「夫婦で歩くスイスアルプス」

ホッホエッツ「鉱夫の道」ハイキング

2014年9月20日。昨夕からの雨が上がって今朝も青空です。ゼルデン村から北(エッツ谷の下流方面)行きの路線バスに乗り、エッツ村の手前で下車。ゴンドラリフト「アッハーコーゲルバーン」に乗り込みます。

「アッハーコーゲルバーン」のゴンドラには各国語で「私の夏」・「私の冬」・「私の一日」等の言葉が書かれています。日本語もありましたが… それ、英語じゃん!(笑)

ゴンドラリフトの山上駅、ホッホエッツ(海抜2,020m)。大きなレストランが併設されています。

ホッホエッツから南へ緩やかに登ると、すぐにビーレフェルダー小屋(海抜2,112m)に到着します。広い展望テラスがあり、同窓会か何かでしょうか、我が家の後からご老人方の一団が賑やかに登ってきて集まっていました。

ビーレフェルダー小屋から見下ろすエッツ谷。手前の谷底に見えている家並みがエッツ村で、その奥の山裾の村はザウテンスです。右で白い岩肌を見せている山はチルガント(2,370m)で、その手前がイン川の流域(つまりエッツ谷の出口)になります。写真中央奥の山並みはレッヒターラー・アルペンで、山塊の左端がパルザイアーシュピッツェ(3,036m)、更にその左はフェアヴァル山塊のホーアー・リフラー(3,168m)です。

パルザイアーシュピッツェ(右)とホーアー・リフラー(左)のズームアップ。両者の手前はフェネットの尾根で、その下方に見えているのはピッツ谷のホッホアステン村のようです。

ビーレフェルダー小屋から東へ登ります。先ず目指すは、行く手に見えている山、ロスコップフの山頂です。

道はロスコップフの南斜面を東へトラバースした後、分岐を折り返すように左折して山頂へ向かいます。

ロスコップフへの登山道から南西方向の眺め。手前の草地に建っているのはアッハーベルク・アルム小屋で、谷底の家並みはエッツ村の南に位置するハビッヒェンの集落です。谷向こうの山々はガイゲンカム連峰で、写真左端がブロックコーゲル(3,098m)、その右がフンドゥスファイラー(3,079m)、クロイツヨッホシュピッツェ(2,675m)を経て写真中央奥がヴィルトグラート(2,971m)とその右隣にブレッヒコーゲル(2,936m)、更にヴァイター・カールコップフ(2,774m)とヒンテラー・カールコップフ(2,686m)を経て右端がブローセ(2,536m)です。写真右端に遠望できているのはホーアー・リフラー。

横3本の十字架が立つロスコップフ山頂(2,399m)に到着。

ロスコップフ山頂から北側の眺望。左手前の小山はモーレンケップフルで、その右のザレた山腹の向こう側にバルバッハ・アルム小屋が見えています。その奥の谷底はオクセンガルテン村で、更にその左背後の鞍部がザッテレ峠(海抜1,690m)です。後方に並んでいる山々はミーミンガー山群で、写真中央右寄りがグリューンシュタイン(2,661m)、その右にグリースシュピッツェン(西峰2,741m・東峰2,747m)、ミッターシュピッツェン連峰(2,705m)、ホッホプラッティッヒ(2,768m)、ホッホヴァント(2,719m)と続き、写真右端で半分切れているのがドイツ国境に位置するホッホヴァンナー(2,744m)。グリューンシュタインの左は奥にダーニエル(2,340m)を挟んでヴァンニック(2,493m)、写真左端はローター・シュタイン(右、2,366m)とローレアコップフ(左、2,471m)です。

ミーミンガー山群のグリースシュピッツェン(左)〜ミッターシュピッツェン連峰(中央)〜ホッホプラッティッヒ(右)方面のズームアップ。ミッターシュピッツェン連峰の背後にツークシュピッツェ(右、2,962m)とシュネーフェルナーコップフ(左、2,874m)の頭が覗いています。手前の尾根上の草地はフェルドリングアルムです。

ロスコップフ山頂から南に眺めるアッハーコーゲル(写真右奥、3,007m)。ここから左手前の尾根(ヒンテラー・ロスコップフ)を辿り、写真中央に見えるヴェッタークロイツコーゲルの山頂へ向かいます。

ロスコップフ山頂(写真中央奥)を背に、ヒンテラー・ロスコップフの尾根を進んでいるところ。岩が多くてちょっと歩きづらいです。

ロスコップフの南斜面をトラバースしてくる道と合流すると、再び歩きやすいコースになります。写真右手前のなだらかな頂がヒンテラー・ロスコップフで、その左の円錐形のピークが登頂したロスコップフ。そこから左へ下った中腹のアルプが出発点のホッホエッツで、その左端にビーレフェルダー小屋が見えています。写真左端手前がエッツ村です。

アッハーコーゲルを正面に仰ぎながら登ります。ヴェッタークロイツコーゲル山頂の十字架が近づいてきました(写真右)。

ヴェッタークロイツコーゲル山頂の十字架。ここも横3本の変型十字架です。

ヴェッタークロイツコーゲルの山頂十字架からの眺め。エッツ谷や歩いてきたコースが一望です。

アッハーコーゲルの右に並ぶガイゲンカム連峰。写真左端が山塊最高峰のホーエ・ガイゲ(3,393m)で、そこから右へ順にライザーコーゲル(3,082m)、ルイビスコーゲル(3,112m)、少し間を置いてフォイヤーコーゲル(2,954m)、ドリステンコーゲル(2,996m)、ラングカールレスシュナイト(写真中央、3,044m)、プラッティッヒコーゲル(3,089m)、ブロックコーゲル。その右奥はカウナーグラート連峰で、ロシュティッツコーゲル(3,394m)の白峰を挟んでローフェレヴァント(3,353m)です。

山頂の十字架を離れ、広大な草原の中を緩やかに登ります。

草原には羊の群れがいました。

ケルンの立つこの辺りがヴェッタークロイツコーゲルの本当の山頂(2,591m)みたいです。確かに十字架が建っている場所(写真中央奥)より高いですが、だだっ広い草原の頂なので、眺望を楽しむ上では十字架の場所の方が好都合です。

ヴェッタークロイツコーゲルの山頂から南に聳えるアッハーコーゲルを眺めた図です。左側の支峰は、右から順にマーニングコーゲル(2,894m)、ヴェルゲグラート・シュピッツェ(2,716m)、ローター・コーゲル(2,827m)。

羊達の背後で緩やかに左へ曲がりつつ下っているのがヴェルゲ谷です。これからここを下って行きます。谷向こうの山はヒンテレ・カールレスシュピッツェ(2,641m)で、その後方に覗いているのがキュータイ周辺の山々です。写真中央がツヴェルファーコーゲル(2,988m)で、その右にズルツコーゲル(3,016m)とガムスコーゲル(2,965m)。ヒンテレ・カールレスシュピッツェの左はポックコーゲル(2,807m)を経てガイスコーゲル(2,820m)です。

ヴェルゲ谷には池が点在しています。かつて氷河が運んだ堆積物の名残なんでしょうか、平原と下り坂が交互に現れ、言わば階段状の谷になっています。

ヴェルゲ谷の道は思ったより長かったです。ようやく谷の出口に近い湖「ポッハーゼー」が見えてきました。正面に聳えている山はピルヒコーゲル(2,828m)です。

「ポッハーゼー」の近くに「鉱夫小屋」が建っていて、その前に良い感じの休憩所がありました(海抜約2,000m)。ヴェルゲ谷は中世に銅や鉛の採掘が行われていた場所らしく、鉱石の粉砕に使われた水車が復元してありました。「ポッハーゼー」も「砕鉱湖」くらいの意味でしょうか。

「ポッハーゼー」から更に北へ下ると、「オーベレ・イスアルム」と表示のある分岐に出ます。ここにも木製のベンチとテーブルがあって、食事をしている夫婦がいました。案内標識によれば、直進して谷底へ下るとイスアルムのバス停まで30分、右折すればキュータイ村まで1時間45分とのことでしたが、我が家は左折してホッホエッツ方面へ戻ります。

ツヴェルファーケップフル(写真左上、2,253m)の北斜面を西へトラバースしていきます。初めのうちは緩やかな登り道です。道端にはブルーベリーが沢山の実を付けていました。

ツヴェルファーケップフルの北山腹から、歩いてきた方向を振り返って。左の山はピルヒコーゲルで、右奥に峠の山岳リゾート、キュータイ村が見えています。

キュータイ村方面のズームアップ。後方の山は正面がガイスコーゲル、その右がポックコーゲル、写真右端がシュタインタールシュピッツェン(2,741m)です。

進む右手には、ネーダー谷の向こう側にマールシュタインの農家群(オクセンガルテン村の高台にある集落)が見えます。写真左上に見えている山はヴァンニックで、その右に覗いている頭がグリューンシュタインです。

ヴァンニック山のズームアップ。

ツヴェルファーケップフルの頂が左手から後方へ移るにつれ、緩やかな下り道となります。右手前方の谷底がオクセンガルテン村で、その背後がチルガント山です。

尾根を左手へ廻り込んだ先の圏谷にバルバッハ・アルム小屋が建っていました(海抜1,957m)。もう14時過ぎなので、広いテラス席には誰もいません。

お決まりの白ビールに、私は鹿肉の煮込み(曜日替わりの定食)、カミさんはまたまたアップルパイをオーダー。お腹が空いていたこともあって美味しかったです。

バルバッハ・アルム小屋から先は広い林道を辿って更に西へ。見晴らしの良い場所に建つキュータイレ・アルム小屋(海抜1,988m)を通過すれば、もうホッホエッツは近いです。

再び「アッハーコーゲルバーン」に乗り込んで下山。写真はゴンドラから見下ろすエッツ村です。

少しエッツ村の中を散策してみました。趣のある壁画を持つ建物が多いです。写真はホテル「ガストホーフ・ツム・シュテルン」の入口。

こちらは「ポストホテル・カッスル」。この正面にある停留所からバスに乗ってゼルデン村へ戻りました。


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