「夫婦で歩くスイスアルプス」

シュタイニゲ・リース自然保護区ハイキング

2016年5月3日。今朝も相変わらずの曇天です。宿泊しているヴァイセンキルヒェン村の船着場からドナウ川の渡し船に乗ります。船は対岸に停泊していましたが、暫く待っていると「仕方がねえなぁ、行ってやるかぁ」って感じでこちら側にやってきました。写真では少し分かりづらいですが、手前の船(のように見えるもの)は浮き桟橋で、紅白の遮断機から奥が渡し船です。自動車も一度に数台乗れます。

渡し船の運転台(2階)。1階の右端の窓が切符売場です。料金は1人1.50ユーロ。我が家以外に乗客は無く、そのまま出航。船は川を横断して張られたワイヤーロープに繋がれていて(いわゆるケーブルフェリー)、そのままの姿勢で横へ進んでいきます。

長い船体の大型クルーズ船「ヴァイキング・ヴィーリ」号が上流へ進んで行きました。

対岸のザンクト・ローレンツに到着。数軒の民家と小さな教会があるだけの小さな集落です。

ザンクト・ローレンツの裏山を少し登ると、「フリーデンスクロイツ(平和の十字架)」が建つ展望所があります。その十字架の前に、ヒトラーを批判したジョン・ハートフィールド作のフォトモンタージュ「ドイツのドングリ・1933年」の大きなパネルが掲げられていました。ちょうど1ヶ月前にマルティン・クレンというウィーンの芸術家が企画したものらしいです。

「フリーデンスクロイツ」の前から眺めるドナウ川と対岸のヴァイセンキルヒェン村。左手前がザンクト・ローレンツの船着場です。

山の中腹に付けられた道を辿って南へ進み、大岩が林立する「ファーネンヴァント」を通過。この道も「ヴァッハウ世界遺産トレイル」の一部なので、木の幹や岩にプリントされた「W」マークが道標になります。

松林越しにドナウ川を見下ろせる場所がありました。この先はドナウ川に背を向け、広葉樹林の新緑が美しい斜面を東へ登ります。

道が再び南へ向かうと間もなくヒルシュヴァントの大岩が現れました。

ヒルシュヴァントの南側に分岐があり、そこから大岩の東側へ廻り込むと、岩の上へ登れる場所がありました。ワイヤーロープと鉄製の足場を頼りにしてよじ登ります。

ヒルシュヴァントの頂上(635m)。左に見えているドナウ川の対岸は、ヴァイセンキルヒェン村の南にあるヨッヒングの集落です。

ヒルシュヴァントの頂上から東側に見下ろすゼーグラーベン(ロスザッツバッハ川流域)の谷。その向こう側の山はペメクセル(508m)です。左奥に見えているドナウ川はクレムス方面。

ヒルシュヴァントの南側で元の道に戻り、南へ進むと間もなくゼーコップフの山頂(671m)に到着しました。木製の展望塔が建っています。ベンチに座り、持参したおにぎりと味噌汁で昼食にしました。

ゼーコップフ山頂の展望塔から西に見下ろすドナウ川。右手前の対岸がヴェーゼンドルフ村、写真左奥がシュピッツ村ですが、視界が悪くて残念です。

ゼーコップフ山頂から南へ下ると、リュールスドルフ湖があります。森の中の静かな池です。

ゼーグラーベン谷の最奥部へ下った場所に建つアーデレ小屋(写真右端)。無人の避難小屋です。ここから南のヘルンプラッツルへ登り返します。

ヘルンプラッツルで「聖ヤコブ巡礼路」コースと合流して更に南下し、ツァイリングマイスヘーエを通過。左手(東側)にゼーライテングラーベンの谷が見下ろせました。

森を抜けたところが十字架の建つクロイツベルク峠(597m)。ここから「ヴァッハウ世界遺産トレイル」は谷底を西へ辿ってドナウ河畔へ向かい、「聖ヤコブ巡礼路」は更に南のマリア・ラングエック村へ向かっていますが、我が家は東のシェンケンブルン村へ下ることにしました。

クロイツベルク峠の下手から牧草地越しに眺めるシェンケンブルン村。

シェンケンブルン村に到着。ところが期待していたレストランは営業しておらず、ポストバスの到着時刻まで未だ2時間近くもあります。ここで待っていても手持ち無沙汰なので、もう少し先へ歩くことにしました。

車道を1時間近く歩いてオーバーベルゲルン村に到着。ここからクレムス行きのポストバスに乗り、シュタインの町で乗り換えてヴァイセンキルヒェン村へ戻りました。


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