「夫婦で歩くスイスアルプス」

「アレクサンダー・エンツィンガー・ヴェーク」ハイキング

2019年9月13日午後。写真中央の高峰キッツシュタインホルン(3,203m)の右肩に見える「トップ・オブ・ザルツブルク」展望台からロープウェイで「アルピーンツェンター」(海抜2,450m)に戻ってきました。ここから出発して「アレクサンダー・エンツィンガー・ヴェーク」という人気の高いハイキングコースを歩きます。

先ずは北東方向に見えるクレフェルダー小屋(写真左、海抜約2,300m)に向かって下ります。右手に見えているケーブルは午前中に乗ったチェアリフト「ラングヴィートバーン」です。その向こうはカプルン谷を隔てた東側の峰々で、クレフェルダー小屋の背後がクラップフブラッハコップフ(2,716m)、写真右はケンプセンコップフ(3,090m)とバウエルンブラッハコップフ(3,125m)の連山の右奥に白いシュネーシュピッツェ(3,317m)、更にその右隣にホーアー・テン(3,368m)。

「ラングヴィートバーン」のケーブルを潜って下ると、クレフェルダー小屋の手前に小さな池がありました。クレフェルダー小屋で昼食を楽しむつもりだったんですが、予定よりも時間が押しているため、残念ながら諦めてハイキングを続けます。

ラングヴィートの圏谷を右手に見下ろしながら、草原の斜面を北へトラバースして進みます。写真右上のキッツシュタインホルンの麓に見える建物が出発地点の「アルピーンツェンター」で、写真中央の黒い岩山ホーエ・カンマー(2,636m)の左手前に見えているのがクレフェルダー小屋です。その左にグローセス・ヴィースバッハホルン(3,564m)が見えてきました。

カプルン谷奥の山々。写真左端がケンプセンコップフ&バウエルンブラッハコップフとその右背後にシュネーシュピッツェで、そこから右へホーアー・テン、クライネス・ヴィースバッハホルン(3,283m)、グローセス・ヴィースバッハホルン、ヒンテラー・ブラチェンコップフ(3,413m)と並び、写真右端がクロッケリン(3,422m)です。手前の蛇行している道を下った先に、今朝ゴンドラリフトからチェアリフトへ乗り換えたホイズルアルムがあります。

グローセス・ヴィースバッハホルン(中央)、クライネス・ヴィースバッハホルン(左)、ヒンテラー・ブラチェンコップフ(右)のズームアップ。グローセス・ヴィースバッハホルンから左手前へ流れ下っているのがヴィーリンガー氷河で、ヒンテラー・ブラチェンコップフの左がカインドル氷河です。


キッツシュタインホルンとシュミーディンガー氷河のズームアップ。右肩の建物がロープウェイ山上駅兼「トップ・オブ・ザルツブルク」展望台で、そこから右の支峰マグネートケップフル(2,957m)の裏手へ下っているケーブルカー「グレッチャー・シャトル」の軌道が見えます。氷河の下方に見える建物群が「アルピーンツェンター」です。

沢を幾つか渡った後、シュタンゲンヘーエ(2,212m)の痩せ尾根に入ります。この辺りから先が「アレクサンダー・エンツィンガー・ヴェーク」のハイライトです。

シュタンゲンヘーエ付近から右手(東側)にカプルン谷を隔てて眺める峰々。左からイムバッハホルン(2,470m)、1つ置いてレッテンツィンク(2,510m)、メッサーフェルトケップフル(2,442m)、ティットモニンガー・ヘルンドル(2,423m)、クラップフブラッハコップフ、ツヴィングコップフ(3,117m)の頭、ケンプセンコップフとその背後にシュネーシュピッツェ、写真右上端がホーアー・テン。写真右端の草地にザルツブルガー小屋が見えます。

シュタンゲンヘーエの尾根の西側には広大な圏谷シュタインカールアルムが広がっています。その先のピンツガウの谷底に見える家並みは右がピーゼンドルフ村で、左がヴァルヒェン村。ピーゼンドルフ村の背後の山がシュミッテンヘーエ(1,965m)、ヴァルヒェン村の背後の頂がマウラーコーゲル(2,074m)で、その左にオーベラー・ゲルンコーゲル(2,175m)、ニーデラー・ゲルンコーゲル(2,153m)、ツィルムコーゲル(2,215m)が連なっています。オーベラー・ゲルンコーゲルの背後にグローセス・オクセンホルン(2,511m)等のローフェラー・シュタインベルゲ山塊、マウラーコーゲルの背後にビルンホルン(2,634m)をはじめとするレオガンガー・シュタインベルゲ山塊、シュミッテンヘーエの背後にヴァッツマン(2,713m)等のベルヒテスガーデナー・アルペンが並んでいます。

シュタンゲンヘーエの北側は少し下りますが、その先も尾根伝いに2つの頂を越えていきます。遠くに並んでいる山々は写真左端がレオガンガー・シュタインベルゲ山塊で、2つの頂の左側がベルヒテスガーデナー・アルペン、右側がシュタイナーネス・メーア山塊を経てホッホケーニッヒ(2,941m)です。

北側から振り返って眺めるシュタンゲンヘーエの尾根。その左がキッツシュタインホルンで、写真右上はラカールシュナイト(2,652m)とトリストコーゲル(2,642m)でしょうか。

2つ目のピークの東側をトラバースしていきます。

振り返って南側に眺めるキッツシュタインホルン。右肩の支峰がマグネートケップフルで、そこからシュミーディンガー氷河の上を右へ辿った先がマウラーコーゲル(2,995m)、写真右端がグローサー・シュミーディンガー(2,957m)。写真左端の黒い峰はホーエ・カンマーです。マグネートケップフルの下方が「アルピーンツェンター」で、そこからチェアリフト「ラングヴィートバーン」のケーブルを左下へ辿った先の建物がホイズルアルム。

ショッパッハヘーエ(2,069m)に到着。ちょっとした草地の広場になっていて、景色を眺めながら休憩するのに良さそうなところでした。写真右の案内標識の背後に見えるピンツガウ谷底の村はニーデルンジルで、その後方に並ぶ山々は右からホッホコーゲル(2,249m)、ベーレンシュタイクコップフ(2,225m)、マンリッツコーゲル(2,247m)、ガイスシュタイン(2,363m)、レッシェスコーゲル(2,182m)、クライナー・レッテンシュタイン(2,216m)、グローサー・レッテンシュタイン(2,366m)です。

ショッパッハヘーエからドライヴァルナーヘーエ(写真左端)までは疲れた足に少し辛い下り道でした。写真右の谷底に見える湖はクラムゼーで、谷の出口に広がっている家並みがカプルン村、その右奥がブルック村、左奥がシュットドルフ村とツェル湖、写真左端の谷底はフュルト村です。写真左上がシュタイナーネス・メーア山塊で、左からブライトホルン(2,504m)、尖ったシェーンフェルトシュピッツェ(2,653m)、ゼルプホルン(2,655m)。写真中央奥のホッホケーニッヒの右手前がフントシュタイン(2,117m)で、そこから尾根を左へ辿ってゼルプホルンの手前がシュヴァルベンヴァント(2,011m)。ホッホケーニッヒの右にはダッハシュタイン山塊が霞んでいて、その右は谷を隔ててベルンコーゲル(2,325m)、写真右上端がドライ・ブリューダー(2,266m)です。

ドライヴァルナーヘーエ(1,859m)。ここも眺めの良い草地の頂にベンチが設置してありました。

ドライヴァルナーヘーエからもうひと下りするとレストラン「グロックナーブリック」(海抜1,675m)です。眺めの良いテラス席が賑わっていました。写真中央のカプルン谷を挟んで右の高峰がキッツシュタインホルン、左側で高く見えているのがケンプセンコップフとバウエルンブラッハコップフの連山で、その右肩にグローセス・ヴィースバッハホルン、左にホーアー・テンを挟んでシュネーシュピッツェが見えています。

カプルン谷奥方面のズームアップ。左からヒンテラー・ブラチェンコップフ、大きく見えているクロッケリンの右肩後方にグローサー・ベーレンコップフ(3,396m)、ミットレラー・ベーレンコップフ(3,358m)が並び、右端の氷河の奥に覗いている頭がオーストリア最高峰のグロースグロックナー(3,798m)です。その右にグロックナーホルン(3,680m)とトイフェルスホルン(3,677m)を挟んで右端で半分だけ見えているのがグロックナーヴァント(別名ホフマンシュピッツェ、3,722m)。「アレクサンダー・エンツィンガー・ヴェーク」コースはここまで下ってきて初めてグロースグロックナーが望める訳で、頭だけとはいえ「グロックナーブリック」の店名に偽りはありません。谷間に見えている2つのダムは、上がモーザーボーデン人造湖、下がヴァッサーファルボーデン人造湖です。

レストラン「グロックナーブリック」から更に少し下り、ゴンドラリフト「マイスコーゲルバーン」の山上駅(海抜1,570m)に到着しました。前年12月にリニューアルされたばかりの新しいゴンドラリフトです。運行終了時刻の16時まで未だ30分余りありますので、写真左に見えるレストランで休憩していくことにします。

マイスコーゲル山上駅に隣接したレストラン「ザウロッホアルム」。テラス席で景色を眺めながら「エーデルワイス」の白ビールをいただきました。

ゴンドラリフト「マイスコーゲルバーン」に乗り込んでカプルン村へ下山。これも「サマーカード」で乗れるので、今日は全く移動費が掛かっていません。山麓駅の近くには台車に乗って下る長さ1,300mの滑り台「マイジ・フリッツァー」があります。ジェットコースターみたいに迫力があって面白そうでしたが、カミさん曰く「絶対に無理」。

山麓駅近くのスーパー「アデック」で買物した後、ポストバスに乗ってツェルの町へ戻りました。夕方になっても未だ暖かかったため、アパートのバルコニーで風景を眺めながら夕食を楽しみました。露店で今朝買ったザイプリング(イワナ)の燻製は期待通りの美味しさで、ヴァッハウ産の白ワインによく合いました。


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