「夫婦で歩くスイスアルプス」

カンデル谷ハイキング

2016年9月18日。スイス全国的に終日雨模様の予報です。アパートで洗濯機を廻しながら何処へ行こうかといろいろ思案しましたが、美術館や洞窟を見学するために遠出するのは交通費が勿体無いという結論になり(笑)、結局近場を散策することに…。10時半頃に出発し、カンデルシュテーク駅前からカンデル川と鉄道線路に挟まれた遊歩道を北(下流方向)へ歩いて行きます。


線路を西へ潜って森の中の蛇行する林道を下ります。写真は牧畜農家小屋が建つエーゲルテの辺り。

ウンデレム・ビュールには牛が放牧されていました。暇なのか、みんな我が家に興味津津の様子です(笑)。

再びカンデル川に出合い、その左岸を北上します。左手にウンダーヴァルトの急峻な岩壁が迫ります。

案内標識に従ってカンデル川の右岸へ渡ります。

遊歩道はカンデル川沿いを離れ、トイッフェマッティの牧畜農家を通過。この先で車道に出ます。奥の山腹に見えている鉄道線路はループ・トンネルを使ってジグザグに走りながら標高差を克服しています。

車道を少し北上すると大きな駐車場が現れ、その奥にブラウゼーへの入口がありました。ここは入場料が必要で、カミさんが見ている自動販売機では正規料金(1人7フラン)の切符しか扱っていなかったので、建物内のカウンターで入場券を買いました。カンデルシュテーク村の滞在者はゲストカードを見せると入場料が半額になるんです。

新緑の美しい森の中に遊歩道が続いています。

すぐにブラウゼーの湖畔へ出ました。湖底に倒木が沈む静かな池で、湖岸を一周できます。対岸の建物はホテル兼レストラン。グレードも料金も高そうで元々ケチな我が家向きではない感じでしたが、今日は貸切になっているようで一見客は入館を断られてました。こんなお天気なのに湖畔はアジア系の観光客で結構賑わっていて、写真右端の船着場から手漕ぎボートに乗っている中東系の家族もいました。

湖底に置かれた乙女像。かつて恋人を亡くした乙女がこの湖底で発見され、青い目をした彼女の涙でその日から湖水が青くなったいう伝説があるそうです。湖畔ホテルの裏手に鱒の養殖場があり、池には鱒が沢山泳いでいます。鴨もいました。

「ブラウゼー」の名のとおり、確かに湖水が青く見えます。

ブラウゼー前の車道を少し北上し、リーゲルゼーという池の近くを通り過ぎたところで脇道に入ってカンデルグルント村の教会前へ。左に見える建物はカンデル河畔に建つ水力発電所です。カンデル川の上流から引いた導水路が山腹に見えます。

教会前から西へ下り、再び車道と出合ったところに「アルテルス」という名のホテル・レストランがありました。お薦めメニューの黒板も出ておらず「食事できるのかな?」と迷っていると、ご主人らしき人が偶々玄関へ出て来られて「どうぞ」とおっしゃっていただきました。

中へ入ってビックリ。何とほぼ満席の盛況でした。でも渡されたメニューを見て納得しました。今秋の狩猟が解禁されたばかりのジビエ料理が豊富に並んでいたんです。きっとジビエ料理の名店なんですね。カミさんはゲムゼ(アルプス山羊)のプフェッファー、私はレー(のろ鹿)のシュニッツェルをオーダー。赤ワイン「ドール」を5dl頼んだら、店のオリジナルラベルのボトルで出てきました。付け合わせはシュペッツレ、栗、洋梨とジャム、葡萄の実といった定番モノで、赤キャベツと芽キャベツは別の皿で出てきて「お好きなだけどうぞ」と。最高のランチでした。

レストランを出たら小雨も止んでいました。カンデル河畔まで下り、水力発電所の前でカンデル川の左岸へ渡ります。釣りをしている小父さんがいました。

牧畜農家が点在する谷底を下流に向かって北上します。前方奥がフルーティゲンの町です。

フルーティゲンの町の手前まで歩いてきました。道が車道に出合う手前から左手の丘へ登ります。正面に見えているのはカンデル川に架かる鉄道高架橋です。

丘の上に建つテレンブルク城址。1200年頃に創建され、1885年に焼失して廃墟になったとか。塔の上へ登れるようになっています。

テレンブルク城址から南に眺めるカンデル谷の上流方面。谷の奥がカンデルグルント村です。

テレンブルク城址から東に見下ろすカンデル高架橋。右側が1923年に造られた長さ265m・高さ28mの石橋で、左側は1981年に増設された新しい橋梁です。

テレンブルク城址から北側の眺望。手前がテレンフェルトの集落で、右奥がカンデルブリュックの集落。写真左奥がフルーティゲン駅で、その左側がフルーティゲンの町です。

テレンブルク城址から北へ下り、テレンフェルトの集落を抜けてヴィーディ橋で鉄道線路を西へ渡ると、フルーティゲンの町へ入ります。

フルーティゲン駅。ここから電車に乗り込んでカンデルシュテーク村へ戻りました。


トップページへ   前日へ  翌日へ