「夫婦で歩くスイスアルプス」

アニヴィエ谷西側尾根ハイキング

2007年9月16日。クラン・モンタナからケーブルカーでシエールの街に下り、駅前からポストバスに乗ってアニヴィエ谷へ。ヴィソワでバスを乗り換えて「花の村」グリメンツにやってきました。ゴンドラリフトの運行時刻まで少し時間があったので、村の入口でバスを降り、上手の道をゆっくり散策しながらリフト乗場に向かいました。

9時15分発のゴンドラリフトに乗り、バンドラのアルプに上ってきました。写真右端がリフト駅で、隣にレストランもあります。同時に降り立った大勢のハイカーは、ロナ峠やモワリー・ダムを目指して南へ向かうグループと、西斜面を登っていくグループに分かれます。我が家は後者です。

広いカール谷の奥に向かって草原を緩やかに登ります。この先で道が左右に分かれ、左(ベック・ド・ボソン方面)へ向かうハイカーが多かったですが、我が家は右へ。目指すは写真右奥に見えるピーク、ロック・ドルジヴァルです。その手前に見えているスキーリフト乗場の脇を通って登っていきます。

ラボンダンスの池まで登ってきました。背後にはヴァイスホルン(4,506m、写真左)、ツィナールロートホルン(4,221m、中央)、ダン・ブランシュ(4,357m、右)等の山々が徐々に全容を現してきます。残念ながら逆光で霞んでいますが…。

ラボンダンス池の上手にある湿地の広場から左へ登るべきところ、間違えて右へ歩いてきてしまいました。岩にペイントがあるので、サブ・ルートではあるようです。正面の急斜面の上に案内標識が立っているのが見え、それに向かって登ることにします。

急斜面の上には広い道がありました。写真右上がロック・ドルジヴァルの山頂で、左上のピークに白く見えているのは石造りの展望台(山頂から見える山々の案内板があります)。

ロック・ドルジヴァル直下の尾根、ツァン峠から南側の眺め。右の山がロック・ド・ラ・ツァ(2,911m)、左奥の双耳峰はベック・ド・ボソン(3,149m)です。

ツァン峠の北側にある尾根上の広場から東へ突き出た痩せ尾根を渡ると、ケルンの立つロック・ドルジヴァル山頂(2,853m)です。360度の景色を楽しみながら、シエールで買ってきたサンドイッチで昼食にしました。

ロック・ドルジヴァル山頂から南東方向の眺望。中央のヴァイスホルンの左に白いビスホルン(4,163m)、手前のレ・ディアブロン(3,609m)を挟んで左にブルネックホルン(3,833m)と双耳峰のバルホルン(3,610m)。ヴァイスホルンの右はシャーリホルン(3,975m)を経てツィナールロートホルン、その右肩にベッソ(3,668m)、トリフトホルン(3,728m)とヴェレンクッペ(3,903m)を挟んで写真右端がオーバー・ガーベルホルン(4,063m)。ツィナールロートホルンの手前の山はコルヌ・ド・ソルボワ(2,896m)で、その右奥がソルボワ峠です。

南側にはモワリー・ダム湖の奥にダン・ブランシュの大きな三角。手前にグラン・コルニエ(3,962m)が重なって見えていて、そこからモワリー氷河が流れ下っています。グラン・コルニエの左にマッターホルン(4,478m)の頭。ダン・ブランシュの右肩にポワント・ド・ムルティ(3,564m)、手前のポワント・ド・モワリー(3,303m)を挟んでその右がダン・デラン(4,171m)です。

南西側にはベック・ド・ボソンの左にサスネール(3,254m)。その左に霞んでいるのはダン・ド・ペロック(右・3,676m)とポワント・デ・ジュヌヴォワ(左・3,674m)の連山、左端はブクタン(3,838m)です。ベック・ド・ボソンの右奥にポワント・ド・ツァヴォリール(3,026m)、その右は遠くグラン・コンバン方面の山々が覗いています。写真の左下から斜面を登って崖の上を右へ歩いてくるのが本来の登山道。我が家は写真下端の崖の下を進み、写真右下の斜面を登ってきました。

ツァン峠北側の尾根広場に戻り、ここから尾根伝いに北へ歩いていきます。初めはかなりの下り道。次に目指すのは、写真右上で日陰になっているラ・ブランタの岩山(2,660m)です。左側のなだらかなピークはセ・ド・ラ・ブランタ(2,693m)。尾根の向こうにローヌ谷底の街並みが見えています。

セ・ド・ラ・ブランタまでの尾根には切り立った岩山が林立していて、その脇の細い道を辿っていきます。

尾根の左手(西側)はレシー谷上部のラル・デュ・ツァンと呼ばれる湿地平原。背後の山は中央がモン・ゴティエ(2,696m)、右がモン・ノーブル(2,654m)です。

セ・ド・ラ・ブランタの頂から、歩いてきた尾根を振り返って。左上がロック・ドルジヴァルで、右の鞍部がツァン峠です。

セ・ド・ラ・ブランタから先は快適な草地の尾根道になります。尾根が少し東へ曲がっている部分なので、正面にアニヴィエ谷の東側斜面を眺めつつ進みます。中央の最高峰がベラ・トーラ(3,025m)、写真左の三角はイルホルン(2,716m)で、その背後にはベルナー・アルプスが遠望できます。イルホルン下方の斜面に見える村がシャンドラン、尾根道の右下にはサン・リュックの村が覗いています。

ラ・ブランタの近くまで歩いてきました。この岩山の直下に短いですが鎖場があり、ここでカミさんが岩に足を引っ掛けて転倒、肘を擦り剥いてしまいました。

半べそのカミさんを麓に残し、一人でラ・ブランタの頂上によじ登りました。狭い頂ですが、木製の立派な十字架が立っています。

ラ・ブランタ頂上から南東側の眺望。左ヴァイスホルン、中央ツィナールロートホルン、右オーバー・ガーベルホルンです。

ラ・ブランタの麓から北に見える丘が本日のゴール地点クレ・デュ・ミディです。あとは尾根を一気に下っていくだけ。クレ・デュ・ミディの右の谷底に見える街がシエール、正面の山腹に広がる家々は我が家が滞在しているクラン・モンタナです。左上の氷河を抱いた山はヴィルトホルン(3,248m)、右上で山頂氷河を覗かせているのがヴィルトシュトルーベル(3,243m)方面です。

ヴィルトホルンと、パラグライダーを楽しむ人々。

クレ・デュ・ミディの手前まで下ってきました。丘の上のレストランでビール、といきたいところでしたが、既にオフ・シーズンなので(ここから下るゴンドラリフトも週末しか動いていません)あいにく閉まっていました。

仕方ないのでトイレだけお借りしてゴンドラリフトに乗り込み、眼下の高台に広がる村ヴェルコランに下りました。ヴェルコラン村のバス停近くに小さなテラス・レストランがあり、ここで待望のビールを楽しんでから、バスでシエールに下りました。


トップページへ   前日へ   翌日へ