「夫婦で歩くスイスアルプス」

チェントヴァッリ「市場の道」 ハイキング

2006年5月2日。今日は曇り。山の展望は期待できそうにないので、谷間のハイキングを楽しむことにします。前日と同じチェントヴァッリ鉄道(但し今日はイタリアのドモドッソラまで行く急行電車)に乗って、国境の村カメドで下車。駅前から車道を通って村の上手まで上ってきました(舗装道路ですが車の往来は殆どありません)。写真の後方はもうイタリアです。

車道を東方向へ上っていくと、間もなく立派な教会のあるボルニョーネ村に至ります。教会にお参りしてから、更に東隣のリオンツァ村に向けて進みます。

リオンツァ村の手前に案内板があり、ここから車道と分かれて「市場の道」が始まります。森の中の道はよく整備されていて歩きやすく、かつて街道だった名残りを感じさせてくれます。写真後方に見えるのは、マリア像の壁画が描かれた祠。ティチーノ州の古い道にはこのような祠があちこちに点在していて、カトリック信仰の厚い土地柄が偲ばれます。

道はリオンツァ村の下手を進んでいきますが、道端にスコティッシュ・ハイランド種の牛が2頭いました(もう1頭は黒毛)。スイスでは殆ど見られないスコットランド原産の牛ですが、何故かロカルノ周辺では時々見掛けました。見た目はちょっと怖いですが、実はおとなしそうな感じです。

山腹の平坦な道を東へ快適に進み、沢に架けられた橋を2つばかり渡ると、ヴェルダージオ村に到着します。立派な教会や歴史を感じさせる石造りの建物が並び、雰囲気の良いホテル・レストランもあります(残念ながら月曜・火曜はお休み)。昨日電車を降りたヴェルダージオ駅までは車道が通じているものの、鉄道や幹線道路が走る谷底は遥か下方で、まさに「静けさ」を満喫できる村でした。

ヴェルダージオ村から先は暫く登り道が続きます。モンテ・コミーノへの登山道を左に分け、再び沢を木橋で越えると、昨日乗ったモンテ・コミーノ行きロープウェイのケーブル下に出てきます。近くにベンチがあり、上って行くゴンドラを眺めつつ休憩しました。谷の対岸には、雲が多いものの今日もグリドーネ山とラーザ村が見えていました。

再び平坦な道になって、スレーニャの集落を通過します。ひっそりした農家の庭にナルシスが咲いていました。

スレーニャから先は、小さな沢を幾つか回り込みつつ、次第に下り道となります。岩が迫る急斜面にもしっかり石垣が組まれていて、歩きやすい道になっています。

不意に舗装道路が現れ、コルカーポロ村の上手に出ます。道路を直進すれば前日にランチを楽しんだコスタ村に至りますが、できれば違う場所を歩きたいので、村の中の道を下って電車駅へ。実はトイレを借りられるかなと期待したんですが、小さな待合室しかない無人駅で、希望は叶わずでした。

駅の下の車道沿いにあるグロット(ここも休業中でした)の脇から、谷底を目指して下ります。この道を下り切った谷底にも民家があってビックリ。

吊り橋でメレッツァ川を渡り、谷の南側へ。渡った先の分岐を右へ登って行けば、先ほど眺めたラーザ村に通じています。我が家は左へ。

左手に谷底や対岸のカレッツォの集落を眺めつつ進みます。時折こちら側にも石造りの民家が現れ、その軒先を通過していきます。

小さなアップダウンを繰り返す道に疲れてきた頃、お目当ての「ローマ橋」を渡ります。1578年の建造で、1989年に修復された旨の表示がありました。橋の下は静かな深い淵になっていて、渓谷の眺めもなかなかです。

橋の先の道を登って線路を渡ると、イントラーニャ村手前の車道に出てきます。今日は3連休後の待望の平日。ようやくスーパーで買物ができるぞ〜という訳で、イントラーニャ駅から早々に電車に乗ってロカルノに戻りました。


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