「夫婦で歩くスイスアルプス」

ザールアッハ谷の峡谷巡り

2019年9月17日。今日は不安定なお天気との予報で、またカミさんの足指にできた水疱が悪化していることもあり、山歩きは見送って谷底を散策することにしました。ツェル・アム・ゼーの郵便局前広場からザルツブルク行きの路線バスに乗り込みます。

45分ほどバスに揺られ、ザールアッハ谷のヴァイスバッハ村を過ぎた先の「フォルダーカーザークラム」停留所で下車しました。バス停から南東方向へ延びる支谷の奥へ遊歩道が続いています。左手に聳えているのはレオガンガー・シュタインベルゲ山塊の北端で、手前がラーナーホルン(2,019m)、その右奥がグローセス・ロートホルン(2,404m)です。

遊歩道の脇にはアスレチック遊具の置かれた広場が点在し、池やバーベキュー場もありました。家族連れが飽きずに歩けるようにとの配慮でしょうか。

遊歩道はシュットアッハ川の河岸を進んでいきます。

バス停から40分ほど歩いてフォルダーカーザー峡谷の入口に到着しました。写真右の建物はカフェです。

林道の南側に聳えるフォルダーカーザーコップフ(1,072m)。3年前の夏に豪雨が降って、この斜面で土砂崩れが起きたみたいです。

峡谷への遊歩道の入口に建つ売店。入場料が必要ですが、我が家は持っている「サマー・カード」で無料になりました。カミさんは帰りにここでフェルト製のスマホカバーをお土産に買いました。


遊歩道は山の斜面を少し登った後、木橋となって峡谷の中へ入っていきます。

カミさんは今回の旅のために買ってきた小さな動画用カメラを取り出そうとしています。

眼下を流れるエーデンバッハ川。ローフェラー・シュタインベルゲ山塊が水源で、峡谷の出口でシュットアッハ川に合流しています。

峡谷の両側から切り立った岩壁が迫ってきます。遊歩道は過去に何回も大雨等で破壊され、その度に再建されてきた旨の説明板が掲げられていました。

峡谷が最も深くなっている場所は半ば洞窟のようで薄暗いです。最奥部に小さな地中の滝がありました。遊歩道は回遊して元の入口へ戻るようになっていました。

歩いてきた道を辿って「フォルダーカーザークラム」バス停まで戻り、そのまま国道に沿った舗装道路をヴァイスバッハ村方面へ進みます。この道には自動車が走らないので快適でした。サイクリングを楽しむ人と時々擦れ違いました。

ランプレヒト洞窟の入口に建つレストランに到着。テラス席に座り、カミさんはラドラーにソーセージ、私はビールに杏ジャム入りパラチンケ(=クレープ)をいただきました。レストランの右背後が洞窟の入口です。

レストランで1人7ユーロの入場料を支払い、ランプレヒト洞窟の中へ。確認されている長さが60qもあり、欧州で最長級の洞窟なんだそうです。

見学できる部分の長さは700mだけですが、洞窟の中は思ったよりも広くて、階段を辿って奥へ緩やかに登っていく感じになっていました。少しだけ鍾乳石も見られました。写真は最奥部から入口方向を撮ったものです。

ランプレヒト洞窟から国道の脇を歩き、行く手に見えるヴァイスバッハ村へ向かいます。写真左上の特徴的な岩山はホッホクランツ(1,953m)です。

ヴァイスバッハ村の北外れにあるザイゼンベルク峡谷の入口。有料ですが、ここも「サマー・カード」で入場無料になりました。

ヒンター谷の奥へ木製の遊歩道が続いています。

眼下を流れているのは、村の名前と同じヴァイスバッハ川です。

両側から垂直の岩壁が迫るシュルフト地形に入ってきました。

まるで地底の渓谷のようです。こちらの方がフォルダーカーザー峡谷より規模が大きいと感じました。

ザイゼンベルク峡谷の上手からヒンター谷の南側(ゾンネンビッヒル)へ渡り、ヴァイスバッハ村を見下ろす場所まで戻ってきました。村の背後の山はラーナーホルンで、写真右奥がローフェラー・シュタインベルゲ山塊のグローセス・オクセンホルン(2,511m)です。

ヴァイスバッハ村から南に望むレオガンガー・シュタインベルゲ山塊のショスヘルナー(2,208m)。

目の前でツェル・アム・ゼー行きのバスが出て行ってしまったので、次のバスが来るまでの1時間を潰そうと、教会の近くで見つけた「アウフォーグル」という雰囲気の良いカフェに入りました。

テラス席に座ると、何とテーブル上に「シュトゥルム(半発酵ワイン)」の立て札が。迷わず注文して秋の味覚を満喫しました。今日ばかりはバスに乗り遅れて良かったと思いました。


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