「夫婦で歩くスイスアルプス」

ヴュルツブルンネン教会からクーデルヒュージの丘へ

2015年5月2日。今朝も未だ雨が降っていてどうしようかと思いましたが、朝食を摂っているうちに青空が覗いてきました。ラングナウ村のホテルをチェックアウトしてフロントで荷物を預かってもらい、電車で再びシグナウ駅へ。前々日と同じバスに乗り込み、今度は終点のレーテンバッハ村まで乗車しました。写真の教会前の交差点を左折した先から遊歩道に入ります。

北へ向かう車道の上手に細い道が続いています。雨上がりで草に水滴がいっぱい付いているので、ズボンが濡れてしまいます。足にスパッツを付けたカミさんが正解。写真後方に見えているのがバスを降りたレーテンバッハ村です。

やがて草原が広がる丘の上に出てきます。歩いてきた方向(南側)を振り返ると、シグリスヴィールグラート連峰が見えていました。写真左端の頂がブルスト(1,968m)、白い尾根を右へ辿った先がミッタークホルン(2,014m)、その右隣がシグリスヴィーラー・ロートホルン(2,051m)です。写真右奥に白く霞んでいる高峰群はブリュムリスアルプ連峰方面。写真右の家並みはトラクセルバッハの集落で、出発地点のレーテンバッハ村は左の丘の裏側に隠れています。

タンポポが一面に咲く草原の奥にヴュルツブルンネン教会が見えてきました。写真左奥の丘がこの後で向かうクーデルヒュージです。

ヴュルツブルンネン教会。決して大きな建物ではありませんが、約1,000年の歴史があるそうです。

ヴュルツブルンネン教会の内部。ここは19世紀の地元聖職者イェレミアス・ゴットヘルフの著作を題材にしたフランツ・シュニーダー監督の映画が撮影された場所で、スイスでは結婚式会場として有名みたいです。長椅子の端に可憐な野の花が飾られているところを見ると、この週末も結婚式の予定が入っているのかも知れません。

墓標が並ぶヴュルツブルンネン教会の庭。塀の外には杏の花が満開です。後方にシグリスヴィールグラート連峰とブリュムリスアルプ連峰が見えます。

ブリュムリスアルプ連峰方面のズームアップ。雲が掛かってスッキリしませんが、左端のブリュムリスアルプホルン(3,661m)から右へ順にドルデンホルン(3,638m)、バルムホルン(3,698m)、アルテルス(3,629m)、リンダーホルン(3,448m)と並び、更にフィルスト(2,548m)、ミットレレ・ローナー(3,002m)、フォルデレ・ローナー(3,049m)を経て右に大きく見えているのがニーゼン(2,362m)、写真右端がフロンベルクホーレ(2,394m)です。

ヴュルツブルンネン教会の北側に広いテラス席を持つレストラン「カーフィ・シェップフリ」があります。週末は挙式後のカップルを囲んだパーティーで賑わうことでしょう。

更に北へ進みます。樹林帯に入って小さな谷を越えると、ローの集落で再び車道に出合います。車道を進むと間もなくパラディースリの集落(写真中央)に入り、ここで左折して草原の斜面を登ります。パラディースリ集落の後方はレーテンバッハ川の谷で、その背後にシュラッテンフルー連峰(左、2,093m)とホーガント連峰(右、2,197m)が見えています。

草原には菜の花に似たカルダミネ・プラーテンシス(?)が沢山咲いていました。

丘は北側が針葉樹林帯になっていて、その脇を尾根伝いに西へ進むと、クーデルヒュージのレストラン前(海抜1,103m)に出てきます。5〜10月の日曜には、レーテンバッハ村行きバスのうち2便だけがヴュルツブルンネン経由でここまで延伸して運行されています。

レストランの裏からゴウヒェレヴァルトという森の中の遊歩道を西へ数分進むと、クーデルヒュージの丘の頂(1,132m)に建つ木造の大きな展望塔が現れます。入口に「2001年3月に焼失し、翌年に再建された」との写真付き説明板が掲げられていました。無料で上ることができます。

195段の階段を上って最上部の屋根付き展望所へ。地上からの高さ37mで、2010年まではスイスで最も高い木造塔だったようです。周囲の針葉樹より一段高いため、360度の眺望を楽しめます。見える山々の案内板が四方に付いていて、晴れていればベルナー・アルプスを一望できるようですが、残念ながら再び雲が広がってきてしまいました。

クーデルヒュージ展望塔から南西方向の眺め。雲の合間に辛うじてシュトックホルン(2,190m)の尖った頂が見えました。その手前の丘はシャーフエック(1,196m)で、麓にリンデン村が見えています。写真右の樹林帯の丘はミューリザイレヴァルト(1,180m)です。

ゴウヒェレヴァルトの森を北へ抜け、マイエンリートの牧畜農家を通過。この先、樹林帯の下り道となります。

森を抜けると見えてくるのがボーヴィール村。タンポポの花に囲まれた村を抜けた先に鉄道の無人駅があります。ここから電車に乗り込んでラングナウ村へ戻り、ホテルに預けた荷物を引き取って、ベルン経由の電車でヌシャテルの街へ移動しました。


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