「夫婦で歩くスイスアルプス」

ル・シャスロン山&コヴァタナ峡谷ハイキング

2014年5月4日。前日夕刻にミュンヘン経由便でジュネーヴ空港着、そのまま電車で1時間弱移動してヌシャテル湖畔の街イヴェルドン・レ・バンの貸アパートにチェックインしました。前夜は小雨が降っていましたが、今朝は空模様も回復したようなので、早速ハイキングに出掛けます。イヴェルドン・レ・バン駅からサント・クロワ村行きのローカル電車に乗り込みます。隣にワニの絵が描かれた電気機関車が停まっています。確かに鼻が長くてワニのような風貌ですね。

30分余りで終点のサント・クロワ駅に到着。別荘や貸アパートも多い山岳リゾート村ですが、雰囲気はとても静かです。

村を北へ抜け、樹木が点在する草原の斜面を登っていきます。写真は振り返ってサント・クロワ村を見下ろした図です。後方に横たわる山はエギュイーユ・ド・ボルム山脈(1,559m)。

ル・コシェ山の南斜面を東へ巻くようにして緩やかに登り、一軒家レストランが建つレ・ザヴァット(海抜1,458m)を通過。

レ・ザヴァットから北に見えるプチット・ロシュの尾根を目指して登ります。

プチット・ロシュの尾根から登ってきた方向を撮ったもの。エギュイーユ・ド・ボルム山脈の右手前に見えている頂がル・コシェ(1,484m)です。その右(写真右端)に見える家並みはロベルソン村。

プチット・ロシュの北西側は鋭く切れ落ちています。眼下に見える建物はル・ソリエのレストランで、その背後の山はモン・ド・ラ・マヤ(1,465m)。ノワールヴォー谷を隔てて後方に見えているのは、高級時計メーカー「ピアジェ」の創業地として有名なラ・コート・オ・フェー村です。

プチット・ロシュの頂(1,583m)を越え、尾根伝いに東へ下ります(写真は歩いてきた方向を振り返って撮っています)。

昨夜の雨が山上では雪になっていたんでしょう、針葉樹に着雪していて綺麗です。行く手にル・シャスロンの山頂が見えてきました。写真左端で岩壁を見せている山はロシュ・ブランシュ(1,470m)です。

北側の斜面には、未だかなりの残雪がありました。

本日の目的地、ル・シャスロン山頂(1,607m)に到着。残念ながら山頂付近だけ北側から常に雲が湧き上がっていて、眺望は今ひとつでした。冷たい強風も吹き付けるので、早々に退散しました。

ル・シャスロン山頂からプチット・ロシュと歩いてきた道を振り返って。

遠くの山々には雲が多かったですが、辛うじてモン・ブラン山群を遠望できました。写真右がモン・ブラン(4,810m)、中央左寄りにダン・デュ・ジェアン(4,013m)、写真左端がグランド・ジョラス(4,208m)です。

ル・シャスロン山頂の南側に山岳ホテルが建っています。写真左に見えているヌシャテル湖の右端が、我が家が滞在しているイヴェルドン・レ・バンの街です。

山岳ホテルのレストランに入って温かいコーヒーをいただきました。サント・クロワ村長だったルイ・ジャカール・ルノワールという人が1894年に描いたル・シャスロン山頂からのパノラマ図(9フラン)を売っていました。有名なものらしく、先客のハイカーが買い求めていました。

ル・シャスロン山頂から南へ下ります。樹林帯を抜けてレ・ラッス村へ。村の上手に馬が飼われていました。

レ・ラッス村で昼食を摂るつもりでしたが、休業していたりして手頃なレストランが見つからず、そのままコヴァタナ峡谷への下り道に入りました。と、森の脇の草地にシャモワ(ゲムゼ)が1頭。こんな人家の近くで見掛けるとは意外でした。

ラ・ヴィレットの集落の脇を下って行きます。この先の分岐を左折すると間もなくコヴァタナ峡谷の遊歩道です。

コヴァタナ峡谷は所謂シュルフト地形ではなく、やや幅の広い深い渓谷でした。

岩壁から流れ下る滝のような急流もありました。

コヴァタナ峡谷を下り切るとヴュイトブッフ村に出てきます。村に1軒だけレストランがあったので入ってみたら、何と中国系の家族が経営している中華ビュッフェ。丸テーブルに幾つかの貧相な料理が並んでいるだけなのに、何と1人25フランとのこと。余りにも酷いと憤慨し、空腹でしたがビールを飲んだだけで出ました。でも、結構お客さんが入っていたんですよねぇ。不思議…。

ヴュイトブッフ村の南東側の丘の上に建つ教会。

教会の丘から見下ろすヴュイトブッフ村。右後方の谷が下ってきたコヴァタナ峡谷です。

教会の丘から麦畑の中の一本道を進むとヴュイトブッフ駅です。無人駅のベンチに腰掛け、満開の菜の花畑を眺めつつ、持ってきた朝食の残りのパンを齧りながら帰りの電車を待ちました。


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