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「夫婦で歩くスイスアルプス」

ゴルナー峡谷からフーリへ

2005年9月19日。前日の夕方にアパートのバルコニーから赤く輝くマッターホルンを眺められたので「明日こそは」と期待しましたが、起きると上空には相変わらず厚い雲が垂れ込めていてガッカリ。山に登っても展望を得られそうに無いので、ツェルマット郊外の村々を訪ね歩くことにします。
フーリへのゴンドラリフト乗場の対岸の道を川沿いに遡ると、間もなく十字架とベンチのある分岐点に達します。直進するとツムット村ですが、我が家は左へ折れて川に向かって下ります。

川沿いは草花の多い楽しい道。「ゴルナーシュルフト」の案内板がある辺りから森の中の登り道となります。

ゴルナーシュルフトの入口には管理小屋があり、一人4フランの入場料を払って進みます。階段を下りると、峡谷の岩壁にバルコニー状に付けられた道が続いています。

同じような峡谷はスイス各地にありますが、ここは小規模ながら岩壁の緑が美しいです。木製の道が緊張感を誘います。

峡谷を過ぎると明るい森の中の道を進み、上流の方で橋を渡ります。

対岸を登ると見えてくるのがブラッテンの村。左手前のレストランは溢れんばかりに花々が植えられていて目を見張る美しさです。

ブラッテン村の白い礼拝堂の前に置かれたベンチで休憩です。目の前をフーリに向かうゴンドラリフトが行き来しています。この白い礼拝堂はゴンドラリフトに乗っていても目立つ存在。我が家は中に入って1フランの献灯とともに天候の回復を祈りました。(クリスチャンでもないのに我儘な神頼み…笑)

ブラッテン村の上手にはハーブキャンディメーカー「リコラ」提供のハーブガーデンがあります。小規模ですが、独・仏・英語に加えて日本語の解説板があり、草花の名前を当てるクイズ形式で楽しめるようになっています。

更に一登りするとツム・ゼーの集落です。ここにはガイドブック等で絶賛されているレストランがあり、そこだけ大勢の観光客で賑わっています。上手に見える白い礼拝堂の内部は、聖バルバラを祭ったモダンな造りです。

ツム・ゼーから階段の道を登るとフーリに到着します。幾つか気分の良さそうなレストランがあるんですが、残念ながらゴンドラリフトの巨大な駅が近くなので騒音が気になります。

フーリの集落の東側には牧草地が広がっています。人だかりがあるので何かと思ったら、羊のセリ市のようなものをやっていました。年齢別にグループ分けして一頭ずつ値段を決めているようでした。飲食物を売るテントも出ていて、ちょっとしたお祭りの雰囲気。

牧草地の中を進むと、ちょっとした岩場があり、その上に登るとツェルマットの村が一望できます。相変わらず天気はイマイチですが、降っていないだけ良しとしましょう。

この先は森の中を下る道となります。新しい農家小屋の多いモースの集落を抜けたところにも一軒家のレストランがあります。静かで良さそうな雰囲気。

更に下っていくと、立派な礼拝堂のあるヴィンケルマッテン地区に出てきます。ここには小さなスーパーマーケットもあり、既にツェルマットの村外れ。この先は住宅街の中を下る道で、村内巡回の電気バスで戻ることもできます。

ゴルナーグラート鉄道の鉄橋とフィンデルバッハの滝を右手に眺めながらツェルマットに戻ります。


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