「夫婦で歩くスイスアルプス」

グラン・サン・ベルナール3峠周遊ハイキング

2008年9月17日。今朝は文句ない快晴です。今日はグラン・サン・ベルナール峠周辺を歩くことに決め、バスでオルシエール駅前に下ると、「おーとさんですか?」と一人の紳士に声を掛けられました。オーバーヴァリスのフィスパーテルミーネン村にご滞在中の「いぶれす」さんが遥々訪ねてきてくださったのです。予期せぬ対面に感激した我が家は動転してしまって、同氏のご都合もよく訊かないままグラン・サン・ベルナール行きのバスに押し込んでしまいました。車中で互いに今回の旅で歩いた場所等を語り合ううち、バスはあっという間にグラン・サン・ベルナール峠(海抜2,469m)に到着。

「いぶれす」さんは峠の北に聳えるグランド・シュナレット山に登られることになり、峠で湖をバックに記念撮影をしてから短い出会いを惜しみつつ別れました。我が家は峠の博物館でセント・バーナード犬を見た後、湖の北側に付けられた遊歩道を通ってイタリア国境へ向かいます。

イタリア領に入ったところからスイス側を振り返って。正面奥に見えている建物が歩き始めた峠のホスピス。左手前はイタリアの国境検問所で(ハイカーに対する検問はありません)、右は聖ベルナール像。左奥に覗いている山はモン・ヴェラン(3,731m)です。

この先、一旦車道の下手に下らなければいけないところ、誤って上手の道を西進してしまいました。踏み跡が続いていたので何とかならないかと歩き続けましたが、どうやらフネートル・ダン・オー峠に通じる道らしいことが分かり、道無き草原の斜面を下って車道へ。ようやく遊歩道に戻ったと思ったのも束の間、今度は分岐点を見過ごしてアオスタ方面への下り道に入ってしまいました。分岐点に必ず案内標識があるスイスに慣れてしまうと、折角持参してきた地図を見ずに歩く癖がついてしまって良くないですね〜(笑)。1時間以上も時間をロスして、ようやくフネートル・ド・フェレ峠への道の入口(写真)に辿り着きました。

草原の中をカール谷の奥に向かって徐々に北へ登り詰めていきます。目指すフネートル・ド・フェレ峠は写真中央の鞍部です。

国境標識の建つフネートル・ド・フェレ峠(海抜2,698m)に到着。心配した雪も殆ど残っておらず、昨日のフェレ大峠とは大違いです。岩陰で風を避けつつ、持参したおにぎりで昼食にしました。峠の南にはアオスタ谷州の山々が並んでいます。案内標識の後方で最も高く見える山がラ・グリヴォラ(3,969m)、その右奥が最高峰のグラン・パラディーゾ(4,061m)で、手前にグラン・ノムノン(3,488m)が重なって見えています。

フネートル・ド・フェレ峠から再びスイス領に入り、左手にフランスとの国境を成す山々を眺めつつ北へ下ります。主要なピークは左から順にトリオレ針峰(3,870m)、モン・ドラン(3,820m)、トゥール・ノワール(3,836m)、グラン・ダレー(3,514m)です。

下った先の山腹アルプに3つの湖(フネートル湖沼群)が現れます。左手の湖の向こうに並ぶ山々は、写真左端がグラン・ゴリア(3,238m)で、中央の白いモン・ブラン(4,810m)から右へ順にグランド・ジョラス(4,208m)、モン・ド・グルヴェッタ(3,684m)、レショー針峰(3,759m)と続き、写真右端がレブルマン針峰(3,599m)です。

道の右手にも2つの湖があります。奥の湖の畔に向けて下っていきます。正面の山はモン・テリエ(2,951m)で、その手前の肩がこれから越えようとしているバスチヨン峠。う〜ん、かなり手強そうですね…。

北側のフネートル湖の畔はワタスゲが残っていて綺麗でした。湖から流れ出る川を石橋で渡り、フェレ谷へ下る道を左に分けて湖の北側斜面を登ります。

モン・テリエの中腹から見下ろすフネートル湖と、迫力ある山容のグラン・ゴリア。手前にアングロニエット氷河を纏っています。右下はフェレ谷です。

バスチヨン峠手前の登り道。急斜面のトラバースですが、道は意外にしっかりしていて、見た目ほど危険を感じませんでした。

バスチヨン峠近くから眺めるフランス国境方面の山々。左から順にモン・ブラン、グランド・ジョラス、モン・ド・グルヴェッタ、レショー針峰、レブルマン針峰、タレーフル針峰(3,730m)、サヴォワ針峰(3,603m)、ポワント・デ・パピヨン(3,644m)、ポワント・イザベラ(3,761m)、トリオレ針峰、モン・ドラン。モン・ド・グルヴェッタの下方に見える尾根の鞍部が前日に歩いたフェレ大峠です。

モン・ブランとグランド・ジョラスのアップ。

トリオレ針峰とモン・ドランのアップ。左がプレ・ド・バール氷河の上部、右がドラン氷河です。

バスチヨン峠(海抜2,761m)から東側の眺望。左の山がグラン・コンバン(4,314m)、右がモン・ヴェランです。写真左の池がグイユ・デュ・レ、右奥はグラン・レの湖。

秀麗なグラン・コンバンのアップ。

右手にプチ・レの湖とその向こうにポワント・ド・ドローヌ(2,950m)の山を眺めつつ草原を下っていきます。写真左上に覗いている頭が、「いぶれす」さんが登られたグランド・シュナレット(2,890m)でしょうか。

ドローヌ谷を左へ下っていく手前で、正面のシュヴォー峠(海抜2,714m)を越えていく道と分かれました。これを越えていけば出発点のグラン・サン・ベルナール峠に戻れるんですが、疲れた足には相当キツい登り道に見えました。

グラン・コンバンとモン・ヴェランを正面に眺めつつドローヌ谷をずんずん快適に下っていくと、遥か前方に今朝バスで通った車道が見えてきました。

この辺りは黒牛の放牧場で、近くを通り過ぎるのに少し緊張しますが、幸いみんな大人しく見送ってくれました。モン・ヴェランを背景に記念写真です。

モン・ヴェランのアップ。

グラン・サン・ベルナール・トンネルの入口を見下ろす辺りで車道に出ました。そのまま車道を進み、写真前方に見える道路脇の建物の左手がブール・サン・ベルナールのバス停です。ちょうどぴったりバスの通過時刻に到着し、殆ど待たずにバスに乗ることができました。


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