「夫婦で歩くスイスアルプス」

ツェムグルント谷 ハイキング

2017年8月17日。マイヤーホーフェン駅前から前々日と同じシュレガイス人造湖行きバスに乗り、終点の一つ手前の停留所「ブライトラーナー分岐」で下車しました。ここから始まるツェムグルント谷の奥を目指します。


バス停からすぐの場所に建つ立派な山岳ホテル「ブライトラーナー」(海抜1,257m)。ホテルの前には翌々日に開催されるトレイルランニング大会「ツィラーターラー・シュタインボックマルシュ」のゴール地点表示が掲げられていました。

少し谷奥へ進むと、レストラン「クラウゼンアルム」(海抜1,301m)。があります。隣でロバが飼われています。朝は誰もいませんでしたが、帰りに通った際はテラス席が満席の盛況でした。

遡ってきたツェムグルント谷を振り返って。初めのうちは谷底を流れるツェムバッハ川の右岸に沿って進み、途中から徐々に東側の斜面を登ってきます。谷の出口の向こう側に聳える山はホーアー・リフラー(3,231m)で、その右肩がクライナー・リフラー(2,837m)、写真右端がレアルシュピッツェ(3,039m)。写真左上の峰はシュピッツエックコップフ(2,619m)、その右隣がツヴィーゼルコップフ(2,584m)です。

右手に谷底を挟んでグライナー山塊を眺めつつ登ります。写真右端がクライナー・グライナー(2,959m)、中央がグローサー・グライナー(3,201m)、左がグライナーゾンヴァント(2,785m)です。

グラヴァント小屋(海抜1,636m)を通過。ここもテラス席が良い雰囲気でしたが、帰路の楽しみにとっておくことにします。

グラヴァント小屋の南側に流れ下る滝を眺めつつ、更にジグザグに登っていきます。

グラヴァントアルムの平原から眺める滝。滝の上方の峰がグライナーゾンヴァントで、その左後方がタルケンケップフェ(3,179m)、右後方がグローサー・グライナー、写真右がクライナー・グライナーです。

グラヴァントアルムの上手に駐車場があり、沢山の乗用車が停めてありました。ここまで車で入って来られるんですね(関係者以外の一般車両は谷へ入れないのかも知れませんが…)。

駐車場を過ぎるとツェムバッハ川が深い峡谷になっていて、迫力ある急斜面に付けられた道を進みます。谷の奥に氷河を纏った第3ホルンシュピッツェ(左、別名ベルリーナー・シュピッツェ、3,254m)と第4ホルンシュピッツェ(右、3,198m)が見えてきました。

峡谷を抜けると間もなくアルペンローゼン小屋(海抜1,878m)が現れます。写真右に第3ホルンシュピッツェと第4ホルンシュピッツェ。

アルペンローゼン小屋の東側から左手の山道に入ります。写真は少し登った場所からアルペンローゼン小屋を見下ろして撮ったもの。写真左上の峰はクレーエンフース(2,588m)で、その麓に見える建物はヴァクスエックアルムのレストラン。写真右に見える堰でツェムバッハ川が小さな湖になっています。

東へ進むにつれ、クレーエンフース(写真右端)の左にヴァクスエック氷河が見えてきました。氷河中央の峰がグローサー・メーゼラー(3,480m)で、その左肩がクライナー・メーゼラー(3,405m)、更に左にメーゼラーノック(3,297m)、ロスルックシュピッツェ(3,304m)、トゥルナーカンプ(3,420m)と続いています。いずれもイタリアとの国境を成す峰々です。

本日の目的地、ベルリーナー小屋(海抜2,042m)に到着。テラス席に陣取り、「本日のオススメ」と黒板に書かれてあった「ガムスラグー(アルプス山羊のシチュー)とジャガイモ団子」(13.50ユーロ)に「ブッターミルヒ(ヨーグルトドリンク)」(500ml、3ユーロ)をいただきました。氷河を眺めながらの優雅なランチでした。

ベルリーナー小屋のテラスから眺めるホルン氷河。写真左上の頂はアム・ホルン(2,647m)で、その右に第3ホルンシュピッツェ、第4ホルンシュピッツェ、第5ホルンシュピッツェ(3,148m)が並んでいます。

間近に聳えるシュタインマンドル(写真左端、2,634m)の右にヴァクスエック氷河。グローサー・メーゼラーの右にフルチャグルシュピッツェ(3,190m)とシェーンビヒラー・ホルン(3,134m)が連なって見えています。

グローサー・メーゼラーとヴァクスエック氷河のズームアップ。

ベルリーナー小屋のダイニングルーム。高い天井からシャンデリアが吊るされた風格のある内装で、19世紀後半の創建から続く長い歴史を感じさせます。カミさんも「いつか是非ここに泊まってみたい」と感激してました。

ベルリーナー小屋の東側にはのどかな谷が続いています。これを遡るとシュヴァルツェン湖方面ですが、日帰りは時間的にも厳しいので今回は断念しました。写真右端に覗いている尖峰がグローサー・メルヒナー(3,285m)で、その左がクライナー・メルヒナー(3,198m)。写真中央の鞍部はフロイテングルント谷への峠越えルートが通るメルヒナーシャルテです。

往路をそのまま辿って帰るのでは面白くないので、もう少し氷河に近づいてみることにします。ベルリーナー小屋の南側を流れるツェムバッハ川を渡り、かつてホルン氷河によって削られたと思しき平らな岩場を横断していきます。

地図に「グレッチャーヴェーク(氷河の道)」と書かれているコースです。西寄りに方向を変え、ヴァクスエック氷河に向かいます。

ツェムグルント谷の下流方面にトゥクサー・カムの高峰群が遠望できました。写真右がゲフローレネ・ヴァント・シュピッツェン(3,288m)で、その左にグローサー・カーゼラー(3,263m)を挟み、写真左がオルペラー(右、3,476m)とフースシュタン(左、3,380m)の連山です。

ホルン氷河から流れ下る川を渡ります。

シュタインマンドルの麓を少し登る箇所もありました。

ツェムグルント谷の下流方面を眺めた図。ツェムバッハ川の右岸の建物はアルペンローゼン小屋で、正面の山は右がホーアー・リフラー、左がゲフローレネ・ヴァント・シュピッツェンです。

ヴァクスエック氷河から流れ下る川を渡ります。

ヴァクスエック氷河の末端から眺めるベルリーナー小屋(滝の上方の建物)。背後の山は右がクライナー・メルヒナー、中央の鞍部がメルヒナーシャルテ、ロスケップフェ連峰を経て写真左端がジグモンディシュピッツェ(3,089m)です。

ヴァクスエック氷河の西側のモレーン上まで登り、シェーンビヒラー・ホルンへの登山道を左に分けてからツェムバッハ川に向かって下ります。写真右上の峰はオクスナー(3,107m)で、その左はヘンシュタイゲンシュピッツェ(3,002m)です。

ヴァクスエックアルムのレストラン(海抜1,880m)に下ってきました。ツェムバッハ川の堰を渡り、その先は往路で通った道を戻りました。

グラヴァント小屋でアプフェルシュトゥルーデル(アップルパイ)を食べながら小休止しました。私はツィラータール・ビールです。

帰路では草花や蝶の写真を撮りながら歩きました。これはハナウドの蜜を吸うヨーロッパアカタテハ。

マツムシソウに留まるベニヒカゲ。


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