「夫婦で歩くスイスアルプス」

ケマーター・アルムからのソリ滑り

2011年1月7日。前日は朝から黒い雲が広がっていましたので、ハイキングは諦めて路線バスでヴァッテンスにあるスワロフスキーの「クリスタル・ワールド」へ行き、帰りにハル・イン・ティロールの旧市街に立ち寄りました。今朝も雲が多いですが、滞在しているグリンツェンス村からゼンダース谷を遡った先にあるケマーター・アルムを目指して歩くことにしました。「ソリ滑りが楽しいから是非」とアパートのオーナーが勧めてくれていたからです。前日の午後から陽が出て急に暖かくなったので雪が相当融けてしまい、「早く行かないとソリを楽しめなくなってしまうかも」という思いもありました。アパートのオーナーが無料で貸してくれたソリを引き摺りながら、ゼンダースバッハ川沿いの坂道を上ります。

谷の奥にはカルクケーゲル山塊が見えています。写真中央がリーペンヴァント(2,774m)、その左がグローセ・オクセンヴァント(2,700m)、左上端はクライネ・オクセンヴァント(2,553m)です。

道の途中には何箇所か聖画の飾られた休憩小屋が建っていました。

我が家を追い越していく小父さん御一行。ソリを紐で腰に繋ぎ、両手にストックを持っているので楽に登っていける感じです。さすが地元の方々はよく考えてますね。手でソリを引き摺っている我が家は羨ましく見送りました。

登るにつれて森の木々がまばらになり、視界が広がってきます。行く手にはオクセンヴァントの左にひときわ高くシュタイングルーベンコーゲル(2,633m)が見えてきました。

振り返るとゼーフェルト方面の山々が並んでいます。中央左寄りの端正な三角がライター・シュピッツェ(2,374m)で、その右はフライウングシュピッツェン(2,332m)とクールヨッホシュピッツェ(2,297m)を経て右端がエアルシュピッツェ(2,405m)。ライター・シュピッツェの左肩はラウエンコップフ(2,011m)で、その左奥はドイツ国境を成すヴェッターシュタインヴァント(2,485m)です。

カルクケーゲル山塊の懐にケマーター・アルムの建物(海抜1,673m)が見えてきました。2つの谷が合流して開けた場所に建っています。

山小屋レストランに入り、自家製ソーセージとザウアークラウトにビールを頼んで昼食を楽しみました。背後の山は小屋の左上がシュリッカー・ツィンネン(2,578m)、小屋の右上がシュタイングルーベンコーゲルです。

反対側(西側)の山はカルクケーゲル山塊とは対照的になだらかな稜線を見せています。左上がブライトシュヴェムコーゲル(2,264m)、右の頂はグリースコーゲル(2,158m)です。

お腹が満たされたところで、いよいよお楽しみのソリ滑り。2時間余りかかって登ってきた坂道を僅か15分ほどで下ってしまいますが、アパートのオーナーが勧めるだけあって爽快そのものでした。

グリンツェンス村の上手の道はすっかり雪が消えてしまっていました。ソリを担いでアパートに戻ります。正面の山はゾールシュタイン山群(左の丸い頂がグローサー・ゾールシュタイン(2,541m)、中央がクライナー・ゾールシュタイン(2,637m)、右がホーエ・ヴァルテ(2,596m))です。

未だ日暮れまで時間があるので、グリンツェンス村からの路線バスをゲッツェンス村で途中下車し、再び散策に出掛けました。写真はゲッツェンス村の教会です。

ノイ・ゲッツェンスの集落を抜けた後、クロスカントリースキー場の手前で左折して、写真のティーフェン谷の道を進みました。行く手に見えている山は前々日に上ったパッチャーコーフェル(2,246m)です。

パッチャーコーフェル山を正面に仰ぎつつ、ナッタース村に入っていきます。村の下手にある駅から可愛い電車に乗ってインスブルックに下り、市場で新鮮な鱒とトマトとイチゴを買い入れました。


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