「夫婦で歩くスイスアルプス」

グレックシュタイン小屋 ハイキング

2009年7月28日。山には雲が掛かっていますが、天気は今日も悪くなさそうです。グローセ・シャイデック峠〜フィルスト間のハイキングに出掛けるという義妹一家をアパートに残し、彼等より1本早い村営バスに乗ってオーベラー・グレッチャー停留所で下車します。そこから案内標識に従ってグレックシュタイン小屋を目指しましたが、道は草原の途中で通行止めになっていました。迂回路を辿ると村営バスの通る車道に出たりして、ちょっと損した気分になりました。

本来の登山道に戻って間もなく大きな雪渓が現れました。写真奥から手前側へ踏み跡を辿って無事に渡り終えましたが、かなり傾斜があって少し怖かったです。雪渓の下方は流された土砂でかなり荒れていて、登山道が閉鎖されていたのはそのためのようでした。

ヴェッターホルンの支峰クリンネンホルンの急峻な斜面をトラバースしながら登っていきます。正面はメッテンベルク(3,104m)の北壁で、その右奥に頭の白いアイガー(3,970m)。写真右端はグリンデルワルト村の家並みです。

西に張り出した岩壁の尾根を回り込むと、狭い谷を流れ下る上グリンデルワルト氷河が間近に見えてきます。

道は一旦やや下り気味となって一息つけますが、水量の多い滝の裏を潜る場所があります。急いで通っても少し濡れてしまいます。

右手には氷河の谷を挟んでメッテンベルクの東壁が迫ります。幾筋もの小さな滝が流れ落ちています。

上グリンデルワルト氷河末端の大岩の上に建てられたオーベラー・グレッチャーのレストランを眼下に見下ろせます。

迫力あるクレバスの重なりを見せる上グリンデルワルト氷河の流れ。

再び登り道となり、草花を愛でつつ草原の中を谷奥へ詰めていくと、正面に上グリンデルワルト氷河の上部が見えてきます。

左手の岩山の上に目指すグレックシュタイン小屋が見えますが、道は左回りに迂回しながら高度を稼いでいきますので、なかなか小屋に近づけません。

エーデルワイスの花に励まされつつ登り、ようやくグレックシュタイン小屋(海抜2,317m)が近づいてきました。

グレックシュタイン小屋の西側には広い庭があり、多くのハイカーが放し飼いの鶏と一緒に休んでいました。小屋の中のカウンターの黒板に「自家製ミントシロップ」と書かれていたのでそれを買ってテラス席で飲みましたが、すっきりした味わいで良かったです。

グレックシュタイン小屋から眺める上グリンデルワルト氷河。写真右上の黒い峰はクライン・シュレックホルン(3,494m)で、その左にネシホルン(3,741m)を挟んでシュレックホルン本峰(4,078m)、更にその左奥にラウターアールホルン(4,042m)が覗いています。

クライン・シュレックホルンの右には、(左から順に)クヴェクタ(3,164m)、アンケンベリ(3,161m)、メッテンベルクの峰が並んでいます。

北西方向にはグリンデルワルトの村とリュッチェン谷を見下ろせます。写真左上の山がメンリッヒェン(2,343m)、右上はヴィンターエック(2,573m)の峰です。

来た道を辿って下山します。写真はクリンネンホルンの尾根を回り込む付近から見下ろしたグリンデルワルト村。中央手前に見えるホテル・ヴェッターホルンの駐車場が今日歩き始めた地点です。写真左端の森の中に見える建物はミルヒバッハのレストラン。

帰りは雪渓の先から下らずに山腹の砂利道を直進して車道に出ました。ここにバス停があるんですが、日陰が無くて暑いため、一つ下のウンテラー・ラウフビュールのバス停まで歩いてそこで帰りのバスを待ちました。


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