「夫婦で歩くスイスアルプス」

シーデルホルン山頂からオーバーアール湖へ

2009年9月22日。予報どおりの快晴です。前日に電話で予約しておいたオーバーヴァルト7時45分発の小型ポストバスに乗り、再びグリムゼル峠(海抜2,165m)のトーテ湖畔へやってきました。駐車場の奥に見えている小屋は前日に覗いたマーモット公園。今日は先ず写真左上に見えているシーデルホルンの山頂を目指します。

オーバーアール湖への車道を少し歩いた先から左手の登山道に入ります。小さな池の脇を通って岩の多い斜面を登っていきます。

岩場の上に羊の群がいました。右は早くも顔を出したラウターアールホルン(4,042m、右端のピークはシュレックホルン4,078m)。

斜面を登った先にフーゼック小屋が建っています。小屋は閉まっていましたが、東側には早くも山々のパノラマが並びます。小屋の後方がガーレンシュトック(3,586m)で、その左がゲルステンヘルナー連峰(3,189m)、手前に氷河を纏ったティアーアルプリシュトック(3,383m)を経てその左がディーヒターホルン(3,389m)、グヴェッヒテンホルン(3,214m)とキルクリシュトック(3,114m)の尖峰を経て写真左端がシュタインヒュスホルン(3,121m)です。その下方に見えているダム湖はレーテリッヒスボーデン湖。

フーゼック小屋の先から尾根の上に出て、尾根伝いに登っていきます。ラウターアールホルンの左にフィンスターアールホルン(4,274m)が見えてきました。

尾根上から西側の眺望。右から順にシュレックホルン、ラウターアールホルン、クライン・ラウターアールホルン(3,737m)、フーギホルン(3,647m)、ラウターアール・ロートヘルナー連峰(3,473m)で、手前のグリムゼル湖に向かってウンターアール氷河が流れています。左のフィンスターアールホルンの手前がショイヒツァーホルン(3,456m)、右隣のアガシッツホルン(3,946m)の右に遠望できる白い峰はグローセス・フィーシャーホルン(4,049m)とオックス(クライネス・フィーシャーホルン、3,895m)で、その右に少しだけ覗いている頭がメンヒ(4,107m)です。

フィンスターアールホルンの左にオーバーアールホルン(3,631m)、オーバーアール湖に流れ込むオーバーアール氷河の奥がノレン(3,402m)、その左隣がオーバーアール・ロートホルン(3,477m)、更に左にヒンテレス・ガルミホルン(右、3,486m)とフォルデレス・ガルミホルン(左、3,517m)。手前の湖はトリープテン湖で、そこからオーバーアール湖に向かって登った先にベーレック小屋が見えています。

尾根道は次第に傾斜が緩やかになって快適にシーデルホルンの肩へ達しますが、ここから山頂への最後の登りが始まります。

ガレた斜面を登っていきます。後方中央の山はアルプリシュトック(2,878m)、写真左上端がブランドラムホルン(3,108m)で、その右隣はブリュンベルク連峰(2,982m)です。

十字架とケルンと案内標識が建つシーデルホルン山頂(2,764m)に到着。

シーデルホルン山頂から西に眺めるオーバーアール氷河、フィンスターアールホルン、ウンターアール氷河、ラウターアールホルン等の大パノラマ。ラウターアールホルン・シュレックホルン連山の右はヒーンダーシュトック(3,307m)、写真右端はベックリシュトック(3,247m)です。

東には出発点のグリムゼル峠(トーテ湖)を見下ろせます。その後方に見えているのはローヌ氷河の末端。左上のガーレンシュトックの右肩の山はシーデレンホルン(3,217m)で、その右奥がグロース・フルカホルン(3,169m)、ローヌ氷河末端の上方がクライン・フルカホルン(3,026m)。写真右奥の鞍部がフルカ峠です。

シーデルホルン山頂から南西側の眺望。右がヴァイスホルン(4,506m)、マッターホルン(4,478m)を挟んで中央がドーム(4,545m)をはじめとするミシャベル山群、頭の平らなアルプフーベル(4,206m)の左にフレッチホルン(3,993m)、ラッキンホルン(4,010m)、ヴァイスミース(4,023m)、モンテ・レオーネ(3,553m)の山々が並んでいます。

シーデルホルン山頂から南西側の尾根を下り、間もなく現れる分岐から右手の道を辿って眼下のトリープテン湖を目指します。

トリープテン湖畔近くの草原に座り、オーバーアール氷河を眺めながら、持参したカミさんお手製のサンドウィッチで昼食にしました。

トリープテン湖畔(海抜2,365m)に下ると、周囲の山々が湖面に映って綺麗でした。中央の山はフォルドレ・ツィンゲンシュトック(2,915m)。

トリープテン湖畔から眺めるラウターアールホルンとウンターアール氷河。

トリープテン湖畔から緩やかな砂利道を登ると、ベーレック小屋に至ります。ここは自炊用の山小屋で、食事休憩はできません。背後の山はガーレンシュトックとゲルステンヘルナー連峰。

ベーレック小屋の前に小さな池があり、未だワタスゲが沢山残っていました。

ベーレック小屋から西へ少し進むと、その先がいきなり落ち込んでいて、オーバーアール湖が全容を現します。眼下に見えるオーバーアール小屋を目指して草原の急斜面を下ります。

オーバーアール小屋に到着。小屋の中も真新しくて綺麗でしたが、湖と氷河を眺められるテラス席に座り、大ジョッキの生ビールを飲み干しました。

オーバーアール小屋から舗装道路を下るとダムの上に行けます。写真中央上の斜面に建っているのがオーバーアール小屋。その上方の鞍部から下ってきました。

ダムの上から眺めるオーバーアール氷河。

オーバーアール小屋の直下まで戻ったら、舗装道路を直進して帰路につきます。車道ですが、車が擦れ違えない狭さのため1時間のうち相互に10分間ずつしか通れない規則になっていて、殆ど車の往来はありません。左手に延々と続くグリムゼル湖を見下ろしながら進みます。

グリムゼル湖の上流方向を振り返ると、ラウターアールホルンとウンターアール氷河が見えます。右上の山はブリュンベルク連峰。

グリムゼル湖の下流には、アーチ型のダムの脇に歴史あるホスピッツが建っています。その向こうに見えるのはレーテリッヒスボーデン湖で、その更に左奥の山腹に昨日行ったゲルマー湖のダムが小さく見えています。写真右上はゲルステンヘルナー連峰です。

グリムゼル・ホスピッツのアップ。今は改装されてホテル・レストランになっています。手前はロープウェイの発着場で、オーバーアール湖のダムに通じていますが、運行されていないようです(ダムの運営管理用でしょうか)。

グリムゼル湖へ下るつづら折りの車道が近づくと、歩き始めたグリムゼル峠(写真右端)はもうすぐです。

グリムゼル峠に戻ってきました。帰りのバスの発車時刻まで時間があったので、トーテ湖畔を半周して写真左奥に見える山岳ホテル「グリムゼルブリック」の前まで歩き、そこからオーバーヴァルト行きのポストバスに乗り込みました。


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