「夫婦で歩くスイスアルプス」

デュルンシュタイン村の裏山ハイキング

2016年4月30日。前々日の夜にウィーンに到着し、翌日にウィーン市内を観光した後、電車とバスを乗り継いでヴァッハウ渓谷のヴァイセンキルヒェン村に入りました。今朝は前日と同様の快晴なので、ヴァッハウ渓谷で最も人気が高いデュルンシュタイン村の周辺をハイキングすることにします。クレムス行きのバスを「デュルンシュタイン西」停留所で下車し、行く手の横断歩道を渡って左手の道へ入ります。写真右端はドナウ川、車道の先がデュルンシュタイン村の中心部で、左上の山上にはデュルンシュタイン城址が見えています。

村中の道をすぐ左折し、ヴァッハウ鉄道の線路を越えてタールグラーベンという谷の奥へ向かいます。目指すは行く手に見える岩山、フォーゲルベルク(546m)です。

山道に入ったところで分岐を左折し、フォーゲルベルクの尾根へ登ります。

南向きの斜面には多くの草花が咲いていました。最も多かったのは菜の花の仲間。

黄色いヴィオラの花。

オオイヌノフグリの仲間(ウェロニカ・カマエドリス)。

西洋ミミナグサ(ケラスティウム・アルウェンセ)。

フォーゲルベルクの稜線上から見下ろすデュルンシュタイン村。左手前の谷(タールグラーベン)から登ってきました。左上の山上はデュルンシュタイン城址で、ドナウ川の対岸に見える家並みはロッサッツバッハの集落です。

デュルンシュタイン村の中心部をズームアップ。水色の塔を持つ中央の建物群がデュルンシュタイン修道院で、その右手前はホテル・シュロス・デュルンシュタイン(かつての城郭)、左奥はホテル・リヒャルト・レーヴェンヘルツ(かつての聖クララ会女子修道院)です。

フォーゲルベルクの稜線上から眺めるドナウ川の上流方面。写真左端手前の山裾はロッサッツ村で、その右奥に遠く見えているのが我が家が滞在中のヴァイセンキルヒェン村。ドナウ川はそのヴァイセンキルヒェン村から弧を描くように手前へ流れてきていて、河岸の斜面には葡萄畑が広がっています。

切り立った岩山の斜面に付けられた小道「フォーゲルベルクシュタイク」を通ります(写真は歩いてきた方向を振り返って撮ったものです)。

尾根伝いに北上し、次第に若葉の新緑が美しい明るい森の中へ入って行きます。

森の中に建つフェスル小屋(海抜約530m)に到着。薫風が心地良いテラス席に座り、白ビール(カミさんは白ワイン)を飲みながら休憩しました。

フェスル小屋から少し登った頂(564m)に「シュタルヘンベルクヴァルテ」という展望塔が建っています。入口に解説書が貼ってあり、何と1895年に建てられたものらしいです。「1人0.5ユーロ」と書いてあったので、2人分1ユーロを投函して塔に上ってみました。

シュタルヘンベルク展望塔からの眺望。写真左手前がロッサッツ村で、右奥のドナウ川の対岸がヴァイセンキルヒェン村です。この方面以外は近くの山や木々が見えるだけでした。

シュタルヘンベルク展望塔からシュロスベルクの尾根伝いに南下すると、奇岩が林立している場所に出ました。デュルンシュタイン城址が近くに見えているんですが、この先は急斜面で道がありません。どうやら進むべき道を間違えたようです。

急峻な岩場でロック・クライミングの練習をしているグループがいました。

シュタルヘンベルク展望塔の近くまで戻り、デュルンシュタイン城址への道を探しましたが、ひとつ東側の尾根に入ってしまったりして時間と体力をかなりロスしました。ようやくデュルンシュタイン城址へ繋がる城壁を潜り、やれやれという感じです。

デュルンシュタイン城址。完全な廃墟ですが、12世紀末に英国王リチャード1世(獅子心王)が一時幽閉された場所として有名で、デュルンシュタイン村から多くの観光客が登ってきています。

デュルンシュタイン城址の最上部から南側に見下ろすデュルンシュタイン村。

デュルンシュタイン城址から眺めるドナウ川の上流方面(西側の眺望)。手前の谷(タールグラーベン)から歩き始め、写真右上のフォーゲルベルクの尾根に登ってここまで歩いてきました。

デュルンシュタイン城址から眺めるドナウ川の下流方面(東側の眺望)。手前がデュルンシュタイン村、林の向こう側(写真中央)がオーバーロイベン村、その左奥のドナウ河畔がウンターロイベン村です。どの村も周囲に葡萄畑が広がっています。

デュルンシュタイン村へ下ります。デュルンシュタイン城址に所縁のある中世の人物についての解説板が点在しています。

デュルンシュタイン村へ下ってきました。写真のクレムス門(旧名シュタイン門)を潜ると旧市街ですが、城壁の外側にも良さそうなレストランがありました。

城壁の東側にあるレストラン「アルター・クロスターケラー」のテラス席。本当は日蔭に座りたかったんですが、店員はお客全員を強制的に日なたのテラス席へ誘導していました。白ワインと一緒に何を食べたんだったか、日差しの暑さにボーッとしてしまって既に憶えてません(笑)。

観光客で賑わうデュルンシュタイン村のメインストリート。右の建物は16世紀に建てられた市庁舎です。

デュルンシュタイン修道院の内部を見学。ヘルデンムートという地元メルク出身の芸術家の展覧会をやっていて、無料だったので観てみました。幻想的な画風がなかなか良かったです。

修道院の教会の塔の下から眺めるドナウ川。大型の遊覧船「デュルンシュタイン号」が停泊していました。

ドナウ河畔の遊歩道を散策。ところどころに過去の洪水の際のドナウ川の水位が示してあり、2002年が最悪ですが2013年もそれに匹敵する驚くべき水位であったことが分かります。奥の水面に浮かんでいるのは、対岸のロッサッツバッハ村との間に運行されている渡し舟です。

デュルンシュタイン・オーバーロイベン駅の隣にあるサフラン工房。ここでサフランを栽培していて、それを使った様々な加工食品を販売しています。サフラン入りのチョコレートを試食させてくれましたが、チョコレートにしてしまうと香りがよく分かりませんでした…。

やってきたヴァッハウ鉄道のクレムス行き列車は意外にも真新しい3両編成の綺麗な車両でした(電化されていないので気動車ですが…)。今の時期は週末しか運行されておらず、それも1日3便のみですが、前日にウィーン市内で購入した「ニーダーエスターライヒ・カード」が効く(無料で乗れる)ので乗ってみることにしたんです。列車の背後の丘の上にデュルンシュタイン城址が見えています。

クレムス旧市街のメイン・ストリート、オーベレ・ラント通り。スーパーで食材を買ったりしてからバスでヴァイセンキルヒェン村へ戻りました。


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