「夫婦で歩くスイスアルプス」

モルテラッチ氷河周辺ハイキング

2013年9月20日。初めて快晴の朝となりましたので、前日に遠望したモルテラッチ氷河に接近するコースを歩くことにします。ポントレジーナでサン・モリッツ発のティラーノ行き電車に乗り換え、モルテラッチ駅で下車します。車内のボタンを押して請求しないと通過してしまう無人駅ですが、晴天の朝とあって大勢のハイカーが降り立ちました。

線路を南側へ渡ると、モルテラッチ川に沿って幅広い遊歩道が南へ続いています。既に谷の奥にベッラヴィスタ連峰(3,922m)の白い頂が見えます。

間もなく分岐があります。モルテラッチ氷河の末端へ向かうのは左の広い道。ボヴァール小屋を目指す我が家は、自然木のユーモラスな案内標識に従って右の小道に入ります。

明るい樹林帯に入って30分弱登ると、「アウスジヒトプンクト(=ビューポイント)」と書かれた案内標識があり、チュネッタの小山へ続く道が右手へ分岐しています。一登りすると、石造りのベンチが置かれた展望台が現れます。

チュネッタの展望所から眺めるモルテラッチ氷河とベルニナ山群。写真左端がベッラヴィスタ連峰、モルテラッチ氷河の奥がピッツ・アルジェント(左、3,945m)とクラシュ・タギュッツァ(右、3,854m)、写真中央が最高峰のピッツ・ベルニナ(4,049m)、その右の丸い頂がピッツ・モルテラッチ(3,751m)、写真右端がピッツ・ボヴァール(3,353m)です。

ピッツ・ベルニナ(左)とピッツ・モルテラッチ(右)のズームアップ。両者に挟まれた中央の頂はピッツ・プリエヴルス(3,610m)です。

元の分岐へ戻り、改めて谷奥へ。次第に樹林帯を抜けて眺望が開けてきます。ベッラヴィスタ連峰の左にピッツ・パリュー連峰(3,900m)も見えてきました。ピッツ・パリューとベッラヴィスタの手前に見える山頂氷河を抱いた山はフォルテッツァ(3,482m)です。

モルテラッチ氷河末端のズームアップ。

モレーンの尾根を進む箇所もあります。モルテラッチ氷河の末端が近づいてきました。

モレーンの背から岩の多い斜面を登ります。この辺りが一番キツいところ。登り切った場所から歩いてきた方向を撮った写真です。写真右端手前に見えているのがモルテラッチ氷河の末端。谷の左側のモレーンに沿って登ってきました。谷の出口の向こうに聳えているのはピッツ・アルブリス(3,166m)で、その左の尖峰はピッツ・ラングワルト(3,262m)、更にその左にピッツ・ムラーユ(3,157m)。

モルテラッチ氷河末端の向こう側にはムント・ペルス(3,207m)が聳えています。

モルテラッチ氷河の上を渡っている登山者が見えました。

左手にモルテラッチ氷河を間近に見下ろしつつ進みます。目指すボヴァール小屋は、行く手の斜面を右へ回り込んだ先です。

ボヴァール小屋(海抜2,495m)に到着。広いテラス席で寛いでいる人が沢山いました。

ボヴァール小屋のテラス席から間近に眺めるモルテラッチ氷河とベルニナ山群。

ボヴァール小屋から見上げるピッツ・ベルニナ(左)、ピッツ・プリエヴルス(中央)、ピッツ・モルテラッチ(右)の峰々。

ピッツ・ベルニナのズームアップ。右の稜線がビアンコグラートです。

ベッラヴィスタ連峰とモルテラッチ氷河上流部分のズームアップ。写真右上の奥に見えている頂がピッツ・アルジェントで、その左、ベッラヴィスタ連峰の右奥に覗いている峰がピッツ・ツポー(3,996m)です。

ベッラヴィスタ連峰(写真右上)の左にフォルテッツァを挟んでピッツ・パリュー連峰。写真中央はイスラ・ペルサという岩山で、その左をペルス氷河が手前のモルテラッチ氷河に向かって流れ込んでいます。

ペルス氷河のズームアップ。写真右上の山はピッツ・カンブレナ(3,606m)で、その左はピッツ・ダルラス(3,375m)。左端の岩山はピッツ・トロヴァット(3,146m)です。

我が家はおにぎりを持参してきましたので、小屋から少し離れた岩の上に座って昼食にしました。ムント・ペルスの右山麓にディアヴォレッツァ展望台の建物が小さく見えています。

帰路は歩いてきた道を辿って戻ります。

チュネッタ展望所の手前まで戻ると、折り返すように谷底へ下る道が分岐しています。モルテラッチ川の右に見えている直線状の道がモルテラッチ駅から氷河末端へ向かう遊歩道です。

「1940年の氷河末端」と標識のある手前で谷底の遊歩道に合流し、谷奥へ進みます。写真は1970年に氷河の末端があった場所。この辺りから先は道端の樹木が少なくなり、モルテラッチ氷河とベルニナ山群を一望できます。

「2010年の氷河末端」の標識。1900年当時に比べ2,185mも氷河が後退している、と書かれています。その後の3年間で更に相当後退してしまっているように見えます。

遊歩道の終点に置かれているベンチ。モルテラッチ駅からここまでの遊歩道だけは多くの観光客で賑わっていて、日本のツアー客も見掛けました。

モルテラッチ川の浅瀬を選んで渡り、モルテラッチ氷河の末端に手を触れてみました。でも上部が手前にせり出してきているような形状なので、崩れてくるのが怖くて長居はできません。

谷底の遊歩道を辿ってモルテラッチ駅に戻りました。駅に隣接してホテルが建っており、帰りの電車を1本見送って、テラス席で白ビールを飲みました。メニューを見るとジビエ料理も出しているようでしたが、我が家は既に今夜のおかずをアパートに買ってあるので、残念ながら味わえませんでした。帰りはプント・ムラーユ駅で電車を降り、バスに乗り換えてサメーダン村へ帰りました。


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