「夫婦で歩くスイスアルプス」

ブレンテンヨッホからカインドル小屋へ

2019年9月12日。前日夕刻にミュンヘン空港へ到着し、そのまま電車に乗ってクーフシュタインの駅前ホテルに泊まりました。ホテルで「クーフシュタイナーラント・カード」(宿泊者証)を貰い、駅前から市内バスに乗って「メラーナー通り」停留所で下車。東へ数分歩くとチェアリフト「カイザーリフト」の乗場に到着します。「クーフシュタイナーラント・カード」を提示すると市内バス(1回1.30ユーロ)も「カイザーリフト」(山頂往復17ユーロ)も無料になり、とってもお得でした(「カイザーリフト」は通常は割引になるだけで、無料だったのはこの年限りのキャンペーンだったようです)。

「カイザーリフト」は1人乗りのチェアリフトです。写真のレストラン「ドゥクサー・アルム」の前が中間駅で、一旦降りて別のチェアリフトに乗り換えます。

山麓駅から20分かかってブレンテンヨッホの山上駅(写真右端)に到着しました。リフトを降りた隣がヤーンヒューゲルという展望所(海抜1,273m)です。

ヤーンヒューゲル展望台の少し西に建つ山小屋「ヴァインベルガーハウス」。こんなところまで大きなトラックが上って来られるんですね。

「ヴァインベルガーハウス」の前に十字架の建つ見晴らしの良い小山がありました。十字架の右後方に見えている山塊はツァーマー・カイザーです。

ヤーンヒューゲル展望台の南斜面を少し下った場所にあるブレンテンヨッホアルムのレストラン。圏谷越しにヴィルダー・カイザー山脈を望む素晴らしいロケーションです。中央の最も高い峰がシェファウアー(2,111m)で、その右がツェッテンカイザー(1,968m)を経てグリューブラー・カイザー(1,749m)、左がハッケンケップフェ連峰(2,125m)。シェファウアーの麓に小さく見えている建物が本日の目的地、カインドル小屋です。


ブレンテンヨッホアルムのレストランから少し東へ進んだ分岐で尾根伝いの遊歩道に入り、樹林帯の中をガムスコーゲルへ向かいます。山頂の十字架(写真右奥)の手前に大きな木製ベンチがありました。

ガムスコーゲル(1,449m)の山頂十字架。北側が切れ落ちていて、カイザー谷越しにツァーマー・カイザー山塊を一望できました。十字架の右に見えている頂がアインザーコーゲル(1,924m)で、そこから右へツヴェルファーコーゲル(1,912m)、エルファーコーゲル(1,916m)、ピラミデンシュピッツェ(1,997m)、最高峰のフォルデレ・ケッセルシュナイト(2,001m)、ヒンテレ・ケッセルシュナイト(1,995m)、ロスカイザー(1,970m)と並んでいます。十字架の左側はペータースケップフル(1,745m)で、その左でピョコンと尖っている岩峰がナウンシュピッツェ(1,633m)、その左下にフォルダーカイザーフェルデン小屋が見えていて、写真左端がリッツァウ・アルムです。

山頂十字架の手前にひょうきんな表情の鳥の木彫がありました。勝手に「チロルのキョエちゃん」と名付けました(笑)。

ガムスコーゲルから南西方向に眺めるイン川の上流方面。中央手前の低山はヴィンターコップフ(1,226m)で、その後方がホッホニッスル(2,546m)、その右にカールヴェンデル山群の峰々が並び、写真右端がキーンベルク(1,786m)です。写真左の谷底に見えるのがヴェルグルの町で、その背後の山がグラートルシュピッツェ(1,899m)。写真中央奥は霞んでハッキリしませんがシュトゥーバイアー・アルペンの高峰群です。

ガイスベルク山頂から更に東へ進むと牧草地の斜面に出て、これをトラバースしながらヴィルダー・カイザー山脈の麓へ近づいていきます。左がハッケンケップフェ連峰で、右がシェファウアーです。遊歩道を進んだ写真右端辺りがベッテルシュタイクザッテル(峠)で、そこから左手へカイザー谷の奥へ下る道が分岐しています。

シェファウアーの右に聳えるツェッテンカイザーのズームアップ。山頂の左に見える針のように細い岩峰の上にも十字架が建っています。

道は圏谷の奥を巻いて次第に南から西寄りに方向を変えて進みます。オーベレ・シュタインベルクアルムの農家レストランが近づいてきました。レストランの左背後がブレンテンヨッホアルムで、その頂が出発地点のヤーンヒューゲルです。後方の山々は写真左端がヒンテレス・ゾンヴェントヨッホ(1,986m)、中央奥のホッホミージング(1,883m)を挟んで左のトラインスベルク(1,707m)と右のグローサー・トライテン(1,852m)、写真右がブリュンシュタイン(1,634m)とその右後方にヴェンデルシュタイン(1,838m)。ホッホミージングから右はすべてドイツ領の峰々です。

我が家の前を歩いていた男女はオーベレ・シュタインベルクアルムのレストランに入っていきましたが、我が家は立ち寄らずに先へ急ぎます。写真左上の頂が歩いてきたガムスコーゲルです。

オーベレ・シュタインベルクアルムの牧草地では牛達が寛いでいました。山は左からホッホミージング、アイプルシュピッツ(1,759m)、グローサー・トライテン(十字架の背後)、シュタイルナー・ヨッホ(1,747m)、少し間を置いてロートヴァントルシュピッツ(1,588m)、ブリュンシュタインです。

カインドル小屋(写真右、海抜1,293m)に到着。周囲には農家小屋が幾つも建ち、立派な礼拝堂(写真左)もあって、ちょっとした集落のようになっています。ここで昼食を摂るつもりでしたが、帰路の所要時間が気になったカミさんから「先へ急ごう」と促され、残念ながら素通りすることに…。

帰路はカインドル小屋から林道を辿って北上します。林道は途中で谷を巻いて大きく東へ蛇行しているので、その手前で林道を外れ、シュタインベルク小屋(写真右、ここは営業していません)の脇を通って谷底へ下ります。正面の山がガムスコーゲルです。

谷底の橋を渡って西(左手)へ。

余り登り返すことなく平坦な林道に再合流でき、快適にブレンテンヨッホアルムへ戻れました。

ヤーンヒューゲルの展望台まで戻ってきました。写真左手前の屋根がブレンテンヨッホアルムのレストランで、その後方の谷の右側にシュタインベルク小屋が、さらにその背後にオーベレ・シュタインベルクアルムのレストランも見えています。

「カイザーリフト」に乗り込んで下山します。写真はチェアリフトから北側(イン川の下流方面)の眺望。中央の谷底に見える家並みはクーフシュタインの北隣にあるドイツの町キーフェルスフェルデンで、その奥がオーバーアウドルフ村。山々は写真左端がブリュンシュタインで、その右後方にヴェンデルシュタイン、ラッハーシュピッツェ(1,724m)、ヴィルトアルプヨッホ(1,720m)、ホッホザルヴァント(1,625m)、手前のシュヴァルツェンベルク(1,208m)、ファレンポイント(1,273m)、レーライテンコップフ(1,338m)、グローサー・リーゼンコップフ(1,337m)、ヴィルトバレン(1,448m)と並んでいます。イン川の右は左からクランツホルン(1,368m)、キッツシュタイン(1,398m)、パスタウコップフ(1,326m)、ファイヒテック(1,514m)、カールコップフ(1,496m)、ホッホリース(1,569m)、シュピッツシュタイン(1,596m)、ツィンネンベルク(1,565m)、ホイラッフェルコップフ(1,504m)、ツェラーヴァント(1,415m)の峰々。その手前はツァーマー・カイザー山群の西端で、シュピッツシュタインの下方がラーンコップフ(1,204m)、パスタウコップフの下方がローガーコップフ(1,138m)です。

「カイザーリフト」は1人乗りのためペットを抱いて乗り込みにくいからなんでしょう、ペット専用のゴンドラも見掛けました。

「カイザーリフト」山麓駅の隣に建つレストラン「リフトシュテューバール」のテラス席でビールをいただきました。青空が広がってきたので気分が良かったです。

往路と同じ「メラーナー通り」停留所から市内バスに乗ってクーフシュタイン駅へ戻りました。イン川に架かる橋の上で城塞を眺めてからホテルに預けていた荷物を引き取り、ヴェルグル方面行きの電車に乗り込みました。


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