「夫婦で歩くスイスアルプス」

ロスベルク縦走ハイキング

2013年4月8日。滞在中の宿の最寄り駅メッケン・ツェントルムからアルト・ゴルダウ行き電車に乗り込みます。後方に大きく見えている山はピラートゥス(エーゼル峰2,119m)です。

アルト・ゴルダウ駅でビーベルブルック行きローカル電車に乗り換え、ザッテル・エーゲリ駅で下車。相変わらずの曇り空ですが、今日はここから歩き始めてロスベルク山塊の頂を目指します。

ザッテル村を北西方向へ抜けて緩やかに登ります。写真は歩いてきた方向を振り返って撮ったもの。写真中央のザッテル村の背後の山はシュピルメットレン(1,503m)で、その右の鞍部がゴンドラリフトで上れるモステルベルク(1,191m)、写真右端がエンゲルシュトック(1,297m)。モステルベルクの後方に見えている山がホッホシュトゥックリ(1,566m)です。

残雪の多い渓流沿いの森を抜け、牧畜小屋が建つアイゲンシュタルまで登ってきました。南にはリギ山塊の峰ホッホフルー(1,698m)が見えています(写真右)。そこから左へシュピッツ(1,410m)、ゴッテルトリ(1,396m)、ツュンゲレンフルー(1,088m)とウルミベルクの頂が続き、その左後方に霞んでいるのはフローンアルプシュトック(1,922m)です。

アイゲンシュタルへの道は行き止まりでしたので、少し手前まで戻ってから牧草地の斜面を登りました。残雪が多くて苦しい登り道でした。

ロスベルク山塊の東寄りの尾根、ハルゼック(1,341m)に到着。2007年に建てられた真新しい山小屋があります(オフ・シーズンなので閉まっていましたが)。

ハルゼックから見下ろすザッテル村。丸い頂のホッホシュトゥックリの右(エンゲルシュトックの後方)にミーテン山が見えてきています(右の頂が大ミーテン1,898m、中央が小ミーテン1,811m、左がハッゲンシュピッツ1,761m)。案内標識の左はヘッヒ・テンドリ(1,523m)と、その左にニューゼルシュトック(1,479m)です。

ハルゼックから西側の針葉樹林帯に入り、グヴァンデレンフルーの尾根に北側から登ります。写真は尾根の南側へ出てきたところ。グヴァンデレンフルーは切り立った岩の尾根ですが、西へ進むと再びなだらかな稜線上に出ます。

丸い草原の頂ラングマット(1,544m)に到着。石造りの三角点標識と丸木の十字架があります。後方の山は写真中央がシュピルメットレンで、その右にホッホシュトゥックリを挟んでミーテン山塊。

ラングマットから東側の眺望。右手前の針葉樹林帯が歩いてきたグヴァンデレンフルーの尾根で、左の山はロスベルク東端の頂カイザーシュトック(1,426m)です。後方は写真右がシュピルメットレン、中央がヘッヒ・テンドリとその左にニューゼルシュトック。カイザーシュトックの右奥がモルガルテンベルク(1,244m)で、その更に後方にヴィントヴルフ(1,379m)。

ラングマットの頂を西へ少し下った場所に立派な屋根付きの休憩所が建っていました。山々のパノラマの解説板や、バーベキュー用の竈もあります。メッケン村で買ってきたデニッシュパンをここで齧って昼食にしました。

ラングマットの西隣の頂(写真手前の十字架の立っているところ、1,571m)。尾根伝いに一旦下った後で登り返し、最高峰のヴィルトシュピッツ(写真右上、1,580m)へ向かいます。写真左奥にリギ山頂(リギ・クルム、1,798m)が見えてきています。

ヴィルトシュピッツ山頂直下に建つ山岳ホテル。今日は営業していませんでした。

ヴィルトシュピッツ山頂。写真中央にあるのは、ここから見える山々の名を示した案内板です。

ヴィルトシュピッツ山頂から南側に眺めるホッホフルー(写真右)とウルミベルク(写真中央)。手前に見えている湖はラウエルツ湖です。ホッホフルーの背後に霞んでいるのがウーリ・ロートシュトック(2,928m)。晴れていれば中央スイスの峰々をもっと見渡せる筈なんですが…。

ヴィルトシュピッツ山頂から東に眺めるラングマット。頂から右下へ白く延びている尾根が歩いてきた道です。ラングマットの左奥に見える頂は支峰のテュルリシュトック(1,502m)。

ヴィルトシュピッツ山頂から北側に見下ろすヒューリ谷。その向こうに霞んでいるのはウンターエーゲリ村方面です。

ヴィルトシュピッツ山頂から更に尾根伝いに西へ。写真は振り返って撮ったヴィルトシュピッツの頂です。

ロスベルク西端の頂、グニーペン(1,567m)に到着。

グニーペンの南斜面ゴルダウアー・ベルクは大きく崩壊した谷になっていて、剥き出しの岩肌が迫力ある景観を見せています。

グニーペンの頂は東西に細長く延びていて、その西端に十字架が建っています。背後はリギ山塊で、写真右が最高峰のリギ・クルム、中央に右からシルト(1,548m)、ヴュルツェシュトック(1,482m)、ドッセ(1,685m)を挟んで左がリギ・シャイデック(1,656m)。写真左端に見えているのがゴルダウの町です。十字架の中に登山帳が入っていたので、私も記念に記帳しました。

グニーペンから北西側に見下ろすツーク湖。右の湖岸にヴァルヒヴィール村が見えています。

シュピッツィビュールアルプと呼ばれる草原の斜面の西端をゴルダウの町へ向かってずんずん下っていきます。南西向きの斜面は陽当たりが良いので雪は殆ど消えていましたが、ぬかるんでいて少し歩きにくかったです。

シュピッツィビュールアルプから見上げるグニーペンの頂。左の尾根を下ってきました。

シュピッツィビュールアルプには可憐な春クロッカス(クロクス・アルビフロールス)の花があちこちに咲いていました。

下り道の右手に見下ろすツーク湖畔のアルト村。背後にリギ・クルムが聳えています。

やがてヘルツィックヴァルトという森の中へ入っていきます。写真のミスミソウ(ヘパティカ・ノービリス)の他、ヤブイチゲ(アネモーネ・ネモローサ)やプリムラ・エラティオール(サクラソウの一種)が花盛りでした。ベアラウフ(熊ねぎ)の若葉に覆われている斜面も綺麗でした。

ヘルツィックヴァルトを抜けると、テンマットという放牧地の脇を下る道になります。農家の方々が農場の整備に精を出されていました。草原には写真に見えるような大きな岩がゴロゴロ点在しています。ゴルダウアー・ベルクが崩壊して落ちてきた岩なんでしょうか。

テンマットから見下ろすゴルダウ市街。写真右上がリギ・シャイデック、左奥の山がホッホフルーです。

道はロープウェイの世界的メーカーであるガラヴェンタ社の本社前に出てきます。アルト・ゴルダウ駅のカフェでビールを飲んでから電車でメッケン村のホテルへ戻りました。


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