既に9月15日までで終了していました。

アルプの斜面を下るつもりが、案内標識に沿って進んだらマウンテン・バイク用の林道コースに入ってしまいました。樹林帯の中を大きく蛇行して下る羽目になりましたが、無事サメーダン村の上手に出てきました。

サメーダン村のカフェ「ラーガー」のテラス席でコーヒーを飲みつつ休憩。私はエンガディナー・ヌストルテ(写真手前)、カミさんはチョコレートケーキをオーダー。どちらも美味しかったです。

アパートから荷物を引き取り、電車でチューリッヒ方面への帰途につきました。写真はお馴染みのラントヴァッサー橋。この日はチューリッヒ郊外のタールヴィール駅前に泊まり、翌朝チューリッヒ空港からウィーン経由で帰国しました。


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