「夫婦で歩くスイスアルプス」

ファウルホルン ウィンター・ハイキング

2009年3月18日。前日と同じメンリッヒェン山頂を経由するルートで再びフィルスト展望台にやってきました。昨日行けなかったファウルホルン方面をリベンジしようという訳です。今日も通行止めだったらどうしよう…と心配でしたが、少なくとも気温の低い午前中は大丈夫なようでした。写真は展望台(右の岩山の上に覗いている屋根がレストラン)から坂道を少し登った場所で振り返って撮ったもの。我が家は今日は借りずに来ましたが、やはりソリを引き摺って登ってくる人が多いです。後方の山は左がヴェッターホルン(3,692m)、右がシュレックホルン(4,078m)。

バッハアルプ湖へ向かう道は大半が緩やかな上りですが、途中に少し下る場所もあって、ソリを引き摺ってきたハイカーは早速これに跨って追い抜いていきます。正面の山はレーティ(2,757m)で、右肩の尖塔はシーメリホルン(2,751m)。その右下の窪地にバッハアルプ湖があります。左に見えているのはヴァルトシュピッツのレストランを通って登ってくる道で、この先で合流します。

雪に埋もれたバッハアルプ湖畔からの眺め。左ヴェッターホルン、その右奥にベルグリシュトック(3,656m)、中央シュレックホルン、右の尖った山がベルナーオーバーラント最高峰のフィンスターアールホルン(4,274m)です。

バッハアルプ湖から先も圧雪された道が続いていて快適に登れます。写真は振り返ってバッハアルプ湖を見下ろした図。後方中央の尖った山はシュヴァルツホルン(2,928m)、その左はヴィルトゲルスト(2,891m)です。

山小屋の建つファウルホルン(2,681m)の肩近くまで登ってきました。正面の斜面を直登して山頂に向かいます。

ファウルホルン小屋は閉まっていました。裏手の山頂に登り、眺望を楽しみます。右から順にシーメリホルン、シュレックホルン、ベルグリシュトック、ヴェッターホルン、ヴェルホルン(3,192m)の山々。

ファウルホルン山頂から北方向の眺望。ブリエンツ湖とその対岸にブリエンツの町が見えています。その上方の山がブリエンツァー・ロートホルン(2,350m)。写真中央奥に白く浮かんで見えているのはピラートゥス山(2,129m)です。

ファウルホルンの肩に戻り、山々の眺望を楽しみながら西へ下ります。写真左端から順にアイガー(3,970m)、メンヒ(4,107m)、ユングフラウ(4,158m)、ラウターブルンナー・ブライトホルン(3,780m)、チンゲルホルン(3,562m)、チンゲルシュピッツ(3,304m)、クシュパルテンホルン(3,436m)、ブリュムリスアルプ連峰(3,661m)、ドルデンホルン(3,643m)、シルトホルン(2,970m)。ブリュムリスアルプ連峰の手前下がメンリッヒェン(2,343m)です。

アイガーの左にはフィーシャーヘルナーの峰々(写真右上がグローセス・フィーシャーホルン4,049m)とフィンスターアールホルンを美しく眺められました。

ファウルホルンからブスアルプに向かう下り道は最高のソリ滑りコース。ソリを引き摺って登った人々が歓声を上げながら次々に滑り降りていきます。

谷底にグリンデルワルト村の家並みが見えてきました。農家小屋の散在する手前の斜面がブスアルプです。右奥の車道の突き当たりがバス停のあるレストラン。

ブスアルプのレストランに到着。ちょうど村営バスが発車するところでしたが、このまま帰ってしまうには勿体無いほどの晴天です。グリンデルワルト村まで歩いて下る決心をして、レストランのテラス席に座りました。ファウルホルン山頂でもサンドウィッチを食べたんですが、ソーセージとスープとアプフェルヴァインを注文して2度目の昼食(笑)。ユングフラウ三山等の眺めは最高で、至福のひと時でした。

ブスアルプから先もソリ滑りコースが続いていて、直滑降ルートの「スピード・ラン」と車道に沿ったルートの2通りがあります。我が家は徒歩なので後者を歩きました。アイガーの北壁等を正面に眺めながら快適に下っていきますが、途中から雪の消えた車道に合流していて、ソリで滑ってきた人は重いソリを担いで歩く羽目になって大変そうでした。

「スピード・ラン」コースと再合流する地点にあるヴァイドリのバー。ここにはバス停もあるので、ここからバスに乗って再びブスアルプに上ったり、グリンデルワルト村へ下ることができます。

グリンデルワルト村の上手まで下ってきました。アイガーの北壁が一段と大きく迫って見えます。

アイガーの右手の空を見ると、眩しいくらいに明るく幻日が輝いていました。水平方向に幻日環が延び、アイガーの右上には虹色の上部ラテラルアークが見えています。

改めて太陽の方向を見ると、幻日は太陽の右側にも輝き、内暈(ハロ)が太陽を円く囲っていました。内暈の最上部に接してV字型のハロも綺麗に見えていて、これは上部タンジェント・アークと呼ぶそうです。

上部タンジェント・アークのV字に蓋をするような光の筋も見えていて、これはパリー・アークという珍しい現象らしいです。その上部のラテラルアークには大変美しい環天頂アークが接していて、その綺麗な虹色に暫くうっとり見入ってしまいました。
(これらの太陽光現象についてはメタさんのサイトの掲示板でメタさんと輝さんに教えていただきました。この場を借りてお礼申し上げます。この日は欧州各地で美しいハロが観測されたようです。)

夕陽に照らされたメッテンベルク(3,104m)を眺めつつ、グリンデルワルト駅に向かいました。


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