「夫婦で歩くスイスアルプス」

ザイレ山(ノックシュピッツェ)ハイキング

2015年9月12日。インスブルック滞在の最終日は快晴の朝になりました。旧市街のホテルに荷物を預け、市場を覗いた後、近くの「フィナンツアムト(財務省前)」停留所からポストバスに乗ってアクサムス村へ。村外れの停留所で別のバスに乗り換え、アクサマー・リツムにやってきました(アクサムス村から乗ったバスは「インスブルック・カード」が効かず、1人3.50ユーロの正規運賃を取られました)。大型ホテル「オリンピア」の裏手にあるチェアリフト乗場へ向かいます。

アクサマー・リツムは1964年と1976年に冬季オリンピック大会のスキー競技会場となった場所です。このチェアリフトは「インスブルック・カード」が有効でした。リフトに沿って歩いて登って行くハイカー達もいました。

チェアリフトを降りた場所に建つビルギッツケップフル小屋(地図では海抜2,037mですが、小屋の壁には「2,099m」と書かれています)。朝早いので立ち寄りませんでしたが、眺望抜群のテラス席が良い感じです。

ビルギッツケップフル小屋の前から西側の眺め。写真右端が乗ってきたチェアリフトで、谷底がアクサマー・リツム。谷の向こう側で頂に建物を載せている山がホアドル(2,340m)で、アクサマー・リツムから冬のみ運行されているケーブルカーの軌道が見えます。その右の頂はプライゼン(2,236m)。写真右端奥はゼルライン谷の北側に位置する山々で、左から順にパイダー・シュピッツェ(2,808m)、ロスコーゲル(2,646m)、リーツァー・グリースコーゲル(2,884m)、ホッホエーダー(2,796m)です。

ビルギッツケップフル小屋の前から南側に望むカルクケーゲル山塊。写真左上がアンプファーシュタイン(2,556m)で、その右にマルヒライゼンシュピッツェ(2,620m)、中央奥がマルグルーベンシュピッツェ(2,571m)、その右隣がホッホテンシュピッツェ(2,549m)とその右手前にヴィッダースベルク(2,327m)。マルグルーベンシュピッツェの下方はシュナイダーシュピッツェ(2,156m)です。

ビルギッツケップフル小屋から南へ続く道を歩き始めます。写真は暫く歩いたところで振り返って北側を撮ったものです。小屋の右背後に覗いている山がエアルシュピッツェ(2,405m)で、その右にグローサー・ゾールシュタイン(2,541m)、写真右端がクライナー・ゾールシュタイン(2,637m)。小屋の左背後はフライウングシュピッツェン(2,332m)、その左にライター・シュピッツェ(2,374m)、ラウエンコップフ(2,011m)と続き、写真左奥はミーミンガー山群。谷底に見えている家並みはオーバーペルフス村と、その右に半分隠れているのがツィアルの町です。

雪崩防止柵が並ぶザイレ山の西斜面を南へ進みます。写真右端奥に分岐があり、そこで左折して本格的な登り道に入ります。

ザイレ山への登山道から眺めるカルクケーゲル山塊。「チロルのドロミーティ」とも呼ばれるらしいですが、確かにドロミテ的な雰囲気を感じる険しい岩峰群です。

やがて幅広い稜線上に出て、眺望を楽しみながら最後の登りにかかります(写真は歩いてきた方向を撮っています)。アンプファーシュタインの左にハービヒト(3,277m)が見えてきました。ホッホテンシュピッツェの右に遠く見えている山頂氷河を纏った山はリューゼナー・フェルナーコーゲル(3,289m)です。

登る右手(南側)に見下ろすシュトゥーバイ谷。手前の谷底がフルプメス村で、その背後に大きく聳えている山がゼルレス(2,717m)。そこから右へ、レンパーマートシュピッツェ(2,595m)、ケッセルシュピッツェ(2,728m)、ヴァーゼンヴァント(2,563m)、ハンマーシュピッツェ(2,634m)、キルヒダッハシュピッツェ(2,840m)、イルムシュピッツェ(2,692m)と続き、手前にエルファーシュピッツェ(2,505m)を挟んでハービヒトです。キルヒダッハシュピッツェとイルムシュピッツェの間にイタリア国境の山プフレルシャー・トリブラウン(3,097m)が覗いています。

ザイレ山(別名ノックシュピッツェ)の山頂(2,404m)に到着。広々とした草原の頂で気分が良かったです。北側にはノルトケッテ山脈が一望。

逆光で霞んでいますが、南東方向にはトゥクサー・アルペンの山々が遠望できました。写真右端がゼルレス山です。

ザイレ山頂から北へ下り、写真左に見える北東峰へ向かいます。右に見えている支峰はシュピッツマンドル(2,206m)です。

ザイレ山の北東峰(2,379m)。北側が切れ落ちているので、ノルトケッテ山脈方面の眺望は山頂よりも迫力を感じました。

北東峰から眺めるザイレ山頂。やはり北側の山腹は鋭い岩壁になって切れ落ちています。

北東峰から北西方向の眺望。写真左手前が出発点のアクサマー・リツムで、そこから谷を右へ下った先がアクサムス村です。霞んでハッキリしませんが、写真右奥(ミーミンガー山群の右側)がツークシュピッツェをはじめとするドイツ国境のヴェッターシュタイン山脈です。

北東側に見下ろすインスブルック市街とノルトケッテ山脈。インスブルック市街の右手前に見えているのがムッタース村、その右奥はイグルス村です。

北東峰から急坂を下り、シュピッツマンドルとの分岐にやってきました。案内標識によればシュピッツマンドルの頂まで20分とのことでしたが、かなりアップダウンがありそうでパスしました。

分岐を過ぎるとガレた急斜面の下りが待っていました。ワイヤーロープを頼って慎重に下ります。

南東方向に遠望するトゥクサー・アルペンのズームアップ。中央が最高峰のオルペラー(3,476m)、その右肩がフースシュタイン(3,380m)、更に右にシュランマッハー(3,410m)、ザーグヴァントシュピッツェ(3,227m)、ホーエ・ヴァント(伊語名クローダ・アルタ、3,289m)と続いています。オルペラーの左はグローサー・カーゼラー(3,263m)、ゲフローレネ・ヴァント・シュピッツェン(3,288m)、少し離れてホーアー・リフラー(3,231m)と続き、写真左端がレアルシュピッツェ(3,039m)です。

進む右手に眺めるシュピッツマンドル。こちらも北側は鋭く切れ落ちています。

下ってきた道を振り返って。ザレた急坂は短く、すぐに歩きやすい道になりました。

北へ張り出した尾根の突端、プフリーメスヴァント。こちらは楽に行けそうなので立ち寄ってみました。

プフリーメスヴァント(2,103m)。ここにも十字架が建っています。

プフリーメスヴァントから見下ろすインスブルック市街。写真中央手前の山腹に見えるのが本日のゴール地点、ムッテラー・アルムです。左の池の手前にはゲッツェンス村から上ってくるスキー用ゴンドラリフト(冬のみ運行)の山上駅も見えています。

プフリーメスヴァントから眺めるザイレ山。北側は荒々しい山容です。

ザイレ山の北斜面を西へトラバースする道へ入ります。写真中央に見える支峰はツヴェルファーシュピッツェ(2,088m)で、そちらへ向かう上手の道を直進すると出発地点のビルギッツケップフル小屋へ戻ります。我が家は下手の道をすぐ右へ折れ、折り返すように北へ下ります。

プフリーメスヴァントのザレた西斜面をトラバースしていきます。

プフリーメスコップフの小山を下っているところ。背後の岩山がプフリーメスヴァントです。北側はこんな岩壁で切れ落ちていたんですね。

ムッテラー・アルム(海抜1,608m)に到着。好天なので家族連れで賑わっていて、レストランもほぼ満席でしたが、何とかテラスに空席を見つけてビールをいただきました。「マウンテン・カート」というゴーカートのようなものに乗ってここから山を下って行くアトラクションが人気のようでした。

ゴンドラリフトに乗り込んで下山します。このゴンドラも「インスブルック・カード」が有効です。右寄り正面に見えている山が前日に登ったパッチャーコーフェル(2,246m)です。

ゴンドラリフトの山麓駅から少し下り、ムッタース村の上手にあるノックホーフヴェーク駅からトラム「シュトゥーバイタールバーン」に乗り込んでインスブルック旧市街へ戻りました。ホテルに預けた荷物を引き取り、中央駅前からバスに乗って今日から滞在するフルプメス村へ向かいました。


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