「夫婦で歩くスイスアルプス」

ガステルン谷ハイキング

2016年9月15日。前夜に突風が吹き、今朝は予報どおりの小雨模様ですが、山々は見えているので谷底歩きを楽しむことにします。カンデルシュテーク駅前から村内バス(宿泊者は無料)に乗り、終点のスンビュール行きロープウェイ乗場(海抜1,194m)で下車しました。

ロープウェイ山麓駅の裏手にはカンデル川が急流になって流れ下っています。川沿いの遊歩道を辿ってここから遡って行ける筈が、土砂崩れでもあったんでしょうか、通行止めになっていました。

仕方なく車道を辿って歩き始めます。車道といっても対向車が擦れ違えない幅なので通行できる時間帯が決められていて、車の往来は殆どありません。写真のように岩壁を刳り抜いて道路を付けた場所もあり、雨を除けられて好都合でした。

車道から見下ろすスンビュール行きロープウェイの山麓駅。蛇行するカンデル川に囲まれたような場所に建っています。地図にはエッケシュヴァントと書かれている地区です。写真中央奥がカンデルシュテーク村の中心部。

車道がトンネル(写真左)に入る手前から河岸へ下り、橋を渡って右岸の遊歩道を登ります。カンデル川の両岸に巨大な岩壁が迫り、クルーゼと呼ばれる峡谷になっています。

峡谷に架かる車道の橋。ここから再び車道を歩きます。村内バスで乗り合わせた英語圏の団体ハイカーが同じコースを登ってきていました。

カンデル川の流れが緩やかになったところで車道から離れ、左岸の遊歩道に入ります。

山岳ホテル「ヴァルトハウス」(海抜1,358m)の前を通過。スイスでも今どき珍しい「電気も温水シャワーも無いホテル」として有名らしいです。

「ヴァルトハウス」近くの農家小屋の前に、生まれたばかりの子牛がいました。

「ヴァルトハウス」の先にはガステレホルツと呼ばれる広大な平原が放牧場になって広がっています。行く手に迫る岩壁はバルムホルンの北麓で、バルムホルン氷河を源流とする滝が何本も流れ下っています。

バルムホルンの北麓を流れる滝に近づいた辺りで再びカンデル川の右岸へ渡ります。左の滝は岩壁の中を落ちているように見えます。

滝を通り過ぎたところから。写真右奥がアルテルスの北斜面で、頂のように見えるのはオーベルス・ターテリスホーレ(2,962m)かも知れません。

再び橋を渡って左岸へ。上流方向に見えるのはドルデンホルンの南麓です。この先は河畔から少し離れた道になりますが、数年前に発生した洪水の影響なんでしょうか、道が浸食されて川床のようになっていたり倒木があったりして、少し歩きにくい場所もありました。

三度目の右岸へ渡ってジグザグの坂道を登り切ると車道に合流し、間もなく牧草地が広がってセルデンに到着です。正面の峰はホッケンホルン(3,293m)で、写真左がサックホルン(3,204m)。この山脈の向こう側がレッチェン谷になります。

手前側にある山岳ホテル「シュタインボック」。先客が沢山いたので先へ進みました。

「ガストハウス・シュタインボック」の少し先に建つ山岳ホテル「ガステルンタール」(海抜1,545m)。こちらは幸い空いていました。

館内の席でビール(カミさんはフレッシュ牛乳)を飲み、目玉焼き載せレシュティを1つ頼んで2人で食べました。カリカリに香ばしく焼いてあり、薄味で美味でした。

山岳ホテル「ガステルンタール」の脇がカンデルシュテーク行きミニバスの起点です。これに乗って帰るつもりでしたが、お天気も回復気味で薄日が差してきたので、歩いて戻ることにしました。

帰路は車道を辿ったので快適に歩けました。右手にインネレ・フィージシュトックの西尾根が迫り、その岩壁に現れた褶曲地層を見上げつつ進みます。

行く手にスンビュール行きのロープウェイが行き交うのが見えました。

左手にはカンデル川が池のようになって緩やかに流れています。この対岸が山岳ホテル「ヴァルトハウス」辺りです。

ひょうきんな表情の山羊がいました。

エッケシュヴァントからの村内バスも待合せが悪かったので、カンデルシュテーク村まで歩いて戻りました。写真は滞在中に何度も通った村内のパン屋さん「マルモット」。喫茶店を併設していて、この日もケーキとコーヒーを頼んでのんびりお茶しました。


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