「夫婦で歩くスイスアルプス」

「スイスの道」 ハイキング (後半:フリューエレン〜ブルンネン)

2004年4月30日。ブルンネン滞在の初日は先ず「スイスの道」(詳しくは翌日のアルバムをご覧ください)の後半部分を歩くことにしました。電車でウーリ湖(ウルナーゼー)南端の町フリューエレンに行き、湖畔を北へ歩き始めます。「スイスの道」はこの辺りでシャフハウゼン州からアッペンツェルの2準州を経て「ザンクト・ガレン州の道」に入っていきます。

ウーリ湖の対岸に聳えるギッチェン山(2,540m)と、湖を進む遊覧船。

住宅街が途切れると、湖畔まで迫る明るい森の中を進みます。途中で遊歩道を整備中のボランティアの方に出会いました。お蔭で道はとても綺麗に整備されています。この辺りで「グラウビュンデン州の道」に入っていきます。

やがて湖岸に迫る岩壁を刳り貫いて付けられたアクセン街道の旧道に出ます。平行してトンネルの新道が掘られたので、こちらには車の往来が無く、湖の景色を楽しみながら安心して歩けます。

旧アクセン街道から振り返って眺めるフリューエレンの町。背後の雪を被った山はベルメテン(2,416m)です。

旧アクセン街道の途中にある展望所アクセンエックからウーリ湖の対岸に並ぶ山々を眺めます。左がギッチェン、右がシャルティ(1,693m)で、その間に見える高峰は中央がウーリ・ロートシュトック(2,928m)、その右隣がシュリーレン(2,830m)です。ここから「アールガウ州の道」に入ります。

更に北へ進むと線路脇を通ります。鉄道も現在では新しいトンネルができ、この線路を電車が通らなくなりました。以前は車窓からウーリ湖の眺めを楽しめたのですが、残念です。

線路脇から先へ少し上ると、38個の鐘から成るスイス最大のカリヨンがあります。操作台で曲目を選ぶと、驚くような大音響で演奏が始まります。

カリヨンのある場所から湖畔に下ると、「テルの礼拝堂」が現れます。内部にヴィルヘルム・テルの生涯と「リュトリの誓い」を描いた4枚の壁画が掲げられています。

「テル礼拝堂」の4枚の壁画のひとつ。悪代官ゲスラーに捕らえられたテルが搬送中の舟から逃れたのがこの礼拝堂の場所だとされているようです。

「テル礼拝堂」の近くに小さな船着場があり、その先は気持ちの良い湖畔の遊歩道が続きます。その後、上方を通る車道の脇まで上り、小さな岬を回り込むと、行く手の湖畔にシージコンの村が見えてきました。この辺りで「スイスの道」はトゥールガウ州を経てティチーノ州に入ります。村のレストランに入り、地元魚のフリッター等を注文して昼食を楽しみました。

シージコン村の中心を流れる川沿いに斜面を登り、草木が美しく咲き乱れるリートのアルプに出てきました。ここから「ヴォー州の道」に入ります。

ウーリ湖を見下ろす高台の牧草地に付けられた平坦な道を快適に歩いていきます。写真はタンネンの一軒農家を過ぎた辺りで振り返って撮ったもの。青空が広がってきて爽快です。

更に北上してシルティまで来ると、牧畜農家が点在するようになります。写真左で対岸の高台に広がる家並みはゼーリスベルク村。写真右端に遠望できるのがブルンネンの街です。写真中央で最も高く見える山はホッホフルー(1,698m)。ここから「ヴァリス州の道」になります。

ザンクト・フランツィスクス辺りには特徴ある礼拝堂が点在しています。そのうち3つを訪ね回ってみました。

行く手にミーテン山が見えてきました(右が大ミーテン:1,898m)。ここから「ヌシャテル州の道」に入ります。

モルシャッハ村に到着しました。手前の大きな建物は健康レジャー施設の「スイス・ホリデイ・パーク」。

モルシャッハ村を抜け、北側のアクセンシュタインの丘に上ります。ここから「ジュネーヴ州の道」です。

アクセンシュタインの丘にはアプト式登山鉄道の軌道跡がほんの少しだけ残されていました。1969年まではブルンネンからモルシャッハまで登山鉄道が通じていたんですね。

アクセンシュタイン付近からは南にウーリ湖の全容を眺められます。対岸の山は右からニーダーバウエン・クルム(1,923m)、オーバーバウエンシュトック(2,117m)、ウーリ・ロートシュトック、ギッチェンです。

アクセンシュタイン付近から西側の眺望。高台にゼーリスベルク村を載せた手前の半島の向こう側がフィーアヴァルトシュテッテ湖の中心部で、その奥に浮かんでいるのはビュルゲンシュトック半島(1,128m)。更にその奥にピラートゥス山(2,129m)が霞んで見えています。その左はブオックサーホルン(1,807m)。

もう眼下にブルンネンの街並みが近いです。最後に独立した「ジュラ州の道」を通ってブルンネンの街中に到着しました。


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