「夫婦で歩くスイスアルプス」

クロイト村周辺ハイキング

2019年5月4日。テーガンゼー駅前から再びアッヘンゼー方面行きのバスに乗り、クロイト村を過ぎた先の「クラム」停留所で下車しました。バス停の前に大きな案内標識が建っています。我が家が目指すのは一番上に表記されているシュヴァルツェンテン・アルムです(所要50分と書かれていますが、右の黄色い標識では1時間15分とありました)。写真右の道を入ると広い駐車場があります。

シュヴァルツェンバッハ川の左岸に沿った広い砂利道を辿って谷を北へ遡って行きます。

間もなく分岐があって右岸の遊歩道にも渡れるんですが、そちらへの橋は通行止めになっていました。暫く進むと少し崩れた場所があって、通行止めの理由はこれかなと思いましたが、実際には右岸を歩いているハイカーも見掛けました。

周囲の針葉樹林が美しいです。水辺にはリュウキンカ(カルタ・パルストリス)が咲いていました。

レオンハルトシュタインへの登山道を右へ分ける手前に、大きな木彫作品が並べられた広場がありました。

左手(西側)の木々の合間にブッフシュタイン(1,701m)とロスシュタイン(1,698m)の連山が覗きます。この中腹に建つブッフシュタイン小屋へ登る道が間もなく左へ分岐します。そちらへ向かうことも考えていましたが、今日はお天気が不安定との予報なので自重することにしました。


ブッフシュタイン小屋への道を左に分けると間もなく平原が広がり、その中に建つシュヴァルツェンテン・アルムの農家レストラン(海抜1,027m)に到着しました。屋内でコーヒーをいただきましたが、スープ類やサラミ・チーズ等の軽食も摂れるようでした。農家小屋の背後の山はツヴィーゼルエック(1,459m)で、その右奥がオクセンカンプ(1,595m)です。

シュヴァルツェンテン・アルムの農家レストラン(写真右端)から少し北へ歩いた場所で振り返って南側を撮った写真。レオンハルトシュタインの尖峰(1,449m、写真中央)が印象的ですが、ここからはブッフシュタイン・ロスシュタインが手前の山に遮られて残念ながら見えません。ここは峠のような場所で、そのまま北へ下って行くとテーガン湖畔のバート・ヴィースゼー村まで2時間で歩けるようでした。

我が家は歩いてきた道を南へ戻りました。登ってくる家族連れと何度も擦れ違いましたが、生憎次第に空が暗くなって小雨が降ってきました。正面に見えている山はシルデンシュタイン(1,613m)です。

出発地点の「クラム」停留所まで戻り、車道を南側へ渡ってヴァイスバッハ川沿いの遊歩道に入ります。停留所の名前のとおり峡谷になっています。

ヴァイスバッハ川はすぐに緩やかな流れとなり、その右岸に沿って東へ進みます。

ミスミソウ(ヘパティカ・ノービリス)が沢山咲いていて、白花も見掛けました。

「ジーベンヒュッテン」停留所付近。ここを右折して南へ向かいます。

ヴァイスバッハ川の支流に沿って林道が延びています。

谷奥に並んでいるのはオーストリア国境を成すブラウベルゲ山脈。左端が山塊最高峰のハルザーシュピッツ(1,862m)で、その右で木に隠れているのがカールシュピッツ(1,800m)、中央がブラウベルクコップフ(1,787m)、右がブラウベルクシュナイト連峰(1,787m)です。

渓流沿いの素朴なレストラン「ジーベンヒュッテン」に到着。その名のとおり元は7軒の農家があった場所らしいですが、今は3棟の小屋しかありません。

幸いお天気も回復してきましたので、テラス席でソーセージ入りスープと白ビールをいただきました。

帰路は川の右岸の道を歩くことにしました。こちらは河岸ではなく高台に道が付けられています。

右岸の道から川越しに眺めるゲルンベルクコップフ(1,177m)の岩山。写真下端に見えているのが往路に辿った道です。

眼下に養魚場が見えました。ここで鱒やイワナの燻製を味わうこともできるみたいです。

巨大な「ヴィルトバート・クロイト」の前に出てきました。元は16世紀にテーガンゼー修道院によって開かれた鉱泉保養所で、19世紀にバイエルン王マクシミリアン1世がこの立派な建物を建てたんだそうです。第二次世界大戦後は療養所になり、1974年からはバイエルン州の保守政党CSU(キリスト教社会同盟)が会議場として使ってきましたが、2016年に閉鎖されて現在はひっそりと静まり返っていました。ホテルに改装する計画もあるらしいですが…。

「ヴィルトバート・クロイト」の向かいに建つ「アルテス・バート」。その名のとおり、こちらが元の保養所だった建物のようで、礼拝堂が併設されています。今はレストランとして営業しています。

「ヴィルトバート・クロイト」から坂道を下るとバス停に出ますが、ヴァイスバッハ川の右岸に続く遊歩道を辿ってクロイト村の中心部まで歩いてみることにしました。

ヴァイスバッハ川越しに西側に眺めるレオンハルトシュタインの尖峰(写真中央)。写真左の山はグリューンエック(1,395m)、右端はフィルツェンコーゲル(1,444m)です。

ヴァイスバッハ川に架かる橋を渡ってバス停へ。橋の上からもブラウベルゲ山脈が眺められました。写真左端がブラウベルクコップフ、中央がブラウベルクシュナイト連峰とその右にヴィヒトルプラッテ(1,765m)です。

真新しいマイバウムが立てられたクロイト村の中心広場。ここからバスに乗ってテーガンゼー村へ戻りました。

翌5月5日。夜が明けたら外は一面の銀世界になっていました。帰国の途につく日ですが、ミュンヘン空港を夜に発つ便なので、昼過ぎまでは時間があるんですけど、このお天気ではハイキングは無理です。貸アパートを片付けた後、荷物を持ってテーガンゼー駅から早々にミュンヘン行きの列車に乗り込みました。ミュンヘン郊外の田園地帯に入ると積雪は無くなり、雪も小降りになりました。

ミュンヘン中央駅へ到着してコインロッカーに手荷物を預けようとしましたが、スーツケースを入れられるような大型ロッカーは数が少なくて全部使用中。一か八かでSバーンに乗って東駅まで行ったら、そこで何とかコインロッカーの空きを見つけられました。市庁舎の仕掛け時計が正午に動くのを見てから、近くのレストランでランチし、教会やレジデンツ宮殿(写真)等を観て回りました。その後は早めに空港へ向かい、最後の買物をして、お決まりのビヤレストラン「エアーブロイ」でビールを楽しみました。


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