「夫婦で歩くスイスアルプス」

サールヘーエ散策

2007年4月28日。2日間お世話になったバーデンの温泉宿をチェック・アウトし、これから1週間滞在予定のソロトゥルンに移動する日です。午前中の時間を利用して、バーデン市街の西側の山上に建つシュタイン城址からブルックの町近くまでハイキングしようと考えていました。ところが、我が家のスーツケースは2人分の荷物を詰め込んだ特大サイズなので、バーデン駅のコインロッカーに入りません。手荷物の一時預り所に行くと、何と窓口は「10時から」との表示。荷物をホテルに置いてくれば良かったのですが、宿が駅から少し遠いので駅で預けようと思ったのが間違いでした。さて、どうするか。取り敢えずソロトゥルン方面行きの電車に乗って考えます。途中駅のアーラウなら手荷物を預けられるかも、と下車。手荷物預り所は開いていましたが、フライ・レール・バゲージでのトラブルを相談している先客が窓口を占領していて、20分以上待っても順番が回ってきません。業を煮やして窓口を離れると、すぐ近くに我が家のスーツケースも入る大型コインロッカーがありました。やれやれ、これでようやく身軽になりました。でも、時間をロスしたお蔭で、乗ろうと思っていたサールヘーエ峠行きのバスには間に合わず。次のバスまで1時間近くあるので、アーラウ市街を散策することにします。旧市街の商店街には壁画や独特の庇屋根を持った可愛い家々が建ち並び、なかなか良い雰囲気です。

旧市街からバスに乗り、20分ほどでサールヘーエの峠(海抜779m)に到着しました。ここは南のソロトゥルン地方と北のバーゼル地方を隔てる山脈の東端にあたります。峠には北側のゲルターキンデンに向かうポストバスが待っていました。

サールヘーエ峠から東側のベンケルヨッホ方面の眺望。のどかな牧草地帯が広がっています。左奥に見える村はベンケンでしょうか。冬には地元っ子用のスキーゲレンデになるようで、近くに小さな「スキー小屋」がありました。

サールヘーエ峠付近の農家群。宿泊施設やレストランもあるような案内表示がありましたが、この時期は営業しているのかどうか不明です。

本当はサールヘーエ峠から近くのガイスフルー(標高963m)に登りたかったんですが、バスに乗り遅れたため、今からではソロトゥルンでの滞在予定先の大家さんと約束した待合わせ時刻に間に合わなくなってしまいます。仕方なく、峠に上ってくる途中でバスの車窓から見えたハルトのレストランを目指して、車道沿いに下っていくことにしました。写真前方の高圧送電線の下がコールヴァルトの分岐点で、そこから右手へ折れて森の中を下ります。

30分ほどで森が開け、ハルトに到着。一軒家のレストランがあるだけと思っていましたが、実際には何軒もの農家が集まった集落でした。村の周りには草花が咲き乱れて桃源郷の雰囲気。ただ、レストランらしき施設は見当たりません。一軒の農家が庭に椅子とテーブルを並べ始めていましたので、そこが営業時間前のレストランだったのかも知れません。

バスの通過時刻まで未だ暫く間があったので、案内標識に従い別の道を辿ってバス停に出ることにしました。が、道は次第に細くなって山の斜面を登り始め、着いたところは何とハルトの集落を見下ろす高台の上。バス停は遥かに下です。この先、急斜面を下る道が続いているようですが案内板は無く、果たしてバス停に行き着くのか自信が持てません。次のバスに乗らないと大家さんとの待合わせ時刻に間に合わないのです。迷った挙句、来た道を引き返すことにしました。余裕をみた筈なのに、既に普通に歩いたのではバスに間に合わない時間です。駆け足で山道を下り、必死の思いでバスに乗り込みました。ふぅ〜。何とか無事にソロトゥルン駅で大家さん夫婦にも出会え、閉店時刻の早い土曜日でしたが近くのショッピングセンターで食料品の買出しも済ませることができました。


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