「夫婦で歩くスイスアルプス」

シュミッテンヘーエ周辺ハイキング

2019年9月14日。今日もまずまずのお天気らしいので、ツェルの町からバスで西に延びるシュミッテン地区の谷を遡り、最奥部にある乗場からロープウェイでシュミッテンヘーエ(1,965m)に上ってきました。山の上は晴れている筈が、谷間の霧が上がってきてしまったようで、視界は全くありません。木製のテーブルやベンチが並べられた展望所を通り抜け、尾根伝いに北へ歩き出します。

間もなくレストラン「ホッホツェラー・アルム」を通過。近くに展望所もありましたが、霧のせいで景色はぼんやりとしか見えませんでした。

ザーラースバッハケップフル(1,934m)の頂が近づいてきました。写真左の建物は、グレム谷のフィーホーフェン村から上ってくるゴンドラリフト「ツェル・アム・ゼー・エクスプレス」の山上駅です。スキー客用で、夏季は運行されていません。

ザーラースバッハケップフルから西側の眺望。少し霧が晴れてきました。写真左端の頂がマウラーコーゲルで、右のグレム谷の奥に見える家並みはザールバッハ村です。

更に尾根伝いに北東方向へ進み、シュラムバッハコップフ(別名ゾンコーゲル、1,856m)の手前まで来ました。その背後の雲の上に蜃気楼のように浮かんでいる峰はシュタイナーネス・メーア山塊のシェーンフェルトシュピッツェ(2,653m)で、その左がブライトホルン(2,504m)、写真左に覗いている頭はドイツ国境に位置するグローサー・フンツトート(2,594m)です。

振り返って歩いてきた道を撮ったもの。写真左奥がレストラン「ホッホツェラー・アルム」で、写真右上の頂がザーラースバッハケップフルです。


シュラムバッハコップフの山頂直下に建つレストラン「ゾンコーゲル」。チェアリフト「ゾンコーゲルバーン」の山上駅に隣接しています。写真左端奥の十字架が山頂ですが、レストランの裏手が工事中で登れませんでした。

チェアリフト「ゾンコーゲルバーン」に乗り込んで下ります。ツェルの町周辺のロープウェイ類は「サマー・カード」ですべて乗り放題なので、今日はカードの特典を使い倒そうという魂胆です。見下ろすツェル湖やツェルの町は未だ霧に覆われていますね。

チェアリフトからは右手にホーエ・タウエルンの高峰群が眺められました。左がシュネーシュピッツェ(3,317m)、ホーアー・テン(3,368m)、グローセス・ヴィースバッハホルン(3,564m)等の山塊で、中央奥にオーストリア最高峰のグロースグロックナー(3,798m)、右の三角の峰がキッツシュタインホルン(3,203m)。手前の尾根は写真右端の建物が冬のみ営業のレストラン「ブライトエックアルム」、中央の頂がヒルシュコーゲル、左がアライトアルムです。

チェアリフトを降りたところがレストラン「ゾンアルム」の前で、その裏手からロープウェイ「ゾンネンアルムバーン」に乗り換えます。

ロープウェイ「ゾンネンアルムバーン」は、今朝出発したシュミッテンヘーエ行きロープウェイ山麓駅の隣に下ってきます。建物の前に停まっているのがツェル市街とここを結んでいる71番の路線バスです。

シュミッテンヘーエ行きロープウェイ「シュミッテンヘーエバーン」に今日2回目の乗車。乗り放題だからこそ気軽にできる行動ですね。スタイリッシュなゴンドラはポルシェ社のデザインによるもの。かつてツェル・アム・ゼーの郊外にポルシェ一族が住んでいたことから、ポルシェ社とは縁の深い土地みたいです。写真右上に見える建物がシュミッテンヘーエの山頂です。

シュミッテンヘーエの山頂ホテルと見下ろすツェル湖。ツェル湖の右に見える頂に貯水池のある小山はプレットザウベルク(1,295m)で、その手前がゴンドラリフト「シティ・エクスプレス」の中間駅です。写真右の谷底はブルック村。

今日は「ダウンヒル・ゴルフ大会」なるものが開催されていて、スタート地点がここシュミッテンヘーエの山頂でした。ゲートの向こう側にあるステージから選手が山の斜面に向かってゴルフボールを打ち放っていました。

シュミッテンヘーエ山頂に建つエリーザベト礼拝堂。かつてここで日の出を眺めた皇妃エリーザベト(愛称シシィ)を記念して皇妃の死後に建てられたものだそうです。

シュミッテンヘーエ山頂から今度は南へ下ります。写真左に見える建物は、冬季のみ営業の「パノラーマ」レストランです。

「パノラーマ」レストランの手前の分岐を右折して西へ向かいます。眼下の鞍部に建つエーダー小屋(右手前)とケッティングアルム小屋(左奥)の前を通ってハーンコップフ(別名ケッティングコップフ、1,865m)へ登り返し、その背後に見える山マウラーコーゲル(2,074m)へ尾根伝いに歩いていきます。

レストラン「エーダー小屋」(海抜1,800m)。テラス席が良い雰囲気でした。

ハーンコップフを過ぎると周囲に針葉樹林が無くなり、左手にホーエ・タウエルンの主峰群がスッキリ眺められました。先を行くハイカーの向こうにグロースヴェネーディガーも見えています。

写真左端のイムバッハホルン(2,470m)から右へ、ツヴィングコップフ(3,117m)、シュネーシュピッツェとその右背後にホーアー・テン、バウエルンブラッハコップフ(3,125m)とその右背後にグローセス・ヴィースバッハホルン、ヒンテラー・ブラチェンコップフ(3,413m)、クロッケリン(写真中央、3,422m)とその右肩にグローサー・ベーレンコップフ(3,396m)、ミットレラー・ベーレンコップフ(3,358m)、グロースグロックナー、グロックナーヴァント(別名ホフマンシュピッツェ、3,722m)と並び、写真右で大きく見えているのがキッツシュタインホルンです。グロースグロックナーの下方が前日に歩いた「アレクサンダー・エンツィンガー・ヴェーク」の終点マイスコーゲルで、その左がカブルン谷。

キッツシュタインホルン(写真左)とシュミーディンガー氷河のズームアップ。キッツシュタインホルンの右肩に「トップ・オブ・ザルツブルク」展望台が見えていて、その右下の尖った支峰がマグネートケップフル(2,957m)、その右はマウラーコーゲル(2,995m)を経てグローサー・シュミーディンガー(2,957m)、その右手前(写真右端)がトリストコーゲル(2,642m)です。

グロースグロックナー(写真中央)方面のズームアップ。写真左がミットレラー・ベーレンコップフと西ベーレンコップフ氷河で、グロースグロックナーと右のグロックナーヴァントとの間にグロックナーホルン(左、3,680m)とトイフェルスホルン(右、3,677m)の尖峰が見えます。その下方はカーリンガー氷河です。

ケッセルシャルテ(1,844m)で道が三方に分かれます。ホッホゾンベルクアルムの農家レストランには直進するのが近道ですが、我が家は右手の尾根道を登り、写真右奥のマウラーコーゲル山頂を目指します。

尾根を登ったところから振り返って池が点在するケッセルシャルテを撮った写真。写真右奥の頂の建物が出発地点のシュミッテンヘーエで、写真中央左寄りのハーンコップフの後方が今朝行ったザーラースバッハケップフル、その背後にシュタイナーネス・メーア山塊のゼルプホルン(2,655m)。その左に尖ったシェーンフェルトシュピッツェを経てブライトホルンが連なっています。

マウラーコーゲル山頂に到着。ホーエ・タウエルンの高峰群を一望できる広い草原の頂でした。

マウラーコーゲル山頂から眺めるカプルン谷とその東側の峰々。左からイムバッハホルン、ツヴィングコップフ、手前のクラップフブラッハコップフ(2,716m)、シュネーシュピッツェ、ホーアー・テン、バウエルンブラッハコップフ、グローセス・ヴィースバッハホルン、ヒンテラー・ブラチェンコップフ、クロッケリン、グローサー・ベーレンコップフ。カプルン谷の手前は前日にゴンドラリフト「マイスコーゲルバーン」に乗って下ったシャウフェルベルクの尾根です。

キッツシュタインホルンの右手に眺めるミュールバッハ谷。谷奥の山は写真中央がヤッケザー(2,570m)とその背後にカルザー・ベーレンコップフ(3,079m)、その右にゾンブリック氷河を抱いたグラナートシュピッツェ(3,086m)を挟んでシュトゥーバッハー・ゾンブリック(3,088m)、その手前はプラニッツァー連峰(2,562m)です。

マウラーコーゲル山頂から眺めるグロースヴェネーディガー(3,666m)。その左はシュラーテン氷河の奥がホーエス・アーダール(3,506m)、ライナーホルン(3,559m)とその左手前にシュヴァルツェ・ヴァント(3,503m)を経て写真左端がホーアー・ツァウン(3,457m)。グロースヴェネーディガーの手前にクラインヴェネーディガー(3,468m)、右はプラティガー・ハーバッハ(3,207m)を経てホーエ・フュルレーク(3,243m)です。

マウラーコーゲル山頂から北西側の眺望。写真左端がシュテンマーコーゲル(2,123m)で、その右奥にビショフ(2,127m)を挟んでシャットベルク(中央峰、2,097m)、更に右奥にホーアー・マートシュタイン(2,063m)を挟んでシャットベルク東峰(2,018m)とその背後にヴィルトゼーローダー(2,118m)。写真右のグレム谷の向こう側に聳えている目立つ山はシュピールベルクホルン(2,044m)です。

マウラーコーゲル山頂から西へ下ったところ。尾根道は行く手の小山ローラーコーゲル(1,995m)を越えてまだまだ先へ続いていますが、我が家は手前の分岐を左折して南へ下ります。写真右上の頂がオーベラー・ゲルンコーゲル(2,175m)で、その左がニーデラー・ゲルンコーゲル(2,153m)です。

急斜面を下ってレストラン「ホッホゾンベルクアルム」(海抜1,841m)に到着。ホーエ・タウエルンの峰々を眺められるテラス席に座り、ソーセージ入りのヌーデルンズッペ(パスタ入りコンソメスープ)とコケモモのシュトゥルーデル(パイ)をいただきました。

マウラーコーゲルの南斜面を東へトラバースして帰路につきます。

ケッセルシャルテで往路で通った道に戻りました。写真は北側の眺望。写真左奥がローフェラー・シュタインベルゲ山塊で、左からウルリッヒスホルン(2,155m)、ロートホルン(2,409m)、ミッターホルン(別名ヒンターホルン、2,506m)、ライフホルン(2,488m)、グローセス・オクセンホルン(2,511m)。中央奥がレオガンガー・シュタインベルゲ山塊で、左端がグリーセナー・ホッホブレット(2,467m)、中央で少し雲を纏っている峰がビルンホルン(2,634m)、更に右にミッターホルン(2,206m)を経てブラントホルン(2,095m)。写真右端奥はベルヒテスガーデナー・アルペンで、左からカンマーリングホルン(2,484m)、ホッホアイスシュピッツェ(2,523m)、ホッホカルター(2,607m)。手前の尾根は写真左端がプリュンドルコップフ(1,879m)で、ローフェラー・シュタインベルゲ山塊の手前がヴィルデンカールコーゲル(1,910m)、ホッホブレットの左下がグローサー・アジッツ(1,914m)、ベルヒテスガーデナー・アルペンの手前がハイダーベルクコーゲル(1,875m)です。

「パノラーマ」レストラン前まで戻ってきました。シュミッテンヘーエ山頂には戻らず、分岐を南東方向へ直進します。写真左上がシュミッテンヘーエ山頂のエリーザベト礼拝堂と山岳ホテルで、その右下が午前中に行ったシュラムバッハコップフ、更にその右がヴァンクラウトコップフ(1,762m)、写真右端がシュヴァルベンヴァント(2,011m)。後方に並ぶ峰々はシュタイナーネス・メーア山塊で、左からグローサー・フンツトート、ブライトホルン、シェーンフェルトシュピッツェ、ゼルプホルン、ブラントホルン(2,610m)、ホッホザイラー(2,793m)、ホッホケーニッヒ(2,941m)です。

行く手の尾根には幾つもの貯水池が点在しています。まず手前に見えるレストラン「ブライトエックアルム」(冬季のみ営業)の前を下り、写真右のヒルシュコーゲルの北斜面を進んで中央奥に見える貯水池の畔へ。ゴールのゴンドラリフト「シティ・エクスプレス」中間駅は「ブライトエックアルム」の背後に見える貯水池(プレットザウベルク)の手前です。写真左奥のフタコブラクダのような山はベルンコーゲル(2,325m)で、その左に遥かラートシュテットラー・タウエルンのモーザーマンドル(2,680m)やファウルコーゲル(2,654m)が見えています。写真中央の雲の下がバウコーゲル(2,224m)、その右にヒルシュコップフ(2,252m)を経て、アッヘンコップフ(2,260m)とブライトコップフ(2,251m)・シャーフェルコップフ(2,266m)・シュトルツコップフ(2,138m)のドライ・ブリューダー連峰。写真右端奥がエドレンコップフ(2,923m)です。

ヒルシュコーゲルの北斜面から眺めるツェル湖。手前の湖岸がツェル・アム・ゼーの町で、対岸がトゥーマースバッハ村。その背後の山はフントシュタイン(2,117m)で、その左はシェーンヴィースコップフ(1,994m)を経てシュヴァルベンヴァント、その左奥にシュタイナーネス・メーア山塊を挟んで写真左端がヴァンクラウトコップフです。

2つ目の貯水池の畔へ下ってきました。池の右側に見える建物はスキー用リフト「グロックナーバーン」の山上駅。写真右端の木立の向こう側に冬季のみ営業のレストラン「グロックナーハウス」が建っています。池の手前の人影は「ダウンヒル・ゴルフ大会」のプレーヤー。ゴルフバッグを担いで急斜面を歩き回りながら打ったゴルフボールを探すのも大変そうでした。

更に下ってゴンドラリフト「シティ・エクスプレス」の中間駅(写真左の建物、海抜1,328m)に到着しました。「中間駅」という名称ですが、これより上部区間のチェアリフト(写真右)は夏季には運行されていません。

ゴンドラリフト「シティ・エクスプレス」は、その名のとおりツェルの町の中心部に直接下ってきます。このゴンドラリフトは明日で今夏の営業運転が終了してしまうので、早めに乗っておきたかったのでした。


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