「夫婦で歩くスイスアルプス」

シュレガイス人造湖からの山小屋巡りハイキング

2017年8月15日。マイヤーホーフェン駅前始発のバスに乗ってツェム谷の最奥部にあるシュレガイス人造湖(海抜1,782m)へやって来ました。この路線もダムに至る最終区間だけは「ツィラータール・アクティブカード」を持っていても1人往復3.20ユーロの通行料を取られました。ダムの上からシュレガイス人造湖の対岸に眺める山はクライナー・ホッホシュテラー(2,860m)とその左奥にホッホシュテラー(3,097m)の尖峰。その更に左にシュレガイス氷河が見えます。


ダムから北側の山腹を少し登った場所に建つドミニクス小屋を眺めます。小屋の下から右手へ続いている道をこれから登っていきます。

小さな川を2本渡って樹林帯の中を登っていくと、すぐに樹木が低くなってシュレガイス人造湖を見下ろせます。クライナー・ホッホシュテラーとホッホシュテラーの間にケルバーラーナーシュピッツェ(2,928m)がハッキリ見えるようになってきました。ホッホシュテラーの左奥に見えてきた高峰はイタリア領に属するホッホフェルナー(3,470m)で、その左にひとつ置いてイタリアとの国境線上に位置するツィラーターラー・アルペン最高峰ホッホファイラー(伊語名グラン・ピラストロ、3,509m)、写真左端がホーアー・ヴァイスツィント(伊語名プンタ・ビアンカ、3,371m)です。

やがてフリーゼンベルクアルムの草原に出てきました。小綺麗な牧畜小屋(海抜2,036m)が建っていて、そこでこの景色を眺めながらぼーっとしていたら最高だろうなぁと思いました。

フリーゼンベルクアルムからは北西側にゲフローレネ・ヴァント・シュピッツェンの山頂(3,288m)が意外な近さで眺められました。一昨日に上った展望台の建物や、そこに出入りするゴンドラリフトもハッキリ見えます。今日のような快晴の日に上りたかったですねぇ…。

尾根を東へ廻り込み、ラーペンカールという広い圏谷に出てきました。正面(北側)の白っぽい山がホーアー・リフラー(3,231m)で、写真では分かりづらいですが、その左の麓に目指すフリーゼンベルク小屋が見えます。ホーアー・リフラーの右隣の岩山はペータースケップフル(2,679m)。

圏谷の中央を流れ下るラーペンカールバッハ川の左岸へ渡り、更に奥へ登ります。写真はラーペンカールバッハ川の最上流部分。写真左上のゲフローレネ・ヴァント・シュピッツェンから滝のような急流で流れ落ちています。

ラーペンカールの最奥部まで登ってきました。写真は歩いてきた圏谷を見下ろして撮ったもので、左の斜面に見えているのが登ってきた道です。正面の黒い山はクライナー・グライナー(2,959m)で、その左背後がグローサー・グライナー(3,201m)、その更に左奥にイタリア国境のトゥルナーカンプ(3,420m)が見えてきています。

フリーゼンベルク小屋(海抜2,498m)に到着。石造りの立派な建物です。写真左上の山がホーアー・リフラー。

テラス席は既に賑わっていましたが、幸い空席を見つけて座り、アッリオ・オーリオのスパゲッティとパスタ入りスープをいただきました。ニンニクの効いたスパゲッティに辛味オイルをたっぷり掛けると美味しくて元気が出ました。

フリーゼンベルク小屋から眺めるシュレガイス人造湖。背後の山々は写真左端がブライトノック(3,212m)で、その右がホーアー・ヴァイスツィント、写真中央やや奥が最高峰のホッホファイラー、その右で最も高く見えているのがホッホフェルナー、その右にヒンテレ・ヴァイスシュピッツェ(3,395m)を経て写真右端奥がフォルデレ・ヴァイスシュピッツェ(3,269m)。ホッホフェルナーとヒンテレ・ヴァイスシュピッツェの間の手前がホッホシュテラー、その右にケルバーラーナーシュピッツェを挟み、フォルデレ・ヴァイスシュピッツェの手前がクライナー・ホッホシュテラーです。

お腹が満たされたところで、フリーゼンベルク小屋の西側に見えるフリーゼンベルク湖の畔へ下ります。湖畔には牛や羊が放牧されていました。写真左上の峰がゲフローレネ・ヴァント・シュピッツェンです。

フリーゼンベルク湖から西側の急斜面を登ります。ゲフローレネ・ヴァント・シュピッツェンの展望台がすぐ近くに見え、そこまで簡単に登って行けそうな錯覚に襲われました。

トラバース道との合流地点まで登り切ったところです。写真左上の峰がホーアー・リフラー、中央手前がフリーゼンベルク湖、写真右端にフリーゼンベルク小屋とその背後にペータースケップフル。ペータースケップフルの左に見える黒っぽい峰はクライナー・リフラー(2,837m)です。

平坦なトラバース道をシュレガイス人造湖に向かって快適に南進します。写真左端に見えている谷底の道が、フリーゼンベルク小屋に向けて登ってきたラーペンカールです。

グローサー・グライナー(写真右端)の左にツェムグルント谷奥の高峰群がよく見えます(写真中央)。左のギザギザの山脈はオクスナー山塊です。

ツェムグルント谷方面のズームアップ。写真左端がグローサー・メルヒナー(3,285m)、その右がべったりと氷河を纏ったシュヴァルツェンシュタイン(3,369m)、写真中央が第3ホルンシュピッツェ(別名ベルリーナー・シュピッツェ、3,254m)、その右に第4ホルンシュピッツェ(3,198m)と第5ホルンシュピッツェ(3,148m)を経て写真右端がトゥルナーカンプ。グローサー・メルヒナー以外はすべてイタリアとの国境線上に位置する峰々です。

オクスナー山塊方面のズームアップ。写真右端のグローサー・メルヒナーの左隣がオクスナー(3,107m)で、山塊中央の峰がグローサー・イーゲント(2,917m)、その左隣がクライナー・イーゲント(2,840m)。オクスナーの左にイタリア国境に位置するグローサー・レフラー(伊語名モンテ・ロヴェッロ、3,379m)が覗いています。写真中央奥はシュティルップ谷の奥に位置するヒンテレ・シュタンゲンシュピッツェ(3,225m)で、そこから左へフォルデレ・シュタンゲンシュピッツェ(3,127m)、ロスヴァントシュピッツェ(3,157m)、マーデレックルシュピッツェ(3,050m)、グルントシャルトナー(3,065m)、ムグラー(写真左端、2,958m)と続いています。

シュレガイス人造湖の全容を美しく見下ろせる場所までやってきました。シュレガイス氷河から流れ下るシュレガイスバッハ川がシュレガイスグルント谷の奥で湖に注いでいます。グローサー・グライナー(写真左上端)の右奥にグローサー・メーゼラー(3,480m)が顔を出してきています。

この辺りにも放牧されている牛が沢山いました。写真左上に見えてきた峰は、右の頂が山塊最高峰のオルペラー(3,476m)で、左の頂はフースシュタン(3,380m)です。

小さな吊り橋を渡る場所がありました。それほど高さはありませんが、上手からズームアップして撮るとシュレガイス人造湖を渡っているようにも見えるので、人気の撮影スポットです。

オルペラー小屋(海抜2,389m)に到着。歴史ある山小屋ですが2007年に建て替えられていて、未だ真新しさを感じる内装でした。今日は聖母被昇天祭の祝日でもあり、テラス席は超満員の大盛況。やむなく屋内で白ビール(カミさんはラドラー)をいただきました。

オルペラー小屋の前からの眺望。シュレガイス人造湖の左奥がグローサー・メーゼラーで、右のホッホシュテラー山の背後がホッホファイラー。写真右奥のフォルデレ・ヴァイスシュピッツェの右に見える山は、これもイタリアとの国境線を成すロートバッハルシュピッツェ(伊語名クローダ・ロッサ、2,897m)です。

グローサー・メーゼラーのズームアップ。

リーペンカールをジグザグに下ってシュレガイス人造湖畔へ下ります。湖畔からオルペラー小屋まで往復するハイカーが多いようで、賑やかな下山道でした。

下ってきたリーペンカールの谷を見上げて撮った写真。滝のように流れ下るリーペンバッハ川の上方に見えている建物がオルペラー小屋で、写真左上の峰がゲフローレネ・ヴァント・シュピッツェンです。

樹林帯に入る直前。湖畔まであと少しです。

下山道はシュレガイス人造湖の西岸に出てきます。入江の向こうに見えている建物はツァムザーエック小屋です。ここから湖岸の舗装道路をダムの方向へ歩き、レストランの近くにある停留所から帰りのバスに乗り込みました。バスは満員で、道路も渋滞して時間がかかりました。


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