「夫婦で歩くスイスアルプス」

ヘルンリからパルパナー・ロートホルンへ

2006年6月27日。今朝も快晴です。インナー・アローザからゴンドラリフトに乗り、一昨日に昼食を楽しんだヘルンリ小屋に上がります。今日はここからパルパナー・ロートホルンまで、海抜2,500〜2,800m台の高地ハイキングを楽しむ計画です。先ずは、写真に見えるパルパナー・ヴァイスホルンの北側斜面を歩き、ウルデン峠(写真の案内標識後方の鞍部)を目指します。

パルパナー・ヴァイスホルン北斜面の道は思ったほどガレていなくて、意外に快適に歩を進めることができました。写真はウルデン峠に向かう上り道の途中から振り返って撮ったもの。左の山が一昨日に上ったヴァイスホルンで、その右がプラッテンホルン、ヘルンリシュタインの岩塔を挟んで右の尾根に建つ建物が今日の出発点ヘルンリ小屋です。ヘルンリシュタインの下方に見える湖はウルデンゼー。

ウルデン峠から眺めたパルパナー・ヴァイスホルン(2,824m)。

ウルデン峠に着くと、西側のレンツァーハイデ方面の展望が広がります。眼下の湖はライ湖で、その右に点在する家々はヴァルベッラの村。背後の山は右がピッツ・ダニス(2,497m)、左はチェアリフトが通じるピッツ・シュカロッタス(2,323m)です。その後方はピッツ・ベヴェリン(2,998m)。

峠から谷底に下る道を右に分け、パルパナー・ヴァイスホルンの西斜面に続く道を南へ進みます。峠の西側は強い風が吹きつけ、未だ残雪も多い荒涼とした風景です。

パルパナー・ヴァイスホルンの南に回り込んだ場所がグレディクス峠で、東側に広いカール谷が見渡せます。残雪に埋もれている眼下の湖はグレディクス・エルプリ湖で、そのずっと先に一昨日歩いたエルプリ湖が見えます。写真左に見えるパルパナー・ヴァイスホルン南斜面の道を辿れば、エルプリ湖畔に下ることができます。エルプリ湖の右手の黒い山はエルプリゼーホルンとエルツホルン。

グレディクス峠から南は写真のようなトンネルの平坦な道が続いていて快適です。落石除け兼雪除けというところでしょうか。

トンネルを抜けると上り道が始まります。左手に池が点在するトートエルプリという窪地の脇を登っていきます。池の後方の山はエルプリホルン。

登って来たトートエルプリを振り返って。後方の灰色の山がパルパナー・ヴァイスホルン。見る方向によって随分と印象が異なる山です。

右手には緑の谷の展望が続きます。写真左下の林の辺りがレンツァーハイデの峠で、その林に囲まれた村はパルパン、その奥の村がクールワルデンです。谷を右奥へ下っていった先に州都クールの街があります。

海抜2,861mの頂にあるパルパナー・ロートホルンのレストランに到着しました。我が家も日替わり定食とアプフェルヴァインを注文し、山々を眺めながら至福の昼食です。右の形の良い山はレンツァーホルン(2,906m)、左手前はピッツァ・ナイーラ(2,870m)。ピッツァ・ナイーラの右後方に並ぶ3つの山は、左からピッツ・エラ(3,339m)、コルン・ダ・ティニツォング(独語名ティンツェンホルン、3,172m)、ピッツ・ミチェール(3,159m)。いずれもベルギュンとサヴォーニンの間に聳える山々です。コルン・ダ・ティニツォングとピッツ・ミチェールの間に遠望できるのがピッツ・デール(3,378m)。

レンツァーホルンのアップ。右肩後方に遠望できる山はピッツ・プラッタ(3,392m)。サヴォーニンの遥か南方に聳える山です。

ピッツァ・ナイラの左には、この地方で最高峰のアローザー・ロートホルン(2,980m)が近いです。

更に目を左に移して、こちらがパルパナー・ロートホルンの山頂(2,899m)。レストランからはさほどの距離もなく、大勢のハイカーが山頂に立っていましたが、カミさんに「行ってみる?」と訊いたらあっけなく拒絶されました。見た目ほどの標高差は無いんですけどね…(苦笑)。

仕方が無いので、おとなしくロープウェイで眼下に見えるライ湖畔へ下ることにしました。湖の左手に見えるのがレンツァーハイデの村です。


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