「夫婦で歩くスイスアルプス」

レッチベルク南斜路ハイキング

2016年9月17日。前日はゴンドラリフトに乗ってオーバーベルグリ〜ウンターベルグリ〜エッシネン湖畔を周遊して歩きましたが、霧に覆われて全く視界が得られませんでした。今日もカンデルシュテークの天気予報は雨ですが、スイス南部は晴れ間もあるらしいので、ヴァリス州方面へ出掛けることにします。カンデルシュテーク駅からブリーク行きの電車「レッチベルガー」に乗り込みます。

2駅目のホーテン駅(海抜約1,080m)で下車。マウンテンバイクと一緒に降り立った一団がいました。ここからローヌ谷へ下って行く線路に沿ったハイキングコース「ズュートランプ(南斜路)」を歩きます。残念ながらこちらも雲が多く、視界は今ひとつです。

線路伝いに東へ歩いて行くと、ルオゲルキン高架橋が現れました。リューギルキの谷に架かる長さ127m・高さ51mの石橋です。石橋を見下ろせる場所に、レッチベルク鉄道建設の歴史について独・仏・英・伊4ヶ国語で書かれた解説板が設置されていました。

遊歩道はリューギルキの谷の奥を巻くようにして続いています。ルオゲルキン高架橋越しにローヌ谷の底に見えている建物群は、アルミニウム製品の国際企業、コンステリウム社の工場です。

再びローヌ谷を見下ろす斜面に出てきました。案内標識に「リードゥ」と表示のある分岐の辺りです。眼下の家並みはニーダーゲステルン村で、写真右端がコンステリウム社のアルミニウム工場。向かいの山は右の頂がエルギッシュホルン(2,526m)で、左がエルギッシュアルプホルン(2,849m)。山裾にローヌ川と幹線鉄道が並んで走っています。

ニーダーゲステルン村のズームアップ。十字架が建つ岩山はゲステルンブルク城址です。

更に東進してヨーリ谷を見下ろす場所に出てきました。この谷を北へ遡ると、ビーチホルンの支峰ヴィーラーホルンに至ります。ここから眼下に見えるヨーリバッハ川の橋まで階段で下ります。先程のリードゥの分岐で下手の道を進み、ヨーリバッハ川に架かる吊り橋を通っても良かったのですが、「眩暈のしない人のみ」と注意書きがありました。

ヨーリ谷から「グロッサ」という名の用水路(スオーネ)に沿った道を暫く進んだ後で登り返し、再びローヌ谷に面した斜面へ。コンステリウム社のアルミニウム工場の右奥に見える家並みはシュテーク村とガンペル村。その更に左奥にトゥルトマン村の軍用飛行場(2003年に閉鎖されて今は使われていません)が見えています。

眼下にラーロン村を見下ろします。ローヌ川の向こう側はトゥルティック村で、その左はラーロンの飛行場です。

ラーロン村のブルク(城郭)教会のズームアップ。領主の城郭があった場所に16世紀に教会が建てられたもので、詩人リルケのお墓があることでも知られています。右下に見えるのはフェルゼン(岩壁)教会。1974年に岩山の中に造られた教会です。

線路脇のラルナークンマに建つレストラン「クリューターバイツリ」を通過。草地のテラス席が良さそうな雰囲気でしたが、立ち寄りませんでした。レストランの右手の道を行く方が平坦で近道ですが、我が家は左手の坂道を登りました。

リッツーボーデの農家小屋群を通過。

行く手に深いビーチ谷が現れ、そこに架けられたビーチタール鉄橋(長さ136m・高さ78m)が見下ろせました。

ビーチ谷の奥を巻いて「天然の橋」で谷の対岸へ渡ります。ちょうどビーチタール鉄橋を渡る電車を撮ることができました。谷の奥では小雨が降ってきました。やはり今日は北側のお天気が悪いようです。

ビーチタール鉄橋の脇を通り抜けます。先程通過したラルナークンマのレストラン「クリューターバイツリ」で右手の道を進めば、ビーチタール鉄橋を渡ってここで合流します。

トンネルを通り、ビーチ谷の出口へ向かいます。

歩いてきたビーチ谷を振り返って。写真左の急斜面の上が農家小屋群のあったリッツーボーデで、そこからビーチタール鉄橋の向こう側を巻いて歩いてきました。名前のとおり、このビーチ谷を延々と遡ると、ビーチホルンへ行き着きます。

再びローヌ谷を見渡せる場所へ戻ってきました。ローヌ谷の上空には青空も覗いています。左手前の谷底がラーロン村で、ローヌ川の向こうがトゥルティック村。写真右奥がシュテーク村とガンペル村です。正面の山エルギッシュアルプホルンの中腹にアイショル村が見えています。

リートガルトの尾根を東へ廻り込むと、再び用水路(スオーネ)に沿った道になりました。「マネーラ」という名の用水路のようです。

山裾のザンクト・ゲルマン村を見下ろします。ローヌ川の向こう側はラーロンの飛行場。写真左奥がフィスプの町です。

少し樹林帯に入るところもありました。この辺りは木の幹を刳り抜いて用水路にしています。

鉄管を使っているところもありました。

ハイキングコースの少し上手に、入口が煉瓦で塞がれた「セフィスタイ・トンネル」が見えました。近くにあった説明板に「地盤が動いてしまったので放棄されて別の鉄道トンネルが掘られた」と書かれていたように思います(記憶違いだったらゴメンナサイ…)。

再び眺望の良い場所へ出てきました。右が葡萄畑に囲まれたザンクト・ゲルマン村、中央がローヌ川、左がラーロン飛行場の滑走路です。左の山の中腹にウンターベッヒ村が見えます。

前方にフィスプの町が大きく見えてきました。

アウサーベルク村(海抜約1,000m)に到着。かなり大きな村ですが、ねずみ返しの付いた古そうな木造小屋も沢山残っています。

アウサーベルク村のホテル「ゾンネンハルデ」で昼食をいただくことにします。

アウサーベルク村には、その名も「スオーネン・ブロイ」という小規模な地ビール醸造所があるんです(用水路で引いた水を使っているんでしょうか?)。早速その希少なビールを注文すると、3種類の小瓶があるとのことで、右がハーブ入りの「クロイター」、左が焙煎されたブラウンビールの「ペルレ」。この後でアルペンマカロニを食べながら、オーソドックスな感じの「ゴールド」もいただきました。どれも無濾過かつ保存料無添加らしく、味わい深いビールでした。

村の西端にあるアウサーベルク駅から再びブリーク行きの電車に乗り込みました。

ブリーク駅に到着。

ブリーク旧市街の広場。「世界の食フェスタ」的なイベントが行われていて賑わってました。

わざわざブリークの町まで下ってきたのは、カミさんが「大きなミグロで買物したい」と言っていたからです。西隣のグリースにある「シンプロン・ツェンター」は品揃えが豊富で、新鮮な魚や目新しいチーズ、お土産用のチョコレートなど沢山買い入れることができました。


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