「夫婦で歩くスイスアルプス」

ラウリス谷ハイキング

2019年9月19日。ツェル・アム・ゼー始発のバスに約1時間揺られ、南東方向にある谷間の村ラウリスにやってきました。ここで往復切符(1人17.90ユーロ)を買い、ゴンドラリフト「ホッホアルムバーン」に乗り込みます。このリフトも週3回(この年は日・火・木曜)だけしか運行されていません。

ホッホアルムの山上駅に到着し、広い砂利道を辿って西へ緩やかに登ってきました。右手に見えるケーブルは、冬季のみ運行されているスキー用のゴンドラリフト「ギプフェルバーン」。その支柱の向こう側に見える分岐から右手の草地の斜面を登りました。

草地の斜面を登ったところに再び分岐があります。ここを右手(写真右奥)へ進んで写真左上に見えるライスラッハコップフ(2,210m)に登るつもりでしたが、カミさんにあっさり拒絶されました。確かに今朝も肌寒い曇天なので、登頂しても眺望が得られそうにありません。諦めて左手の道へ進みます。

歩いてきた道を振り返って撮った写真。中央奥で雲に霞んでいるのが登頂する予定だったライスラッハコップフで、その左の建物がスキー用ゴンドラリフト「ギプフェルバーン」の山上駅(海抜2,175m)。我が家はその下方を手前へトラバースし、尾根に沿って歩いてきました。

行く手にシュヴァルツヴァント(2,194m)の山頂が近づいてきました。右の頂の方が高いですが、左肩のピークに十字架が建っています。

シュヴァルツヴァント山頂からの眺めは、やはり雲が多くて今ひとつハッキリしませんでした。写真左の谷底はラウリス村の奥に位置するヴェルト村で、写真右はザイドルヴィンクル谷です。

幅広の砂利道を辿ってホッホアルムへ戻ります。途中でシュヴァルツヴァント山頂から見えた池の脇を通りました。写真中央奥がシュヴァルツヴァントです。


砂利道は蛇行しながらホッホアルムへ下っていきます。写真中央が登る筈だったライスラッハコップフ。往路では「ギプフェルバーン」のケーブルの向こう側を左へトラバースして登りました。

ホッホアルムの山上駅の上手に建つレストラン(海抜1,780m)まで戻ってきたら、一気に青空が広がりました。今まで手が凍えるほど寒かったのに、日差しが出ると急に暖かくなりました。テラス席で白ビールとソーセージ(フライドポテト添え)を美味しくいただきました。このレストランでは建物奥の広場で鷲や鷹のショーが行われていて、それを目当てにやって来る観光客も多い感じでした。我が家は観ませんでしたが、手前の小屋の中に鷲がいました。

レストランの南側に貯水池があります。その向こうに並ぶ山々は、左で最も高く見えているのがクラムコーゲル(2,454m)で、その右にフンツコップフ(2,403m)を経てガムスコーゲル(2,436m)。ケーブルの支柱の右はテュルヒルヴァント(2,577m)で、その下方はフレストルベルク(1,823m)。この山脈の向こう側がガスタイン谷になります。

ゴンドラリフト「ホッホアルムバーン」の山上駅(海抜1,753m)。背後の山は左からヒルシュコップフ(2,252m)、バウコーゲル(2,224m)、ロスコップフ(2,039m)。

「ホッホアルムバーン」の中間駅とその前に建つレストラン「ハイムアルム」(海抜1,480m)。背後で大きく見えている山はグルーバーエック(2,167m)で、その左奥にカッツェンコップフ(2,061m)、写真左端がアントハウプテン(1,924m)。グルーバーエックの右奥の双耳峰はベルンコーゲル(左、2,325m)とスラディンコップフ(2,305m)で、その右にカッツィンガー(2,155m)とモースエックヘーエ(2,129m)を経て写真右端がゼーバッハカッツェンコップフ(2,148m)です。

「ホッホアルムバーン」のゴンドラから見下ろすラウリス村。緑の牧草地に囲まれた美しい村です。

「ホッホアルムバーン」の山麓駅の前から眺めるラウリス村とグルーバーエック山。村の中の停留所からツェル・アム・ゼー行きのバスに乗り込みます。

10分ほど乗ってウンターラント村の先にある「エンバッハ村入口」停留所で下車しました。ラウリザー・アッヘ川に架かる橋を渡り、エンバッハ村方面への道に入ります。

間もなく現れる分岐で左手に進むと、ラウリザー・アッヘ川沿いの遊歩道に入ります。進むにつれてラウリザー・アッヘ川が次第に深い峡谷になっていきます。

キッツロッホ峡谷の入口。棚に置かれているヘルメットを被り、岩壁に付けられた木橋を下っていきます。

キッツロッホ峡谷はシュルフト地形(地中峡谷)ではありませんが、深い谷の両側に聳える迫力ある岩壁が見どころです。

上部が針のように細い巨大な岩塔「エーダーシュピッツ」の脇を通り抜けます。

狭いトンネルも数ヶ所通ります。ヘルメットの着用は落石の危険から身を守る意味もあるんでしょうが、トンネルの低い天井に頭をぶつけないようにする目的が大きいように思いました。

木橋の階段を延々と下ってきました。我が家は上流にある裏口から入って下流へ向かっていますが、本来は下流側が入口なので、ここを登っていく人の方が圧倒的に多いです。

峡谷の出口(最下流)近くに滝があります。

キッツロッホ峡谷の入口にあるカフェ兼料金所。我が家は上流の裏口から入ったので入場券を持っておらず、係員を呼んでゲートを開けてもらいました。「サマー・カード」を見せると無料でした。

舗装道路を北上し、フラウエン礼拝堂の脇で国道を渡るとタクセンバッハ村に入ります。

タクセンバッハ村の中心部。この先に立派な教会がありました。国道脇に建つ中学校前の停留所からバスに乗ってツェル・アム・ゼーへ戻りました。


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