「夫婦で歩くスイスアルプス」

アレッチ氷河展望ハイキング

2018年8月21日。姪っ子に欧州最長の氷河を見せてあげたいと思い、ツェルマット駅からブリーク行きの電車に乗り込みました。

ブリーク駅でフィーシュ行きの電車に乗り換え、ベッテン駅で下車。駅に隣接する乗場から大型ロープウェイに乗り込みます。

ロープウェイはベットマーアルプ村の西外れに到着。村の中を通ってゴンドラリフト乗場へ向かいます。正面に見えている小山は、チェアリフトが通じているヴルツェンボルト(2,221m)です。


ベットマーアルプ村の東外れにあるゴンドラリフト乗場(写真右端)。ここから正面に見えるベットマーホルン(2,872m)の肩まで引き上げてもらえます。写真左端はスポーツセンターのテラス・レストランで、良い雰囲気でした。

ベットマーホルンの山上駅(海抜2,647m)に併設されたレストラン(写真右端)からの眺め。写真中央の尾根がこれから向かうハイキングコースです。写真左手前に見える湖はベットマー湖で、その左がベットマーアルプ村。その後方の谷底にブリークの町が見えています。

レストランから見上げるベットマーホルンの山頂。30分で登れる旨の案内標識がありましたが、上級者向けコースなので行きません。写真右端はアレッチ氷河に関する展示館。無料なので覗いてみましたが、展示されている人物(人形)の表情が不気味で、説明の内容が頭に入ってきませんでした(笑)。

山上駅から数分歩くとアレッチ氷河の展望台があります。

展望台から眺める大アレッチ氷河。残念ながら雲が多いです。写真左端がロートホルン(3,271m)で、その右奥で雲に隠れているのがアレッチホルン(4,193m)。その右のミッテルアレッチ氷河の右奥がドライエックホルン(3,811m)、クライネス・ドライエックホルン(3,639m)を挟んで写真中央がオルメンホルン(3,314m)。氷河の右側はヴァリザー・フィーシャーヘルナー連峰で、その左奥にグローセス・フィーシャーホルン(4,049m)が遠望できています。


広い尾根を南西方向へ下る道に入ります。岩が多く、その脇の日陰で休む羊を多く見掛けました。

ヴァリザー・フィーシャーヘルナー連峰のズームアップ。右寄りの最も高い峰がグローセス・ヴァンネンホルン(3,906m)で、その右がクライネス・ヴァンネンホルン(3,707m)。写真中央はシェーンビュールホルン(3,854m)、その左にフィーシャー・ガーベルホルン(3,876m)を経て雲の右側がカム(3,866m)。写真左端のグローセス・フィーシャーホルンには雲が掛かってきてしまいました。

大アレッチ氷河の対岸に聳えるガイスホルンの山塊。写真左のフースヘルナー連峰のギザギザの右端がグローセス・フースホルン(3,627m)で、その右がロートシュトック(3,699m)、写真中央のガイスホルン(3,740m)とその右隣のサッテルホルン(3,724m)は頂上が雲の中ですが、その右にアレッチホルン、ツェンベッヒェンホルン(3,386m)、ロートホルンが並んでいます。

大アレッチ氷河の末端方面。写真中央の山は9年前に登頂したシュパールホルン(3,021m)で、その右背後がネストホルン(3,822m)、その右(フースヘルナー連峰の左)にレッチェンターラー・ブライトホルン(3,785m)が覗いています。シュパールホルンの左にはグリジックホルン(3,177m)、アルピュホルン(3,144m)、バルチーダー・シルトホルン(3,122m)、ゲルストホルン(2,964m)が並び、写真左端手前がこれから向かうモースフルーです。

途中で大アレッチ氷河側へ下る道が幾つも分岐していますが、その殆どは通行止めになっていました。温暖化の影響で氷河が融解して低くなり、そのため氷河の周辺では大きな地割れができるなど地盤の崩壊が進んでいるようです。写真中央の日陰になっている峰がベットマーホルンで、その右手前に見える建物が出発点のゴンドラリフト駅(レストラン)です。

尾根上には池が点在していますが、今夏は晴天が続いているため、殆ど干上がりかけているところもありました。周囲には牛が放牧されていて、彼らの飲み水が無くなってしまわないかと心配になりました。池の後方はゴムス谷の南側の山々で、写真右端がベットリホルン(2,951m)、その左にヒレンホルン(3,181m)とヘルゼンホルン(3,272m)を経て、写真中央手前がブライトホルン(2,599m)とその背後にギッシホルン(3,083m)、その左にシェルバドゥング(3,211m)、シュヴァルツホルン(3,108m)、ロートホルン(2,887m)と並んでいます。

上の写真の更に左手(東方向)にはラッペホルン(別名ミッタークホルン、3,158m)が眺められました(写真左端)。その右はラッペ氷河を挟んでオーバー・ラッペホルン(3,176m)、雲が掛かっているトゥルプホルン(3,246m)、ホルツィーホルン(2,987m)が並んでいます。下方手前はエルナーガーレの尾根です。

大アレッチ氷河方面が次第に暗くなり、遠い雷鳴も聞こえて氷河の上に俄か雨が降ったようでした。こちらの尾根道には陽射しが残り、氷河の上に虹が出ました。

モースフルー近くの展望ベンチ。大アレッチ氷河の上流方面が真っ暗になり、雷雨がこちらへやってくるかと心配しましたが、この後お天気は徐々に回復し、降られずに済みました。

モースフルー(海抜2,333m)のゴンドラリフト駅。大アレッチ氷河の融解に伴ってこの辺りの地盤も年に数十cmも動くことがあるらしく、リフトの設備を頻繁に点検補修しなければならないんだとか。乗場の前にロープウェイのゴンドラを再利用した売店があったので、アプフェルヴァイン(シードル)等の冷たい飲み物を買ってひと休みしました。

モースフルー付近から眺めるシュパールホルン。その背後はネストホルンで、その左にホーシュトック(3,226m)とゲンデルホルン(3,293m)を経て写真左端がグリジックホルン。シュパールホルンの右にはバイヒグラートの尾根(3,294m)とバイヒ氷河が見えています(尾根の向こう側はレッチェン谷です)。中央手前はオーバーアレッチ氷河の末端が深い峡谷になっているものです。

ヘルデルナグラートの尾根上を快適に進み、行く手にホーフルーのチェアリフト駅が見えてきました。

ホーフルーの手前付近。写真左上端がオルメンホルンで、大アレッチ氷河の上流方向にヴァリザー・フィーシャーヘルナー連峰、写真中央がシュトラールホルン(3,026m)、その右奥に霞んでいるオーバーアール・ロートホルン(3,477m)を挟んでヴァーゼンホルン(3,447m)。写真右上のベットマーホルン(右肩に出発地点のゴンドラリフト駅が見えます)の左奥がエッキスホルン(2,927m)です。

ホーフルーのチェアリフト駅(海抜2,227m)を通過。リフトのケーブルが下っていく先の谷底がブリークの町で、その後方の雲の中に辛うじてフレッチホルン(3,993m)が見えています。写真中央がミシャベル山群のバルフリン(3,796m)ですが、その背後のドーム等は雲の中。写真右に見える筈のヴァイスホルン方面もすっかり雲に隠されてしまっています。

ホーフルーから眺めるガイスホルンの山塊。右から順にロートホルン、ツェンベッヒェンホルン、ガイスホルン、ロートシュトック、グローセス・フースホルンで、手前へ流れ下っているドリースト氷河も随分と後退してしまった感じです。左奥に見えてきたのはシンホルン(3,797m)です。

リーダーフルカのレストランに到着しました。正面に見える瀟洒な建物は「ヴィラ・カッセル」。英国の銀行家アーネスト・カッセルが20世紀初頭に建てた別荘で、現在では自然保護助成基金「プロ・ナトゥーラ」の活動センターになっています。写真左の岩山はリーダーホルン(2,230m)です。

レストランのテラス席で遅めの昼食を楽しみました。セルフサービスの屋台のような印象だったので味は期待していませんでしたが、これが大当たり。姪っ子がリクエストしたチキンナゲットも手前の小型ソーセージも、作りたての自家製で大変に美味しかったです。

リーダーフルカのレストランの裏手から眺めるシュパールホルン(写真中央)、シンホルン(中央奥)、ガイスホルン(写真右端)。再びお天気が回復してきました。

リーダーフルカから広い農道を辿り、眼下に見えるリーダーアルプ村へ下ります。写真右上がベットリホルンで、写真中央の頂がブライトホルン、写真左は以前に登頂したエッカーホルン(2,503m)です。

リーダーアルプ村のゴンドラリフト乗場。リーダーフルカからここまで、デュッセルドルフから来たと言うドイツ人夫婦と会話しながら歩きました。3週間の休暇で麓のメレル村の貸しアパートに滞在しているとのことで、「ツェルマットなんかと違って安くて良いわよ〜」、「日本人は年に1週間くらいしか休めないんでしょ。私達は冬にも2週間は休むわよ」と自慢されてしまいました…。

ゴンドラリフトでメレル駅へ下り、電車に乗り換えてツェルマットに戻りました。


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