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村の教会の裏手から小道を登ると、十字架の立つ岩山の尾根に出て視界が開けますが、城郭の近くへ行くには一旦急坂を下りなければなりません。円筒形の「バイヤール塔」の中には階段が付けられていて、頂上に上ることができます。サヴォワ領主の命で1260年に建造されたといいますから、随分古い建物ですね。
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「バイヤール塔」の上から東側の眺望。手前にサイヨン村の教会と、登ってきた小道が見えます。葡萄畑の先に遠望できるのはレトロンの村。
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北側に見渡す斜面も一面の葡萄畑です。その中央に旗が立って人の集まっている箇所があります。そこが「ファリネの葡萄畑」らしいと見当がつきました。
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城郭の岩山を北へ下り、葡萄畑の斜面を上ると、「ファリネの葡萄畑」はすぐに見つかりました。面積0.5坪、僅か3株だけの「世界最小の葡萄畑」で、1980年にファリネの没後100周年を記念して作られたようです。現在ではダライ・ラマ所有の「平和の葡萄畑」とされていて、収穫された葡萄は他の葡萄とブレンドされて毎年1,000本のワインが作られ、その販売収益が慈善事業に寄付されているそうです。根元には世界各地から持ち寄られた石が置かれ、後方にはここで奉仕活動を行った有名人の名が沢山立て掛けられています。地元テレビのニュース番組で昨日収穫が行われたと放送していましたが、収穫されたのは1株だけのようで、未だ2株には実が付いていました。
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「ファリネの葡萄畑」に通じる道の両側にも、ここを訪ねた人々の名前等を記したプレートがいっぱいです。サッカーのジネディン・ジダン選手の名もありました。奥に見えるステンドグラス製の円いオブジェはサイヨン村下手のファリネ広場からここに至る遊歩道に沿って全21箇所に立てられているもので、ひとつずつ異なる人生のテーマが表現されているそうです。
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「ファリネの葡萄畑」近くからサイヨン城址を見下ろして。その後方、ローヌ川の対岸に広がる家並みはサクソンの村です。
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葡萄畑の斜面を最上部まで登り、その先の森の中の道を東へ緩やかに上って行くと、深い峡谷に掛けられた「ファリネの歩道橋」が現れます。2001年に完成した長さ97m、谷底からの高さ136mの吊橋で、橋の上からの眺望は抜群です。
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「ファリネの歩道橋」から見下ろすラ・サランツ川の峡谷。この川でファリネの遺体が発見されたんだそうです。この写真じゃ、迫力が全くお伝えできませんね〜。この吊橋はマルティニー〜シオン間の電車からもよく見えます。北側の車窓を注意してご覧になると、この吊橋の高さに気付いていただけると思います。
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「ファリネの歩道橋」から東へ進み、モンタニョン村へ通じる道からの眺望。手前はプロデュイの集落で、その下方にレトロンの村が広がっています。シャモゾン村は写真左端の岩山の向こう側に隠れています。ローヌ谷の奥にはシオン飛行場の滑走路が見えています。
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葡萄畑の中の道をレトロン村の上手まで下ってきました。村の教会を訪ねた後、その近くのカフェでファンダン(白ワイン)を飲みながら休憩しました。
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レトロン村から葡萄畑の中を更に東へ歩き、シャモゾン村にやってきました。開いているカーヴもありましたが、「シェ・マダム」という名のカフェが賑わっていたので、こちらに入ってみました。地元産の様々な種類のワインをグラス単位で飲めると黒板にありましたので、未だ飲んだことの無いプチット・アルヴィーヌ種の白ワインをオーダー。ヴィオニエに似た香り高い濃厚な味わいで、なかなか良かったです。この品種はイタリアのアオスタ谷州でも栽培されているようですね。
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シャモゾン村から葡萄畑の中を南へ下っていくと、サン・ピエール・ド・クラージュという集落に至ります。村の中心に11〜12世紀建立の古いロマネスク教会があります。綺麗に修復されていますが、剥げ残ったフレスコ画や石積みの壁が歴史を感じさせます。この周辺だけ観光地っぽく商店が並んでいました。集落の南側にスイス国鉄のシャモゾン駅があり、我が家はここから電車で帰りました。
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