「夫婦で歩くスイスアルプス」

アルーズ渓谷ハイキング

2015年5月3日。ヌシャテル滞在初日は予報どおりの雨天です。晴れていれば、週末と祝日だけ運行されているポストバスに乗ってシャスラル山頂へ行きたかったんですが…。諦めて渓谷沿いのハイキングに変更しました。滞在中のアパートから比較的近いヌシャテル・セリエール駅でトラヴェール谷方面行きの普通電車に乗り、ノワレーグ駅で下車したところです。

ノワレーグ村を東へ抜け、たった今電車で通ってきた線路に沿ってヌシャテル方面へ歩くと、間もなくアルーズ川が寄り添ってきます。このところ雨の日が多いので、物凄い水量になっています。本来ならこの辺りで特別観光列車「レ・トラン・ノスタルジ(=ノスタルジック・トレイン)」の通過を見られる筈が、当局認可に関するトラブルから運行中止になったとかで、残念ながら出会えませんでした。

小さな水力発電所の脇を通過。舗装道路はここまでです。

間もなく現れるブロ滝。激流の脇まで階段で下りられます。

ブロ滝の激流は少し下流に架かる橋の辺りまで続いています。

アルーズ川は両岸から岩壁が迫る深い峡谷になっていきます。下流に架かる石橋を見下ろせる場所がありました。

岩壁沿いの狭い遊歩道を辿り、石橋の袂へ下ってきました。

ブロの石橋の上から上流方向の峡谷を眺めた図です。

急に川幅が広がり、レ・モワヤの水力発電所前を通過します。ここから再び舗装道路になります(写真は歩いてきた上流方向を振り返って撮っています)。

アルーズ川の流れも緩やかになり、川岸の木々の緑が美しいです。

やがて川岸に草原が開け、その奥に一軒家「ブロ・ドスー」が建っています。1764年にジャン・ジャック・ルソーが滞在した場所で、仏・独・英3ヶ国語の説明板が掲げられてありました。この辺りから先がシャン・デュ・ムーラン村です。

「ルソーの家」の近くに観光案内所の建物があり、2階が「こうもり博物館」になっていました。無料でしたので覗かせていただきました。

橋で右岸へ渡ったところにホテル・レストラン「ラ・トリュイット」があります。雨脚も強まってきたため、ここで昼食を摂ることにします。

その名のとおり、鱒料理が売り物のレストランでした。鱒の燻製のサラダで白ワインをいただきます。我が家が食べているうちに予約の団体客が複数入ってきて、今日は雨でテラス席が使えないこともあり、満席の盛況でした。

昼食を摂っている間に雨も弱くなったので、シャン・デュ・ムーラン村から更に下流へ歩くことにします。橋で左岸へ渡ると、アルーズ川が再び急流になってきます。

ラ・ヴェリエール橋。これを渡って再び右岸へ。

案内標識に従って少し脇道を進むと、ラ・ヴェリエール滝のすぐ上に出られます。写真では迫力が伝わりませんが、足許を大量の水が流れ落ちていて怖いくらいです。

面白い囲い付きの橋を渡ります。「エキスポ02橋」と呼ばれているようで、2002年にヌシャテル周辺で開催された博覧会の際に架けられたんでしょうか。

コンブ・ガロの水力発電所の対岸を通過。

ヴェール橋を過ぎると、再び川岸に岩壁が迫り、アルーズ川の流れが激しくなります。

クレー橋付近。足許から垂直に切れ落ちた深い峡谷になっています。

クレー橋付近から見下ろすアルーズ渓谷。

岩を刳り抜いたトンネルを通って進みます。

ル・シャネの水力発電所を過ぎると、急に平地に出てきました。ブドリ村の郊外です。菜の花畑を横切り、丘の上に見える城郭へ立ち寄ることにします。雨が上がり、薄日が差してきました。

ブドリ城。説明板によれば、13世紀末の創建とか。ブドリはワイン造りが盛んな村で、城郭の内部は「葡萄酒博物館」になっています。城の入口に僅かばかりの葡萄畑がありました。

館内にはワイン造りの道具等が展示されています。地下に広いワインセラーがあり、地元産ワインの試飲をさせてくれたので、白とロゼを1本ずつ買いました。

ブドリ村の旧市街。人影も少なく、とても静かな村でした。

ブドリ村のターミナル。ここからヌシャテル行きのトラムが出ています。このトラムはヌシャテル湖岸を走るので、我が家が滞在しているアパートの近くで下車でき便利でした。


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