「夫婦で歩くスイスアルプス」

グルンゲッツァーからパッチャーコーフェルへ

2015年9月11日。旧市街の宿泊ホテルに近い「マリア・テレジア通り」停留所から「J」路線の市バスに乗り、インスブルック市街の南外れにある州立スポーツセンター前で下車したところです。ここでハル行き(「4134」路線)のポストバスに乗り換えます。市バスもポストバスも「インスブルック・カード」を見せれば無料です。今朝も雲が多いものの、北側にはノルトケッテ山脈がよく見えています。写真左端がブラントヨッホシュピッツェン(2,599m)で、ザッテルシュピッツェン(2,369m)とケマッハー(2,480m)を経て中央が前日に上ったハーフェレカールシュピッツェ(2,334m)、右端がルーマー・シュピッツェ(2,454m)です。

トゥルフェス村の「グルンゲッツァーバーン山麓駅」バス停で下車します。写真は山麓駅の駐車場から眺めたトゥルフェス村です。背後のノルトケッテ山脈は写真右端がルーマー・シュピッツェ、そこから左へ順にマンドルシュピッツェ(2,366m)、グライルシュシュピッツェ(2,317m)、ハーフェレカールシュピッツェ、ケマッハー、ザッテルシュピッツェン、ブラントヨッホシュピッツェン、ヘッヒェンベルク(キルヒベルクケップフル、1,943m)です。

「グルンゲッツァーバーン」山麓駅のチェアリフト乗場。「インスブルック・カード」提示で無料になりますが、改札機はそのまま通れず、切符売場でバーコード付きの切符を貰う必要がありました。

中間駅のハルスマルター(海抜1,560m)。樹林帯を切り拓いた感じのアルプで、上手(写真左奥)にレストランもあるようです。少し下った場所から別のチェアリフトに乗り換えます。

乗り換えたチェアリフトは久し振りの1人乗りでした。乗り込むと間もなく樹林帯を抜け、右手にインスブルック市街やノルトケッテ山脈の眺望が楽しめました。行く手(写真左上)にこれから目指すグルンゲッツァーの山頂が見えてきています。

トゥルファインアルム山上駅(海抜2,060m)に到着。係員もおらず無人でした。写真後方に見えているのはインスブルック市街とノルトケッテ山脈です。

スキー用のゲレンデと思しき広い道を南へ歩き始めます。写真中央に見える頂が、目指すグルンゲッツァーの山頂です。

間もなく広い道に合流し、蛇行しながら東側の尾根に向かって緩やかに登っていきます。写真左下に見えている建物が、トゥルファインアルム山上駅の直下に建つ山小屋のようです。インスブルック市街の背後に連なる山々は、稜線に掛かっている雲の左端がブラントヨッホシュピッツェン、雲の右端辺りがハーフェレカールシュピッツェ、ルーマー・シュピッツェの右奥で日陰になっている頂がプラックスマーラーカールシュピッツェ(2,642m)、その右に白っぽく見えているのがグローセ・ゼーカールシュピッツェ(2,677m)、更にその右にグローサー・ラファッチャー(2,696m)です。

山頂付近にうっすら残雪が残るグルンゲッツァー山。写真では分かりづらいですが、左奥の山頂に十字架が立っているのがハッキリ見えました。下方手前の蛇行した広い道が登ってきたルートです。道端に羊の群れがいました。

荷上げ用のリフトがあるトゥルファイン・イェッヒル(海抜2,278m)を通過。ここまでは車が上って来られるので、ここでリフトに積み替えて山頂直下に建つグルンゲッツァー小屋へ運び上げているようです。

左手にフォルダー谷を見下ろしつつ、岩の多い尾根を登ります。谷の向こう側に連なる山々は、写真右上がマルグリューブラー(2,749m)、「電線注意」の警告板の後方がハーネブルガー(2,596m)、その左の日陰になっている頂がロスコップフ(2,382m)、更に左にヴァッテンシュピッツェ(2,321m)を挟んでカミさんの後方がラルゴッツ(別名グロッツェン、2,214m)とその背後にケラーヨッホ(2,344m)です。

フォルダー谷の最奥部が見えてきました。写真左端の峰がズンティガー(2,667m)、その右がゼーカールシュピッツェ(2,646m)、ひとつ置いて写真中央奥がナーフィザー・ゾンネンシュピッツェ(2,619m)。写真右上で大きく聳えているのはローゼンヨッホ(2,796m)です。

登ってきた道を見下ろした図。写真中央の小山は支峰のシャルテンコーゲル(2,311m)で、その手前の鞍部が通過してきたトゥルファイン・イェッヒルです。シャルテンコーゲルの後方に見えている峰がホッホニッスル(2,546m)で、その左にラムゼンシュピッツェ(2,508m)、ホッホグリュック(2,573m)、アイスカールシュピッツェ(2,610m)、ホーエ・フュルレック(2,571m)と続き、写真左端がグローサー・ベッテルヴルフ(2,726m)。ホッホニッスルの右にはミッタークシュピッツェ(2,332m)を経てローファン山塊(ホッホイス、2,299m)が見えています。その手前の谷底(イン川の下流)の町はシュヴァーツ。写真右端はラルゴッツとその背後にケラーヨッホです。

グルンゲッツァー小屋へ向かう道を右に分けた後、最後の一登りでグルンゲッツァー山頂(2,677m)に到着。写真は西側の眺望で、手前の山々は右がゾンネンシュピッツェ(2,639m)、中央がフィッカールシュピッツェ(2,306m)、左がパッチャーコーフェル(2,246m)。案内標識の背後がインスブルック市街で、左に空港の滑走路が見えています。

グルンゲッツァー山頂から南側の眺望。ガムスラーナーシュピッツェ(2,681m)に向かってガレた尾根が続いていて、その後方にローゼンヨッホ、右隣にクロイツシュピッツェ(2,746m)の峰が見えています。写真中央奥がトゥクサー・アルペン方面ですが、残念ながら雲が多いです。

トゥクサー・アルペン方面。写真中央の尖った峰がリツーマー・ゾンネンシュピッツェ(2,831m)、その左背後がレアルシュピッツェ(3,039m)、左で黒く見えている山がカルクヴァント(2,826m)、右寄りの雲の中に見える尖峰がリツーマー・レックナー(2,886m)です。写真右上がオルペラー方面ですが、残念ながら雲に隠れています。

グルンゲッツァー山頂の北側には大きな十字架が建っています。

十字架の足許から北に見下ろすハルの町。

グルンゲッツァー山頂から北側のガレた斜面を下り、支峰ゾンネンシュピッツェとの鞍部に建つグルンゲッツァー小屋へ下ります。

グルンゲッツァー小屋(海抜2,610m)。ここで昼食にします。メニューを見るとヒマラヤのシェルパ料理を得意にしているようで、ネパール人らしきスタッフもいたので、「豆のネパール風スープ」と「カトマンドゥ風スパゲッティ」を頼みました。スパイスが効いていて美味しかったですが、ちょっと食べ過ぎでした…(笑)。

グルンゲッツァー小屋からゾンネンシュピッツェの南斜面を西へトラバースする道を進み、パッチャーコーフェル山(写真左)を目指します。先ずは写真中央に見えているフィッカールシュピッツェに向かって歩いて行きます。

道の左手(南側)はフィッカール谷へ落ち込んでいて、その向こうに遠くシュトゥーバイアー・アルペンの山々が並んでいます。写真左端の山はモルゲンコーゲル(2,607m)です。

シュトゥーバイアー・アルペン方面のズームアップ。写真左端がゼルレス(2,717m)、その右後方に見えるズルツェナウ氷河の右がアーペラー・プファッフ(3,353m)、更に右へシャウフェルシュピッツェ(山頂が雲の中、3,332m)、シュトゥーバイアー・ヴィルトシュピッツェ(3,341m)、エストリッヒャー・ダウンコーゲル(3,330m)、ノックヴァント(3,091m)と続き、写真中央で雲に隠されているのがルーダーホーフシュピッツェ(3,474m)。雲の右側はシュランコーゲル(3,497m)、シュランデレ(3,393m)、ヒンテラー・ヴィルダー・トゥルム(ベルグラス氷河の奥、3,294m)、ヴィルデス・ヒンターベルグル(3,288m)、ヒンテラー・ブルンネンコーゲル(3,325m)、フォルデラー・ブルンネンコーゲル(3,304m)と並んでいます。ヒンテラー・ブルンネンコーゲルの手前はカルクケーゲル山塊のホーアー・ブルクシュタル(2,611m)です。

フィッカールシュピッツェ(写真左端奥)の手前まで来ると、右手に石庭のような窪地が現れます。写真右の小山はノイナーシュピッツェ(2,285m)です。

フィッカールシュピッツェの南斜面を西へトラバースすると稜線上に出て、ややガレた尾根を下っていきます。写真はトゥルファインアルムから北斜面を歩いてくる人気のハイキングコース「ツィルベンヴェーク」との合流地点付近から北に眺めるインスブルック市街とノルトケッテ山脈。この先は「霜降り松の小道」の名のとおり、良い香りのする針葉樹林帯の尾根を快適に歩いて行きます。途中でベリーやキノコを摘んでいる女性2人組に出遭いました。摘んだコケモモやブルーベリーの実を少し分けてくれました。

ボッシュエーベン小屋(海抜2,030m)を通過。写真は小屋の背後からフィッカール谷を眺めた図です。写真左端がフィッカールシュピッツェで、そこから稜線を右奥へ辿った先にゾンネンシュピッツェとその右奥に登頂したグルンゲッツァー、写真中央がガムスラーナーシュピッツェ、右寄りの雪化粧した峰がクロイツシュピッツェ、右端がモルゲンコーゲルです。

カミさんは前日の急坂下りで膝を少し痛めたらしく、大事をとって「ツィルベンヴェーク」コースでロープウェイ駅へ向かうことになりました。ボッシュエーベン小屋前の分岐でカミさんと別れ、1人でパッチャーコーフェルの山頂を目指します。

巨大な電波塔が建つパッチャーコーフェル山頂に到着。

パッチャーコーフェル山頂から南東側に遠望するツィラーターラー・アルペン(イタリア国境方面)の山々。写真左の山塊は左から順にシュランマッハー(3,410m)、ザーグヴァントシュピッツェ(3,227m)、ホーエ・ヴァント(伊語名クローダ・アルタ、3,289m)で、右はクラクセントラーガー(伊語名モンテ・ジェルラ、2,999m)です。ホーエ・ヴァントの下方はシャーフザイテンシュピッツェ(2,602m)、クラクセントラーガーの右下はベントルシュタイン(2,436m)。いずれもナーフィス谷の南側に位置する山です。

南に延びるヴィップ谷。写真中央付近がマトライ村で、その左奥がシュタイナッハ村、写真左端がイタリア国境のブレンナー峠です。写真右端手前の山はゼルレス山塊のパイルシュピッツェ(2,392m)、その左がブラーザー(2,241m)で、その左背後がレーテンシュピッツェ(2,481m)、そこから左にライトナー・ベルク(2,309m)、エッカー・ベルク(2,280m)、ネスラッハヨッホ(2,231m)と続き、更にその左奥にイタリア国境の山ザッテルベルク(2,115m)。頂に雲が掛かっている写真左端の山はイタリア領のアムトールシュピッツェ(2,748m)です。ブラーザーの右後方もイタリア国境を成すトリブラウン山塊のシュヴァルツェ・ヴァント(2,917m)。

南西側に眺めるシュトゥーバイアー・アルペン。左手前の尖峰ゼルレスの右奥に見えている高峰がハービヒト(3,277m)、更にその右奥にヴィルダー・フライガー(3,418m)、その右にヴィルダー・プファッフ(3,458m)、ツッカーヒュットル(3,507m)、アーペラー・プファッフと並んでいます。

ズルツェナウ氷河方面のズームアップ。雲に半分隠れている左の峰がヴィルダー・プファッフ、その右の円錐形がツッカーヒュットル、その右隣がプファッフェンシュナイデ(3,498m)、氷河の右がアーペラー・プファッフです。

パッチャーコーフェル山頂から西側に眺めるカルクケーゲル山塊。左から順にホーアー・ブルクシュタル、シュリッカー・ゼーシュピッツェ(2,804m)、リーペンヴァント(2,774m)、グローセ・オクセンヴァント(2,700m)、シュタイングルーベンコーゲル(2,633m)、マルヒライゼンシュピッツェ(2,620m)、ザイレ(別名ノックシュピッツェ、2,404m)。高速道路が通っている左手前の村はシェーンベルクで、その左奥がミーダース村、更に奥にフルプメス村、その右がテルフェス村です。

北西側に眺めるイン川の上流方面。写真中央の家並みがムッタース村で、その右がナッタース村、奥がゲッツェンス村、その右の谷底がフェルス村です。写真右端のインスブルック空港の背後の山はヘッヒェンベルク。写真中央奥はミーミング山群で、右端がホーエ・ムンデ(2,662m)、ホッホヴァント(2,719m)を挟んで中央の峰がホッホプラッティッヒ(2,768m)。写真左はロスコーゲル(2,646m)で、その右背後にリーツァー・グリースコーゲル(2,884m)の頂が覗いています。

パッチャーコーフェルのロープウェイ山上駅近くに建つ山小屋レストラン。カミさんはここのテラスでラドラーを飲みながら待っていたようです。山頂からの下山道が大きく南側の山腹へ迂回していて意外に時間が掛かり、カミさんを心配させてしまいました。

ロープウェイでイグルス村へ下ってきました。写真のポストバスに乗ってインスブルック市街へ戻りました。このロープウェイもポストバスも「インスブルック・カード」の適用範囲。今日の交通費もすべて「インスブルック・カード」で賄えました。


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