「夫婦で歩くスイスアルプス」

ローゼンボーデン「展望回遊路」ハイキング

2013年1月3日。早くもオーバー・トッケンブルクでの滞在最終日です。宿泊しているアルト・ザンクト・ヨハン村の南側にあるアルプ・セラマット行きリフト乗場の前を通って歩き始めます。

トゥール川に沿った静かな遊歩道を東へ進みます。この辺りのトゥール川は目立たない小川ですが、この先トゥールガウ州を延々と流れてライン川へ合流する大河になります。

左前方に眺めるウンターヴァッサー村の家並みとアルプシュタイン山群。右がヴィルトフーザー・シャーフベルク(2,373m)、中央がセンティス(2,502m)、左がシュトッス(2,111m)です。

ウンターヴァッサー村の南にあるケーブルカー乗場に到着。赤いケーブルカー「イルティオスバーン」に乗り込みます。

ケーブルカーの山上駅イルティオスで大型ロープウェイに乗り換えます。

ロープウェイで到着したのはケーザールック山頂(2,262m)。クールフィルステン連峰の頂のひとつです。

ケーザールックは北側へなだらかな尾根が続いていて、格好のスキーゲレンデになっています。スキーヤーが次々とアルプシュタイン山群に向かって滑り降りていきます。

我が家はスキーヤー達と別れ、南東側へ張り出したローゼンボーデンの尾根に向かいます。写真に見えるとおり、平らな頂の尾根が細長く続いていて、その上を周回できるよう圧雪された道が続いています。

我が家は時計回りでローゼンボーデンを一周することにしました。最初は緩やかな下り坂です。写真は歩いてきた方向を振り返って撮ったもので、後方に見えている建物がケーザールックのロープウェイ駅です。

進む左手に眺めるアルプシュタイン山群。左端がシュトッスで、シルバープラッテン(2,158m)・グレンツコップフ(2,193m)・グラウコップフ(2,218m)を経てセンティス、中央がヴィルトフーザー・シャーフベルクとその右にアルトマン(2,436m)、更にフェーレンテュルム(2,224m)・フントシュタイン(2,157m)・ムッチェン(2,122m)・クリュッツベルク(2,065m)を経て右端がホッホフース(1,926m)です。

センティス(左)、ヴィルトフーザー・シャーフベルク(中央)、アルトマン(右)のアップ。手前の谷底に見えている家並みがヴィルトハウス村です。

アルプシュタイン山群の右手には平らな頂のガムザールック(2,076m)が近いです。

ガムザールック山頂のアップ。山頂中央にスキーリフトが通じていて、スキーヤー達の姿も見えます。ここから見ると天上の別世界という感じです。背後に見えているのはオーストリアのフェルトキルヒの街。後方の山は写真右上がホーアー・フレッシェン(2,004m)、中央左寄りがヴィンターシュタウデ(1,877m)です。

ガムザールックの更に右にはガムスベルク(2,385m)が聳えています。その左奥はシックリ(2,321m)で、間にロートシュタイン(2,225m)を挟み、写真左で白く輝いているのがマルゲルコップフ(2,163m)。ガムスベルクの右はジッヒェルカム(2,269m)とその右後方にアルフィアー(2,343m)、その右隣(カミさんの背後)がガウシュラ(2,310m)です。

ローゼンボーデンの突端付近から南側(ガムスベルクの右手)の眺望。写真左端がピツォール(2,844m)方面で、写真中央がホッホフィンスラー(2,423m)とその右後方にピッツ・サルドーナ(3,056m)、その右にフォラープ(3,028m)を挟んでピョコンと尖ったシュピッツマイレン(2,501m)、更に右にマーゲルライン(2,524m)とその右後方にハウスシュトック(3,158m)。写真右端がテーディ(3,614m)方面ですが、残念ながら雲に隠れています。写真右手前はフルムザーベルクで、シュピッツマイレンの下方がプロートカム(2,006m)、マーゲルラインの下方がマシュゲンカムのゴンドラリフト駅があるツィーガー(2,074m)です。写真左下で光っているゼーツ川の畔の村はフルムスで、右手前にはヴァーレン湖が見えてきました。

ローゼンボーデンの西側の道へ回り込むと、眼下にヴァーレン湖を一望できました。左手前の湖畔がヴァーレンシュタットの町。湖の対岸には左から順にモルス、ウンターテルツェン、ムルク、ミューレホルンの各村が見えます。ムルク村の上方にグレールニッシュ連峰、ミューレホルン村の背後に褶曲した地層の模様が美しいラウティシュピッツ(2,283m)が見えています。

グレールニッシュ連峰(写真中央後方)のアップ。左側の頂がフレーネリスゲルトリ(2,904m)で、その左奥が最高峰のベッヒシュトック(2,914m)。右の頂はルーヘン(2,901m)で、その手前にミュルチェンシュトック連峰(左から順にルーヘン(2,441m)、フーレン(2,410m)、シュトック(2,390m))が並んでいます。フーレンの下方はフィルツシュトック(1,923m)、そこから左へ連なる尾根の先(ベッヒシュトックの下方)がアルプビグリゲンシュテックリ(1,958m)です。その手前に横たわる尾根はグルメン(1,828m)で、写真下端がムルク谷になります。

ラウティシュピッツの右にはリギ山が遠望できました(写真右上、1,798m)。写真中央の尖った峰はティーアベルク(1,989m)で、その左にシーベルク(2,044m)を経て写真左端がプラッテンベルク(2,082m)。いずれもグラールス・シュヴィーツ州境の山々です。シーベルクの後方に頭が覗いている山がピラートゥス(2,129m)です。

ヴァーレン湖の右手に並ぶクールフィルステン連峰の峰々。写真右端手前がヒンタールック(2,306m)、その左奥がシーベンシュトル(2,234m)、以下左へ順にツューシュトル(2,235m)、ブリージ(2,279m)、フリュムゼル(2,263m)とその左奥にセルーン(2,205m)、シェーレン(2,171m)、ネーゲリベルク(2,163m)です。

断崖沿いに登ってケーザールックのロープウェイ駅へ戻ります。

ロープウェイ駅に併設されたレストランで少し早めの昼食を摂った後、ロープウェイで下山しました。ロープウェイを利用するのは殆どがスキーヤーなので、下りのゴンドラは乗客が誰もいなくて貸切り状態でした。

ロープウェイの職員が指差す先を見ると、数頭のゲムゼ(シャモワ)が雪の斜面を走り下りていました。

ケーブルカーに乗り換えて下山後、ウンターヴァッサー村のCOOPで買物をしてから、村の中心部を通ってアルト・ザンクト・ヨハン村への帰路につきました。

アルト・ザンクト・ヨハン村の東端にあるカトリック教会(右)とプロテスタント教会(左)。両教会を訪ねてからホテルの部屋に戻りました。
翌朝アルト・ザンクト・ヨハン村を発ってネスラウ-ノイ・ザンクト・ヨハン駅から電車を2回乗り継ぎ、国境を越えてドイツの街コンスタンツへ。中心街で買物を楽しんだり、フェリーでボーデン湖を渡ってメーアスブルクのお城を散策したりして過ごしました。
翌々日はコンスタンツ発のドイツ国鉄「シュヴァルツヴァルトバーン」で「黒い森」の山岳地帯を抜け、オッフェンブルクでICEに乗り換えてフランクフルト空港へ。ソウル経由便で帰国の途につきました。


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