「夫婦で歩くスイスアルプス」

レマン湖畔「花咲く小道」からローヌ河口三角州へ

2013年4月10日。レマン湖畔の街ヴヴェ近郊で迎える初日の朝はまたまた雨でした。昨夜は晴れていたのに…。でも朝食をしているうちに何とか止んで青空も覗いてきたので、レマン湖畔の散策へ出掛けることにします。宿泊しているコルソー村発の市内バスはヴヴェ駅前を経由して湖岸の市場広場(別名グラン・プラス)が終点です。ここでは週2回マルシェ(朝市)が開かれますが、今朝は静かです。写真右の建物は観光案内所。

湖岸沿いに東へ歩き、チャップリン像に久し振りの再会。この少し手前(写真左端付近)にはルーマニアの詩人ミハイ・エミネスクの胸像もありました。

チャップリン像の前の湖岸には大きなフォーク。チャップリン像の背後に建つ「食品博物館」のモニュメントです。

ルシ湖岸通りから歩いてきた方向を振り返って。写真左端が出発地点の市場広場です。ヴヴェ市街の後方の山はモン・ペルラン(1,080m)。

湖に張り出して建つラ・トゥール・ド・ペ城の周囲を回り込んで進みます。城の中は「スイス・ゲーム博物館」になっています。

ラ・トゥール・ド・ペ城の脇の道では、鴨の夫婦が仲良くヒョコヒョコ歩いてました。

ラ・トゥール・ド・ペのヨット・ハーバーを過ぎたところで湖岸の遊歩道は行き止まりになっています。その先は私有地で立ち入りできないため、車道に出るしかありません。暫く行くと再び湖岸へ出る小道があったので下ってみましたが、ベンチの置かれた湖岸の道はやはり行き止まりでした。

トロリーバスが走る幹線道路を東へ進みます。車の往来が多く、歩道が狭いので余り気分良く…とはいきませんが、湖側には立派なお屋敷が並んでいるので、それらを覗き見しながら歩くのは一興でした。

クラランの町の西外れにあるヨット・ハーバー。天気は回復し、気温も上がってきました。ヨット・ハーバーの先からは再び湖岸の遊歩道が続いています。

クラランの船着場を通過。

モントルーの街が近づくと、「花咲く小道」と呼ばれるとおり、湖岸遊歩道に沿って美しい花壇が続くようになります。今はパンジーやポピーの花が綺麗でした。コブシの花も咲き始めていて、やはりルツェルン周辺より少し春が早いようです。

藁や木の枝等で作られた塑像もいろいろ並んでいました。写真はバーバパパですね。

レンギョウの鮮やかな黄色い花が満開です。

モントルーの中心街付近。写真の建物は「グランド・ホテル・スイス・マジェスティック」で、その裏手に鉄道駅があります。

屋根付き市場(マルシェ広場)の前にあるフレディ・マーキュリーの銅像。何度見てもカッコ良いです。湖の対岸の山は、フレディ・マーキュリーの胸の前で最も高く見えているのがル・グランモン(2,172m)、円形展望所の後方はフランス領のポワント・ド・レギュイーユ(1,716m)です。

ポワント・ド・レギュイーユのアップ。その右奥にポワント・ド・ペタルーズ(1,878m)を挟んでピック・ボレ(1,974m)が見えています。ポワント・ド・レギューユの下方手前はピック・ド・ブランシャール(1,472m)で、麓の湖畔の村はスイス・フランス国境に位置するサン・ジャンゴルフです。

カジノを通り過ぎた辺りに桜も咲いていました。写真右の湖畔にシヨン城が見えてきています。

桜の花のアップ。思いがけず今年2度目のお花見ができました。

モントルー市街の東部。高台に見える尖塔は聖ヴァンサン教会で、その背後の山上に見える建物はホスピタリティ教育の殿堂として有名なグリオン大学です。

ヴェトー・シヨン駅の脇を通過し、線路沿いの道をシヨン城へ向かいます。

シヨン城は残念ながら塔の一つが修復工事中でした。

レマン湖東端の湖岸を南下してヴィルヌーヴの町を目指します。遊歩道の左手には間近にスイス国鉄の線路が走っています。写真右端のル・グランモンの左にコルネット・ド・ビーズ(2,432m)が見えてきました。そこから左に連なるのもスイス・フランス国境を成す山々です。

ヴィルヌーヴの商店街。湖畔の小洒落たレストランに一人で入るのは気が進まなかったので、商店街の庶民的なレストラン「ロマンティカ」で定食とグラスワインをオーダーしました。定食は「兎肉のマスタードソース、ポレンタと温野菜添え」にサラダが付いて21フランでした。

ヴィルヌーヴの町を湖岸沿いに西へ抜けると、ローヌ川の河口三角州に広がる湿地帯「レ・グランジェット」に入ります。入口近くに木造の水鳥観察塔がありました。

水鳥観察塔から湖越しに遠望するモントルー市街。写真左端がヴヴェ市街とモン・ペルランです。水鳥達は水面に沢山浮かんでいましたが、かなり遠いので観察には双眼鏡が必要です。

「レ・グランジェット」の中は縦横に遊歩道が走っています。舗装道路ではサイクリングを楽しんでいる方が多かったです。今は未だ枯れ木の林ですが、新緑や紅葉の頃は綺麗でしょうね。

…と油断していたら、よく地図を見ていなくて進む方向を間違えました。西へ歩いて行くつもりが、南のノヴィル村へ出てきてしまいました。案内標識の無い分岐点もあって、「レ・グランジェット」内の遊歩道はちょっと不親切です(持ってきた地図を見ない自分がいけないんですが…)。

ノヴィル村から西へ歩いて運河「グラン・カナル」の土手へ。国境の山々が静かな運河に映って綺麗でした。

「グラン・カナル」を西へ渡り、ローヌ川本流の土手へ。乗馬を楽しんでいる女性と擦れ違いました。写真の橋を渡ればブヴレ村です。当初はこの村からバスでエーグル方面へ出ようと思っていましたが、「レ・グランジェット」内で道を間違えたので時間も体力も浪費してしまいました。今日の散策はここまでにして、橋を渡らず引き返すことにします。

草原の中の道を東へ進みます(本当はこの道を向こうから歩いて来たかったんですよね)。正面に並ぶ山々は、道の左側の白い頂がカープ・オ・モワンヌ(1,941m)、その右にダン・ド・ジャマン(1,875m)の尖峰、ル・メルダソン(1,858m)を挟んでロシェ・ド・ネー(2,042m)の高峰、ショード峠の鞍部を経てポワント・ダヴネール(2,026m)、写真右端がマラトレー(1,768m)です。

古ローヌ川の河口に近いヨット・ハーバーを通過。

「グラン・カナル」運河の河口。周辺にはボートを係留したバンガローが並んでいます。

キャンピングカーが並ぶキャンプ場を過ぎ、湖畔の遊歩道を進みます。ヤブイチゲ(アネモーネ・ネモローサ)が一面に咲いていました。

湿地帯なので小さな小川を幾つも渡って進みます。

ヴィルヌーヴ駅前に戻ってきました。ここからトロリーバスに乗ってヴヴェに戻ります。ヴヴェ〜モントルー地区に宿泊すると、この地域の電車やバスが無料(遊覧船や一部の山岳鉄道は半額)になってお得感が高いです。今日は交通費ゼロで済みました。

ヴヴェの市場広場前のレマン湖畔。夕暮れの湖面に白鳥が群れていました。対岸の山は中央奥がル・カトーニュ(2,598m)、左がダン・ド・モルクル(2,969m)、右がダン・デュ・ミディ連峰(3,257m)です。


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