「夫婦で歩くスイスアルプス」

ヒンタートゥクス氷河末端周辺ハイキング

2017年8月13日。ようやく晴れるとの予報が出たので、トゥクス谷奥行きのバスに終点まで乗り、ヒンタートゥクス氷河行きのゴンドラリフトに乗り込みました。


最初のゴンドラリフトを降りたところがゾンマーベルクアルム(海抜2,100m)。南側に見える岩肌がヒンタートゥクス氷河の末端ですが、その右に聳えるレルムシュタンゲ(2,686m)の切り立った峰の方が印象的です。

さて次のゴンドラリフトに乗ろうとして、自分が大いなる勘違いをしていたことに気付かされました。「ツィラータール・アクティブカード」で氷河の上まで行けると思い込んでましたが、ゾンマーベルクアルムまでしか有効じゃなかったんです(説明書きをよく読めばちゃんと書いてありました)。既に氷河の上まで行く気分になっていたので諦め切れず、レストランのレジで(ここの乗場には切符売場が無く、レストランへ行けと案内表示がありました)1人23.50ユーロの山頂行き往復切符を買いました。2番目のゴンドラは2本のケーブルに吊り下げられていて安定感がありました。支柱の右に見えている尖峰はエフナー・ホルンシュピッツェ(2,650m)です。

2番目のゴンドラリフトは巨大な山岳ホテル「トゥクサー・フェルナーハウス(トゥクス氷河小屋)」(海抜2,660m)に通じています。ホテルの裏手までスキーゲレンデが整備されていて、山頂駅からここまで滑り降りて来られるようになっていました。写真右奥の山はクライナー・カーゼラー(3,093m)です。

少し離れた乗場から最後の大型ゴンドラに乗り込み、いよいよ山頂駅へ向かいます。乗客はスキーヤーばかり。

ゲフローレネ・ヴァント・シュピッツェン連峰の頂にある山頂駅(海抜3,250m)に到着。展望テラスに上ってみましたが、雲の中で全く眺望なし。薄日が差していたので晴れないかなと暫く待ってみましたがダメでした。思えばレストランのレジのお姉さんは「山頂駅はお天気が悪いみたいよ」と余り勧めない口調だったんです。アドバイスは聴かなきゃいけませんね…。

大枚を叩いて山頂駅へ上ったのに成果を得られず、失意のままゾンマーベルクアルムに戻ってきました。下界はまずまずのお天気なので、気を取り直してハイキングに出発します。写真は南西方向に少し登った場所から振り返って撮ったゾンマーベルクアルム。その右に見えているのがバスで上ってきたトゥクス谷です。

写真右の山ヴァイセ・ヴァントの東斜面(左側)を緩やかに登っていきます。写真左端の尖峰がレルムシュタンゲです。

左手(南側)に大岩のように見えるヒンタートゥクス氷河の末端を眺めながら登ります。写真右上のレルムシュタンゲの左奥が山塊最高峰のオルペラー(3,476m)ですが、頂上は雲に隠れています。写真左上がゲフローレネ・ヴァント・シュピッツェン(3,288m)です。

ゲフローレネ・ヴァント・シュピッツェンのズームアップ。うっすら見えている頂上の左肩へ点々と連なっているのが先程乗ってきた大型ゴンドラリフトです(山頂駅は山頂の向こう側)。右肩にも別のスキー用ゴンドラリフトが通じています。山頂の下方、白い氷河の末端に建つ大きな建物が「トゥクサー・フェルナーハウス」で、その左にはシュパンナゲル小屋も見えています。

登り詰めるにつれてレルムシュタンゲ(写真左上)の形が変わって見えてきました。右の小さな頂の右側の鞍部が目指す峠、カーゼラー・シャルトルです。この先は草花が沢山咲いていて楽しい登り道でした。

カーゼラー・シャルトル峠(海抜2,446m)に到着。西側に現れたギザギザの峰(写真中央)はシェーバーシュピッツェン(2,602m)です。

カーゼラー・シャルトル峠から北西側に見下ろすカーゼラー・ヴィンクルの谷。写真の奥で左へ曲がってシュミルン谷に繋がっています。写真左手前の山はシェーンラーナーシュピッツェ(2,424m)、その右で日陰になっているのがヨッホグルーベンコップフ(2,453m)、その背後はシャーフザイテンシュピッツェ(2,602m)です。写真右端の山はナーフィザー・クロイツイェッヒル(2,536m)で、その左後方に遠望できているのはローゼンヨッホ(2,796m)方面でしょうか。

カーゼラー・シャルトル峠から北側に眺めるフラウエンヴァント(右奥で岩肌を見せている峰)。これからその頂を目指します。写真左奥に見えている尖峰はエフナー・ホルンシュピッツェです。

カーゼラー・シャルトル峠からフラウエンヴァントへ向かう道の途中で振り返って撮った写真。写真左下が登ってきた道で、それを右上へ辿った尾根上がカーゼラー・シャルトル峠です。中央奥の峰はカーゼラー氷河を纏ったクライナー・カーゼラーです。

フラウエンヴァント山頂(2,541m)。狭い頂の西側と南側が鋭く切れ落ちていて、なかなかの迫力です。写真右上の峰はエフナー・ホルンシュピッツェ。

フラウエンヴァント山頂から南東方向に眺めるヒンタートゥクス氷河(中央)。右手前のレルムシュタンゲの背後がゲフローレネ・ヴァント・シュピッツェンで、写真左はホーアー・リフラー(3,231m)です。

フラウエンヴァント山頂の北側には草原の緩斜面が広がっています。写真右の頂がヴァイセ・ヴァントで、ゾンマーベルクアルムから登り始めた道はこの向こう側の山麓になります。その右後方(写真右端)はラーナースバッハ村の南に位置するテッテンスヨッホ(2,276m)。写真中央の小山はプファンケップフル(2,388m)で、その手前にトゥクサーヨッホ小屋が見えます。写真左端はガムスカールシュピッツェ(2,750m)、その右がクシュッツシュピッツェ(2,714m)です。

フラウエンヴァントから尾根伝いに歩いてヴァイセ・ヴァント山頂(2,518m)にやってきました。写真中央奥にガムスカールシュピッツェ(左)とクシュッツシュピッツェ(右)、後者の下方にプファンケップフル、写真左端にエフナー・ホルンシュピッツェ。写真中央左寄りに見える貯水池の左側がトゥクサー・ヨッホ峠(海抜2,338m)です。

ヴァイセ・ヴァント山頂から貯水池の脇を通って下り、プファンケップフルの麓に建つトゥクサーヨッホ小屋(海抜2,313m)へ。

トゥクサーヨッホ小屋の前から眺めるヒンタートゥクス氷河。氷河の左がゲフローレネ・ヴァント・シュピッツェンで、右がオルペラー(ようやく頂上が見えました)とクライナー・カーゼラーです。

トゥクサーヨッホ小屋の南側に設けられたサンルームの席で焼きソーセージ(マッシュポテト&ザウアークラウト添え)とビール(カミさんはアップルジュース)を頼み、軽めの昼食を摂りました。

トゥクサーヨッホ小屋から北側に広がる草原の中の道を緩やかに下ります。トゥクサーヨッホ小屋の背後にゲフローレネ・ヴァント・シュピッツェンとヒンタートゥクス氷河。

端正な姿のエフナー・ホルンシュピッツェを眺めつつ、その麓から始まるヴァイテンタールという谷へ入っていきます。

ヴァイテンタールの道から正面に眺めるガムスカールシュピッツェ(左)とクシュッツシュピッツェ(右)。両者の間に見える圏谷がミッターカールで、その上方の尾根の鞍部がクシュッツシュピッツザッテル(海抜2,657m)です。

ミッターカールから流れ下る滝を眺める海抜2,000m地点。ここからクシュッツシュピッツェの東隣の峰ヴァントシュピッツェ(2,614m)への登山道が分岐していますが、そこからケレンシュピッツェに向かう尾根道は崩落の危険があり閉鎖中との地図案内が掲げられていました。

ヴァイテンタールは右方向に湾曲していて、谷底の道は徐々に東へ向かっていきます(写真は歩いてきた方向を振り返って撮っています)。草地の緑が大変美しい谷でした。

谷の出口が近づくと、ヴァイテンタールバッハ川が次第に深い谷川になり…

最後にシュライアー滝となって一気に流れ落ちます。

シュライアー滝の下まで下ってきました。物凄い水しぶきで、マイナスイオンいっぱいです。

シュライアー滝の下から草原の中の道を緩やかに下って行くと、右手の谷底にヒンタートゥクス村が見えてきました。写真右の山はシュミッテンベルク(2,731m)、中央がヘレンシュタイン(2,874m)、左奥がテッテンスヨッホです。

南側に眺めるヒンタートゥクス氷河方面の高峰群。左がホーアー・リフラー、中央がゲフローレネ・ヴァント・シュピッツェン、右がオルペラーとその右隣にグローサー・カーゼラー(3,263m)、写真右端がクライナー・カーゼラー(その左手前にレルムシュタンゲ)です。

ゴンドラリフトの山麓駅方面へ下る道もありましたが、山腹のトラバース道を直進してレストラン「ビッヒルアルム」(海抜1,726m)に立ち寄りました。眺めの良いテラス席でラドラーを飲みつつアップルパイとベリー入り自家製ヨーグルトをいただきました。どちらもボリューム満点でお腹がいっぱいになりました。

ビッヒルアルムから眺めるゴンドラリフトの山麓駅。こちらではなくヒンタートゥクス村の方へ下り、消防署前の停留所からバスに乗ってマイヤーホーフェン村へ戻りました。


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