「夫婦で歩くスイスアルプス」

ローテ・クンメ峠越えハイキング

2016年9月20日。今回のカンデルシュテーク村滞在の最終日です。今朝は久し振りに青空が見えていました。宿泊者無料の村内バスでスンビュール行きロープウェイ乗場へ。


ロープウェイでスンビュール(海抜1,936m)に到着。レストランの前から東にガステルン谷を見下ろした図です。思い切り逆光ですが、中央の峰がドルデンホルン(3,638m)で、その左隣がクライン・ドルデンホルン(3,475m)、左の黒い岩山はインネレ・フィージシュトック(2,787m)です。

ガステルン谷の右に聳えるアルテルス(3,629m)。左の丸い頂はオーベルス・ターテリスホーレ(2,962m)です。

スンビュールから南へ緩やかに下り、シュピッテルマッテの平原へ入ってきました。正面のピラミッド型の山はクリ・リンダーホルン(3,003m)で、その左奥が主峰のリンダーホルン(3,448m)です。

リンダーホルンのズームアップ。

シュピッテルマッテの中央部は湿地帯になっていて、池が点在しています。後方(西側)に並ぶ岩山はユーシェネグラートで、中央左寄りがヴィシ・フルー(2,472m)、その左にフェルスホーレ(2,782m)、更に左奥にローテ・トッツ(2,848m)。行く手に見える牧畜農家の前を通って更に南下していきます。

牧畜農家の前辺りから南東方向に眺めるシュヴァルツ氷河末端の谷。クリ・リンダーホルンの北麓の岩肌が朝日に輝いて綺麗でした。

ベルン州とヴァリス州の州境を越えます。写真右下の礎石にある「B」の文字はベルン州の意で、反対側にはヴァリス州を表す「W」の文字が彫られています。この先はクリ・リンダーホルンの西麓に向かって緩やかに登って行きます。

登り道の途中から歩いてきたシュピッテルマッテの平原を見下ろして。左の岩峰がユーシェネグラートの北端ゲッリホーレ(2,284m)で、その右の麓が出発点のスンビュールです。右のインネレ・フィージシュトックとの間に並んでいるのはカンデル谷の東側に位置する山々で、左がエルミックホルン(2,742m)、中央がツァレルスホルン(2,743m)、右がデュンデンホルン(2,862m)です。

シュヴァーレンバッハ小屋が見えてきました。背後の山はフェルスホーレで、左奥がローテ・トッツです。

シュヴァーレンバッハ小屋(海抜2,060m)に到着。トイレ休憩を兼ねて内部のレストランでコーヒーをいただきました。「山岳ホテル」と称しているとおり宿泊者用の個室もあり、レストランも白木で統一された内装がお洒落でした。

シュヴァーレンバッハ小屋を出て更に南下します。写真は振り返って小屋を撮ったもの。写真右上の峰がアルテルス、中央がオーベルス・ターテリスホーレです。

大きな鋭い鳴き声を聞いて振り向くと、僅か3〜4mの至近距離にマーモットがいました。

緩やかな登り道を辿ると、ダウベン湖が姿を現しました。対岸の山はダウベンホルン(2,942m)で、その左の鞍部がゲンミ峠です。写真左上の峰はプラッテンヘルナー連峰(2,855m)。

ダウベン湖(海抜2,207m)の北岸に到達。湖畔で寛ぐ老夫婦が絵になっていました。今日のここまでの道は16年前にも歩きましたが、その際は空に雲が垂れ込めていたので、こんな美しい景観を楽しめる道だとは分かりませんでした。ダウベンホルンの右に見えてきた峰はシュヴァルツホルン(3,105m)です。

16年前はダウベン湖の東岸を辿ってゲンミ峠へ向かいましたが、今回は西岸へ向かいます。

ダウベン湖の北西岸から眺めるリンダーホルン(右)とクリ・リンダーホルン(左)。

ダウベン湖の西岸から西へ入り、ローテ・クンメのガレた谷を登ります。残念ながら急速に雲が広がってきてしまいました。

登り道の左手(南側)にはローテ・トッツの岩峰が近いです。

ローテ・クンメ峠(海抜2,618m)まで登り切りました。

ローテ・クンメ峠の南側には柱状の奇岩が立っています。

ローテ・クンメ峠から西側に見えるテリ氷河の末端に向かって下ります。テリ氷河の上手にはシュテークホルン(3,146m)が聳えている筈ですが、全く見えません。

テリ氷河末端の谷を隔てて聳えるティーアヘーリ(2,894m)。氷河の末端で谷を渡り、このティーアヘーリの麓を右手(北)へトラバースしていきます。

ティーアヘーリ山麓のトラバース道から。右に見えているのはテリ氷河末端にできた湖。道は行く手に聳える山キンドベッティホーレ(2,691m)の左肩、キンドベッティ峠へ向かっています。

キンドベッティ峠(海抜2,623m)。西のエングストリーゲンアルプ側から雲がどんどん流れてきていて、ますます視界が悪くなりました。後方にうっすら見えているのがティーアヘーリです。

ガレた斜面の滑りやすい道を西へ、眼下に見えるドッセン湖(写真左下)を目指して下ります。写真右上は特徴的な山容のチンゲルロッホティックホルン(2,735m)ですが、残念ながら殆どその姿を見ることができませんでした。

ドッセン湖の近くまで下ると、再びマーモットを何匹も見掛けました。

ドッセン湖畔(またはトッセ湖、海抜2,350m)。ここまで下れば一安心と思いましたが、実際にはこの先の緩斜面の下りが粘土質の滑りやすい土と石灰岩が交錯した道で、かなり歩きづらかったです。

ようやくエングストリーゲンアルプの広大な平原の手前まで下ってきました。左手にヴィルトシュトルーベル山の雄大な姿を眺められるところですが、今日は全く見えません。

エングストリーゲンアルプも湿原状態で道が分かりづらく、この写真を撮った後は霧が濃くなって、進む方向さえ見失いそうでした。何とか山岳ホテルまで辿り着きましたが、すぐ近くにある筈のロープウェイ駅の位置がまるで分からず、レストランの職員に道を尋ねる有様でした。

ロープウェイでウンター・デム・ビルクに下り、路線バスに乗ってアーデルボーデン村手前のエイ停留所で降りました。ここでカンデルシュテーク行きの路線バスに乗り換え、貸しアパートへ戻りました。翌朝にアパートを出てチューリッヒ空港へ向かい、帰国の途につきました。


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