「夫婦で歩くスイスアルプス」

フルムザーベルク ハイキング

2006年6月24日。昨日は山の上に掛かっていた雲も夜のうちに晴れて、ワールドカップ決勝トーナメント進出を決めたスイスを祝うかの如き快晴になりました。タンネンボーデンの宿泊ホテルに手荷物を預け、手ぶら状態でゴンドラリフトに乗り込みます。着いたところはマシュゲンカムという名の尾根(標高2,020m)。写真のとおり、ベタな撮影スポットが置いてありました。これって、ハイジ、ペーター、おじいさんですよね? この辺りは日本人観光客に有名なマイエンフェルトにも比較的近いということで、一緒に「ハイジランド」として売り出しているようなんですが、実は結構離れているので宣伝効果の方は今ひとつという感じ…。日本で「フルムザーベルク」と聞いても余程のスイス通じゃないと分からないでしょうし、案の定、東洋人を見掛けることは無かったです。写真の右端に見えている小山ツィーガーの左側に続く、その名も「ハイジの花の小道」を辿って歩き始めます。

「ハイジの花の小道」から眺めた南側の眺望です。右の山がマーゲルライン(標高2,524m)、白いヴィスマイレン(2,483m)を挟んで、左のピョコンと尖っているのがシュピッツマイレン(2,501m)。いずれもグラールス州との州境を成す山々です(こちら側はザンクト・ガレン州)。手前は広々とした盆地状のアルプになっていて、底に見えるフルシュの小屋を目指して下っていく家族連れハイカーも多かったです。

「ハイジの花の小道」は全く起伏の無い快適な散歩道で、その名のとおり道端には色とりどりの草花が咲き乱れています。マイエンフェルト郊外のハイキングより絶対こちらの方が楽チンで眺めも良いと思います(「ハイジの小屋」のようなアトラクションはありませんが…)。道は正面の岩山ゼクスモール(2,196m)に向かって進み、その手前(写真左奥)でツィーガー峠に至ります(「ハイジの花の小道」はここまで)。

ツィーガー峠からは道が多方面に分岐していますが、ゼクスモールの直下に向かう斜め右方向の道を選びます。正面に昨日歩いたクールフィルステンの鋸歯のようなギザギザの山容を遠望しつつ、徐々に下っていきます。広々としたアルプの向こう(写真右奥)に目指すゼーベン湖が見えています。

道はアルプの中を大きく折り返すように下っていきます。西側を見上げると、ゼクスモールの岩山が迫力ある姿で迫ります。

こちらのアルプも草花が多くて楽しいハイキングです。妙に白いエンツィアン(ゲンティアナ・コキアナ)も咲いていました。

ゆっくり歩いてもマシュゲンカムから2時間足らずでゼーベン湖に到着です。湖畔に下りると、クールフィルステン等を映す湖面が美しいです。湖畔に立派な建物のホテルがあり、そのテラスでリヴェッラを飲みながら休憩しました。

ゼーベン湖畔のホテルの裏手にある沼地より。正面の岩山がゼクスモール。写真左端奥の尾根から歩いて下りてきた訳です。

ゼーベン湖畔のホテルの前から針葉樹がまばらに立つ明るい森の中の道を進みます。間もなく左手が開け、急斜面の下にヴァーレン湖の眺めが広がります。その向こうにクールフィルステンの山々。

左手を振り返って北東方向の眺め。ヴァーレン湖の西半分が一望です。湖畔に突き出たような場所に見えるのがムルクの村。その右手前の斜面に広がるのはクヴァルテン村です。

先ほど乗ったゴンドラリフトが見え、その下に沢山の牛が放牧されているアルプを通り過ぎれば、間もなくタンネンボーデンのホテル群が見えてきます。ホテルでリュックサックを引き取ってからポストバスでフルムスの町へ下り、電車に乗り換えて今夜から1週間滞在予定のアローザに向かいました。


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