「夫婦で歩くスイスアルプス」

キルヒベルク村からアシャウ村方面へ

2019年1月6日。各地の道路や空港に大雪の影響が出始め、テレビニュース等で報道されるようになってきました。大雪のせいかどうか分かりませんが、前夜から宿の部屋のテレビも映らなくなりました。今日は日本へ帰国する日ですが、ミュンヘン空港を発つのが夜なので、昼過ぎまでは当地で過ごせます。宿の部屋を片付け、チェックアウトの際に荷物を預かってもらって、最後の雪道ハイキングに出掛けました。川沿いにキルヒベルク村の南へ向かいます。

前日にソリ滑りを楽しんだガイスベルク行きチェアリフト乗場。今日は公現祭の祝日ですが、悪天候のせいか閑散としてます。3日間用の乗り放題カードを窓口で返却し、1枚2ユーロのデポジットを返してもらいました。

そのまま川沿いの道を南下し、ザイズルボーデンの集落を通過。

道が森の中に入ると積雪量が増え、人影も無くて少し心細いですが、一応除雪車が通った跡があるので前へ進みます。

森を抜けると分岐がありましたが、案内標識が雪に埋もれていて、ストックで雪を払い落さないと方向が分かりません(笑)。写真右上の方向がガイスベルク(1,770m)の山頂です。


分岐を左折して川を渡り、車道を横断して向かいにあるゴンドラリフト「ペンゲルシュタインバーン」の山麓駅へ行ってみましたが、休憩できそうなカフェはありませんでした。ここにもキルヒベルク村〜アシャウ村間の路線バスが立ち寄ります。

川沿いまで戻り、アシャウ村まで歩こうと南へ進みました。が、やけに上り坂がキツいなと思ったら、ガイスベルクの山腹に建つコービンガー小屋への登り道に迷い込んでしまっていました。除雪された道は写真の民宿「ハーガウホーフ」の辺りで行き止まりになっていて、戻るしかありませんでした。

「ハーガウホーフ」の前から東に眺めるイスビュールの緩斜面。その奥がゴンドラリフトの終点、ペンゲルシュタイン(1,938m)の山頂方面です。我が家が歩きたかったのは眼下の谷底の道で、写真右の森の向こう側がアシャウ村の筈です。

ツルツルの坂道で数回転びながら苦労して川沿いの分岐まで戻ると、本来進むべきだったアシャウ村への道がありました。案内標識が雪に埋もれて見えなかったのと、この道には除雪車が入っていなかったことが見落とした原因でした。残念ながらアシャウ村まで歩く時間がもう残っていません。

近くのバス停前に建つホテル「スキーラスト」のレストランに入りました。いつものように私は白ビール、カミさんは白ワインを飲み、ハム入りサラダとティラミスをいただきました。白木造りの内装が心地良いレストランでした。

バスでキルヒベルク村に戻り、宿のご主人に車で鉄道駅まで送っていただきました。ところが、乗る筈だったヴェルグル行きの電車が「バスで代替輸送」と表示されていて、職員がいない駅なので他の乗客もどうしたものかと途方に暮れていました。宿のご主人が鉄道会社に電話で訊いてくださって、「駅にバスが来るらしいよ」と言い残して帰って行かれたので、他の乗客ともども暫く待ってましたが、代替バスが来る気配はありません。ヴェルグル方面には元々ポストバス路線があるので「大雪の影響で電車は運休だからバスで行け」という意味の表示だったんだろうと思いますが、キルヒベルク駅はバス停から外れていて積雪の中を荷物を抱えてバス停まで歩くのは無理があるうえ、次のバスが来るまで2時間以上もあって、それではミュンヘン空港からの帰国便に間に合いません。さて困ったぞと思案していたら、ちょっとお金持ちっぽい身なりの小母さまが「私はヴェルグルまでタクシーで行くけど同乗する人いる?」と声を掛けてくださいました。

我が家を含めて6名が小母さんの呼んだワゴンタクシーに同乗させてもらい、おまけにその小母さん、「お代は要らないわ」とお金を受け取らずにカッコ良く去って行きました。ご厚意のお蔭でヴェルグルから乗り換える予定のミュンヘン行き電車に間に合いました。30分近く遅れてやって来た「オイロシティ」の2等車は往路以上の大混雑で通路に立っているのも大変でしたが、ミュンヘン東駅ではSバーンにすぐ乗り換えられ、予定の20分遅れくらいで空港に無事到着したので、空港での買物や「エアブロイ」での生ビールも予定どおり楽しむことができました。


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