「夫婦で歩くスイスアルプス」

「ザールアッハターラー・ヘーエンヴェーク」ハイキング

2019年9月20日。快晴の朝が戻ってきました。ツェル・アム・ゼーからバスでザールフェルデン村の郵便局前ターミナルへやってきました。このバスターミナルは近くに超大型スーパー「インタースパー」があって便利です。ここで690番のホッホフィルツェン行きバスに乗り換えます。

レオガング村の中心を過ぎた先の「アジッツバーネン」停留所で下車。橋を南へ渡ったところがゴンドラリフト「アジッツバーン」の乗場です。窓口で「ビーベルクから下山するつもりなんですけど」と言うと、「あぁ、コンビ・チケットね」と言ってセット切符を売ってくれました。請求額が料金表(1人26.90ユーロ)より高いなぁと思ったら、切符が電磁式のカードになっていて、下山後に返却すると1枚あたり2ユーロのデポジットが返却される仕組みでした。

「アジッツバーン」のゴンドラはレオガング村から南側の斜面を上っていきます。谷を隔てた北側に聳えているのはレオガンガー・シュタインベルゲ山塊。左端がドライ・ツィントヘルナー連峰(2,486m)で、その右にロートヘルンドルン(2,406m)を挟んでケーブルの背後がシャールライトヘルナー連峰(2,461m)、その右にヤウツコップフ(2,492m)を挟んで山塊最高峰のビルンホルン(2,634m)、ぐっと下がってホッホツィント(2,246m)、ミッターホルン(2,206m)を経て右端がブラントホルン(2,095m)です。

「アジッツバーン」のゴンドラから東側に見下ろすレオガング村と、その背後に並ぶシュタイナーネス・メーア山塊。写真左端でピョコンと尖っているのはグローサー・フンツトート(2,594m)で、写真右端奥がホッホケーニッヒ(2,941m)です。

「アジッツバーン」の山上駅(海抜1,760m)に到着。写真の左手に良い雰囲気のレストラン「アルテ・シュミーデ」が建っています。

レストラン「アルテ・シュミーデ」の向かいに建つビヤレストラン「アジッツ・ブロイ」。欧州で最も高所にある醸造所だそうです。一杯やっていきたいところですが、歩き出す前に酔っ払う訳にはいきません。後ろ髪を引かれつつ素通りします。

羊の群れが草を食む草原の尾根を進み、その向こうに見える小山クライナー・アジッツ(1,870m)へ登っていきます。


クライナー・アジッツの頂の隣に大きな貯水池があります。その畔を通り抜け、もう一登りして行く手に見えるグローサー・アジッツの山頂へ。貯水池の向こう側に見えている頂(写真右)はヴィルデンカールコーゲル(1,910m)です。

グローサー・アジッツ山頂(1,914m)から北側の眺望。写真中央がレオガンガー・シュタインベルゲ山塊で、左奥はローフェラー・シュタインベルゲ山塊、写真右端がクライナー・アジッツとその背後にドイツ領のヴァッツマン(2,713m)です。

ローフェラー・シュタインベルゲ山塊のズームアップ。左端のウルリッヒスホルン(2,155m)から右へロートヘルンル(2,394m)、グローセス・ロートホルン(2,409m)、ミッターホルン(別名ヒンターホルン、2,506m)、ライフヘルナー連峰(2,488m)、シーヘルンル(2,286m)、トラウンシュピッツ(2,300m)、グローセス・オクセンホルン(2,511m)、ミットレレス・オクセンホルン(2,366m)と並び、右端がフォルデレス・オクセンホルン(2,299m)。ウルリッヒスホルンの右下はホッホフィルツェン村の北にある山ガイアーコーゲル(1,753m)で、ミットレレス・オクセンホルンの下方はレオガンガー・シュタインベルゲ山塊のユングフラウ(1,910m)です。

レオガンガー・シュタインベルゲ山塊のズームアップ。左端のグリーセナー・ホッホブレット(2,467m)から右へドライ・ツィントヘルナー連峰、フンツヘルンドルン(2,482m)、ジグナールコップフ(2,462m)、ロートヘルンドルン、シャールライトヘルナー連峰、ヤウツコップフを経てビルンホルンです。

北東側に見下ろすクライナー・アジッツの貯水池。背後の山々は写真左からミッターホルン、カンマーリングホルン(2,484m)、ホッホアイスシュピッツェ(2,523m)、ホッホカルター(2,607m)、ブラントホルン、アルペルホルン(2,254m)の頭、ジーゲレットコップフ(2,066m)、ゼーホルン(2,321m)、ヴァッツマン、グローサー・フンツトート(2,594m)、シンドルコップフ(2,357m)、アールホルン(2,467m)、ブライトホルン(2,504m)、シェーンフェルトシュピッツェ(2,653m)、ゼルプホルン(2,655m)、ホッホザイラー(2,793m)、ホッホケーニッヒです。

グローサー・アジッツ山頂から南東側の眺望。写真中央左寄りのフタコブラクダのような山はベルンコーゲル(左、2,325m)とスラディンコップフ(右、2,305m)で、ベルンコーゲルの背後がケルンブラインシュピッツェ(2,934m)、スラディンコップフの右後方がグローサー・ハーフナー(3,076m)とその右隣にグローサー・ゾンブリック(別名マルタイナー・ゾンブリック、3,030m)。更にその右にツヴェルファーシュピッツ(2,773m)とケースコーゲル(2,886m)、少し離れてプライムルシュピッツ(3,133m)、ティシュラーカールコップフ(3,004m)を経てホッホアルムシュピッツェ(3,360m)と左肩に氷河を見せているアンコーゲル(3,252m)、写真右端がゾイルエック(3,086m)です。写真左端奥はヴァイスエック(2,711m)。

グローサー・アジッツ山頂から尾根を南へ進むと分岐があります。右手へ進むとヴィルデンカールコーゲルを経てシュピールベルクホルン方面へ向かう「ザールアッハターラー・ヘーエンヴェーク」の西コース。我が家は左手へ進んで「ザールアッハターラー・ヘーエンヴェーク」の東コースに入り、尾根伝いに写真左端に見えるシャールベルクコーゲルへ向かいます。正面に見えているのは、グローセス・ヴィースバッハホルンやキッツシュタインホルン等、ホーエ・タウエルンの主峰群。シャールベルクコーゲルの後方は左からシャーフカールコーゲル(2,732m)、エドレンコップフ(2,923m)、リッターコップフ(3,006m)で、その右奥に見えているホッホアールン(3,254m)を挟んでシュヴァルツコップフ(2,765m)。

キッツシュタインホルン(写真中央左寄り、3,203m)方面のズームアップ。その左はグロックナーヴァント(別名ホフマンシュピッツェ、3,722m)、トイフェルスホルン(3,677m)とグロックナーホルン(3,680m)の2尖峰を経て、オーストリア最高峰のグロースグロックナー(3,798m)。右はヨハニスベルク(3,453m)、ホッホアイザー(3,206m)、マウラーコーゲル(2,995m)を経て写真右端がグローサー・シュミーディンガー(2,957m)です。写真下方の頂は6日前にシュミッテンヘーエから歩いて登頂したマウラーコーゲル(2,074m)。

「ザールアッハターラー・ヘーエンヴェーク」との分岐付近から南西方向の眺め。写真中央の白峰がグロースヴェネーディガー(3,666m)で、その手前がホッホコーゲル(2,249m)。その左は奥にシュロートコップフ(2,776m)を経てツィルムコーゲル(2,215m)、リーゲルコップフ(2,920m)を挟んでオーベラー・ゲルンコーゲル(2,175m)、その左奥にシュトゥーバッハー・ゾンブリック(3,088m)、グラナートシュピッツェ(3,086m)、カルザー・ベーレンコップフ(3,079m)とその手前にプラニッツァー連峰(2,562m)、ヤッケザー(2,570m)、グローサー・シュミーディンガーを経て写真左端がキッツシュタインホルンです。グロースヴェネーディガーの右はブレスアッハコップフ(3,050m)、ケースコーゲル(3,291m)、シュリーファーシュピッツェ(3,290m)を経てザールバッハコーゲル(2,092m)、シュテンマーコーゲル(2,123m)、シャットベルク(2,097m)が並び、その右後方にヴィルトカールシュピッツェ(3,073m)を挟んでガイスシュタイン(2,363m)、写真右端がシュスターコーゲル(2,207m)。

「ザールアッハターラー・ヘーエンヴェーク」との分岐付近から西方向に望むヴィルデンカールコーゲル。山頂にヴィルデンカール小屋が建ち、右の鞍部に見える大きな建物は山岳ホテル「ザイドル・アルム」、その右隣がシェーンライテン小屋です。写真右奥で大きく見えている山はシュピールベルクホルン(2,044m)で、その左奥にヴィルダー・カイザー山脈のシェファウアー(2,111m)が覗き、その左はキッツビューラー・ホルン(1,996m)とカールシュタイン(1,922m)を経てヴィルトゼーローダー(2,118m)。ヴィルデンカールコーゲルの左はシュタッフコーゲル(2,115m)、ガムスハーク(2,178m)、トイフェルスシュプルング(2,174m)を経てシュスターコーゲル、ガイスシュタインです。

尾根道の途中に「ナトゥールキーノー(自然映画館)」と名付けられた子供の遊び場がありました。滑り台や小さなジップラインが設置してありました。

シャールベルクコーゲル(1,888m)。尾根上の小さなピークで、ベンチもあって眺めを楽しみながら休憩するのに好都合です。北側の圏谷を隔てて眺めるレオガンガー・シュタインベルゲ山塊(十字架の左側)の下方がスタート地点の「アジッツバーン」山上駅で、そこから左へ一段上がった頂がクライナー・アジッツです。

シャールベルクコーゲルから北東方向に眺めるレオガング村。写真左のブラントホルンの背後がカンマーリングホルン、その右にホッホアイスシュピッツェとホッホカルターを経てアルペルホルン、ジーゲレットコップフを挟んで写真中央がゼーホルン、その右はヴァッツマンとグローサー・フンツトートです。

シャールベルクコーゲルから北に眺めるビルンホルンのズームアップ。その左肩にヤウツコップフを経て写真左がシャールライトヘルナー連峰、写真右端がホッホツィントです。写真右下手前の建物がビヤレストラン「アジッツ・ブロイ」で、その背後がゴンドラリフト「アジッツバーン」の山上駅、左奥がレストラン「アルテ・シュミーデ」。

シャールベルクコーゲルから西北西方向に眺めるヴィルトゼーローダー(写真右端)方面のズームアップ。写真中央がホーアー・マートシュタイン(2,063m)、その左はグローサー・ゲブラ(2,057m)を経てビショフ(2,127m)。ホーアー・マートシュタインの下方はザールバッハ村からスキーリフトが通じているベルンコーゲル(1,740m)で、ビショフの下方はヒンターグレム村の北側の山ライターコーゲル(1,818m)です。

シャールベルクコーゲルから西に眺めるグレム谷。手前の谷底がザールバッハ村で、奥(写真中央)がヒンターグレム村。背後の山は写真右端のビショフから左へメスナーヘーエ(2,048m)、ゾンシュピッツェ(2,062m)、シュピールエックコーゲル(1,998m)、シュタッフコーゲル、ザールコーゲル(2,006m)、トリストコーゲル(2,095m)、ガムスハーク、トイフェルスシュプルング、シュスターコーゲルを経て写真左端がガイスシュタインです。

グロースヴェネーディガー(写真中央右寄り)方面のズームアップ。その左はシュラーテン氷河の奥にホーエス・アーダール(3,506m)、ライナーホルン(3,559m)とその左手前にシュヴァルツェ・ヴァント(3,503m)、ホーアー・ツァウン(3,457m)とその下方にアブレッター(2,979m)を経て、写真左端がクリスタルヴァント(3,310m)です。グロースヴェネーディガーの右はプラティガー・ハーバッハ(3,207m)を経てホーエ・フュルレーク(3,243m)。

シャールベルクコーゲルから尾根上を更に東進し、小さな池の畔を通ってその向こうに見えるガイアーコーゲルの頂へ。写真右端がハイダーベルクコーゲル(1,875m)で、その手前(ホッホケーニッヒの下方)がロッホアルムケップフルです。

ガイアーコーゲル(1,853m)。ここまで平坦な尾根道を歩いてきましたが、この先は尾根が一段低くなっているため、山頂的な雰囲気のある場所でした。

ガイアーコーゲルから東へ下ると、小さな避難小屋「ガイアーコーゲルヒュッテ」を経て、針葉樹がまばらに生えた鞍部を通過します。周辺にはブルーベリーが沢山の実を付けていました。

緩やかに登り返すと樹林帯を抜けてロッホアルムケップフル(1,807m)に至ります。ここからも南側にホーエ・タウエルンの高峰群が眺められました。

ホーエ・タウエルンの主峰群。左からシュネーシュピッツェ(3,317m)、ホーアー・テン(3,368m)、グローセス・ヴィースバッハホルン(3,564m)、ヒンテラー・ブラチェンコップフ(3,413m)、クロッケリン(3,422m)、グローサー・ベーレンコップフ(3,396m)、ミットレラー・ベーレンコップフ(写真中央、3,358m)、グロースグロックナー、グロックナーヴァント、ヨハニスベルク、キッツシュタインホルン、マウラーコーゲル、グローサー・シュミーディンガー。グロックナーヴァントの下方が山頂にホテルが建つシュミッテンヘーエ(1,965m)で、その左がザーラースバッハケップフル(1,934m)、シュネーシュピッツェの下方がシュラムバッハコップフ(別名ゾンコーゲル、1,856m)です。

ハイダーベルクコーゲルの北側をトラバースして東斜面に出ると、ザールフェルデン村が見えました(写真左)。その右奥、ホッホケーニッヒ山の下方がマリーア・アルム村です。写真右の山はシュヴァルベンヴァント(2,011m)で、その右奥がフントシュタイン(2,117m)。

ドゥルヒェンコップフ(1,764m)。この辺りから針葉樹林帯に入ります。尾根伝いに歩けばヴァイカースバッハー・ケップフルの展望塔を経由しますが、我が家はその手前から尾根の北側に付けられた林道を下りました。

山岳ホテル「ビーベルク」(海抜1,443m)に到着。テラス席でシュタイナーネス・メーア山塊を眺めながら私はビール、カミさんはカボチャスープをいただきました。

「ビーベルク」のテラスから見下ろすザールフェルデン村の家並み。背後の山は写真左上端のアールホルンから右にペルザイルホルン(2,347m)とミッターホルン(2,491m)を経てブライトホルン、鞍部の岩塔ゾンマーシュタイン(2,308m)を挟んで雲を棚引かせたシェーンフェルトシュピッツェ、写真中央がマンドルケップフェ連峰(2,480m)、その右に雲が掛かったゼルプホルン、更にホッホザイラー、ホッホケーニッヒ、写真右端がタークハウベ(2,159m)です。ゾンマーシュタインの下方の山裾にリヒテンベルク城が、写真右端手前にリッツェン湖が見えています。

フッケンベルクのチェアリフト山上駅(海抜約1,120m)に到着。右下にレストランが見えます。背後の山は写真左のグローサー・フンツトートの左手前がフィンスターバッハコップフ(2,164m)で、右はヴィントバッハコップフ(2,220m)とシンドルコップフを経て写真中央がホラーマイスホルン(2,298m)、更にシャルテンコップフ(2,308m)を経てアールホルン以東の峰々に連なっています。

チェアリフトで下っても勿論良いんですが、ここには台車に乗って下る滑り台「ローデルバーン」があり、面白そうなのでこちらを利用しました。チェアリフトのケーブルに沿って蛇行しながら山麓駅までの1.6qを滑り下ります。台車にはブレーキレバーが付いていてスピードを調節できるので、余り乗り気じゃなかったカミさんも楽しめたようです。

山麓駅からバス停へ歩く途中で振り返ってフッケンベルクを撮った写真。チェアリフトのケーブルの左に見えるジグザグの線が「ローデルバーン」のコースです。ツェル・アム・ゼー行きとは逆方向のバスでザールフェルデン村の郵便局前ターミナルへ戻り、「インタースパー」で食材やお土産を買物してから帰りました。


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