「夫婦で歩くスイスアルプス」

グレヴァザルヴァス峠越えハイキング

2013年9月18日。目覚めたら今朝も冷たい雨が降っていてガッカリ。でも気温がそれほど低くないし、雲が高くて山々が見えていたので、雨対策を充分にして山歩きに出掛けることにしました。シルヴァプラーナ村でユリア峠越えのクール行きポストバスに乗り換えます。このバスは午前中1本しかないので、乗り遅れたら万事休すです。時刻表では僅か3分の乗り継ぎ時間しかありませんでしたが、無事乗れました。お天気が悪いので、バスに乗っていたのは我が家の他に日本人の老夫婦が1組だけ。ユリア峠を過ぎた「ラ・ヴェドゥータ」停留所(海抜2,233m)で下車します。バス停の後方に見えている山はチュエルン・ナイール(2,810m)で、その右奥、案内標識の上に頭を覗かせているのがピッツ・ユリア(3,380m)です。

バス停から南へ緩やかに登ります。眼下に見えている建物(山岳ホテル「ラ・ヴェドゥータ」)がバスを降りた場所です。写真中央はアニェル谷で、その奥に見える白い山はピッツ・ダニェル(3,205m)。その右手前はコルン・アルフ(2,980m)、奥に白いピッツ・スルゴンダ(3,196m)を挟んで写真右端がムオット・コッチェン(2,864m)。写真左端はピッツ・バルデッラ(2,839m)です。

雨が小降りになると急に青空が広がり、西のビヴィオ村方面に綺麗な虹が立ちました。写真中央の白い山はピッツ・スルパレ(3,078m)で、その右の陰っている頂がピッツ・シュカロッタ(2,992m)。その右奥がピッツ・プラッタ(3,392m)の筈ですが、生憎頂上は雲に隠されています。

グレヴァザルヴァス湖畔(海抜2,390m)に到着。対岸の山はピッツ・ラグレフ(3,165m)。これから目指すグレヴァザルヴァス峠は写真右端の鞍部です。

グレヴァザルヴァス湖の西側に広がる湿原の中を進んでいきます。正面の山はピッツ・デンマット・ダドーラ(2,851m)、写真左上の頂はピッツ・デンマット・ダダイント(2,927m)です。

更に南へ登っていくと、次第に緑が少なくなって荒涼とした風景になってきます。岩陰に避難小屋のような建物がありました。

凍りついた沢を横目に眺めつつ、登り詰めていきます。

グレヴァザルヴァス峠(海抜2,688m)に到着。歩いてきた北側(写真右側)のユリア川流域はライン川に合流して北海へ至り、これから下る南側(写真左側)のイン川流域はドナウ川に合流して黒海に注ぎます。欧州の大分水嶺上に立っているという訳ですね。案内標識の後方の頂はピッツ・デンマット・ダダイントで、その左奥がピッツ・マテルデル(2,967m)です。

ガレた斜面を下ったところにワタスゲの咲く小さな池がありました。写真後方右寄りの鞍部が越えてきたグレヴァザルヴァス峠です。

峠では雨がパラついてましたが、下るにつれて再び晴れ渡ってきました。眼下に広がるのはシルス湖で、対岸の草地の奥にイゾーラ村が見えています。右の尖峰はピッツ・ダ・ラ・マルニャ(3,159m)で、写真右端がイタリア国境の山モンテ・デル・フォルノ(3,214m)。写真中央はフェクス谷奥の山々です。

フェクス谷奥方面のアップ。右がイタリア国境の山ピッツ・トレモッジャ(3,441m)、中央がトレモッジャ氷河、左がイル・チャピューチン(3,386m)です。

道が各方面へ分岐する「プラウン・グラント」付近。シルス湖の左(東端)にシルス村と、その奥にシルヴァプラーナ湖が見えてきました。背後の山は写真右端がイル・チャピューチン、中央がピッツ・コルヴァッチ(3,451m)、左がムント・アルラス(3,127m)を経てピッツ・スールレイ(3,188m)です。

まっすぐシルス湖畔へ下ることもできましたが、天気が回復してきたこともあり、西のルンギン湖畔へ立ち寄ってみることにします。ムリン川の上流に沿って美しい谷の奥へ進みます。

谷の奥を登ってムオッタ・ラドンダという小山の西の肩に出ると、ここにも小さな池がありました。池の後方に見えている山はピッツ・マテルデルです。

再び南側の眺望が広がります。写真左手前がマローヤ村で、そこから奥へフォルノ谷が延びています。写真中央はピッツ・バクン(3,244m)で、その右にアルビーニャ・ダムが見えています。

フォルノ谷のアップ。谷奥の円錐形がモンテ・デル・フォルノ(手前に重なっているのはピッツィ・デイ・ロッシ(3,027m))で、写真左上の山がピッツ・フェドーツ(3,190m)、両者の間の鞍部がムレット峠です(峠の向こう側はイタリア)。モンテ・デル・フォルノの右もイタリア国境の山々で、チーマ・ディ・ヴァッゼーダ(左、3,301m)とチーマ・ディ・ロッソ(右、3,366m)。ピッツィ・デイ・ロッシの手前にカヴロック湖が見えています。

アルビーニャ・ダム方面のアップ。ダムの奥がピッツィ・デル・フェッロ連峰(写真左端が東峰3,199m)とその右にシオーラ・ダデント(3,275m)、写真中央がピッツ・カッチャベッラ(2,980m)とその後方に双耳峰のピッツィ・ジェメッリ(3,262m)、その右に大きく見えているピッツ・チェンガロ(3,369m)を経て写真右がピッツ・バディーレ(3,308m)。ピッツ・バディーレの左肩の尖峰はプンタ・セルトーリ(3,195m)、右奥がプンタ・サン・タンナ(別名プンタ・バディレット、3,171m)、写真右端がプンタ・トゥルビナスカ(2,998m)です。

斜面をトラバースして進み、正面の鞍部を登り切ればルンギン湖です。写真左上の頂はピッツ・ルンギン(2,780m)。

進む左手にアルビーニャ氷河の全容が眺められました(氷河の下方にあるアルビーニャ・ダム湖は手前のピッツ・ルンギンに隠されています)。ピッツィ・デル・フェッロ連峰の東峰(写真中央)の左に見えてきたのはピッツォ・ディ・ツォッカ(3,174m)です。

ルンギン湖畔(海抜2,484m)に到着。写真中央のイル・チャピューチンと左のピッツ・コルヴァッチとの間にピッツ・ロゼック(3,937m)等、ベルニナ山群が覗いています。

ルンギン湖の北側には岩壁が迫り、その奥にピッツ・グレヴァザルヴァス(2,932m)が聳えています。

ルンギン湖の西側の鞍部がルンギン峠(写真左、2,645m)。ここを越えるとセプティマー峠に至り、そこから北のチャヴレッチャ谷を下ればビヴィオ村、西のフォルチェリーナ峠を越えればアーフェルス谷のユーフ村、南へ下ればブレガリア谷のカザッチャ村まで道が続いていますが、何れも相当なロングコースです。

ルンギン湖から南へ流れ始めるイン川に沿って下ります。そうです、ルンギン湖はイン川の源流なんです。小川のようなイン川の谷はとても美しかったです。

イン川が滝のようになっている急斜面をジグザグに下り、「プラーン・ディ・ツォック」と表示のある分岐点(海抜1,945m)まで来ました。ここから東へ進めば、シルス湖の北側の高台を縦走する「ヴィーア・エンジャディーナ(エンガディンの道)」です。我が家は眼下のマローヤ村へ下ります。正面のピッツ・ダ・ラ・マルニャが美しい姿を見せています。

マローヤ村の北外れにあたるピラ地区(海抜1,835m)。写真左上の頂がピッツ・ルンギンです。その右肩から下ってきたことになります。

マローヤ村の郵便局前バス停の向かいにある売店。ここでバスの切符を買い、帰りのバスを待ちました。


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