「夫婦で歩くスイスアルプス」

ナンダ谷奥 ハイキング

2007年9月14日。オート・ナンダ村からバスで谷奥のシヴィエへ。ここはかつてシュペル・ナンダと言われていたスキー・リゾートで、3方向へチェアリフトが延びていますが、今日はシーズン・オフの平日なのでどれも運休。ひっそりした乗場を後に、モン・フォール方面行きのチェアリフトと並行して、牧草地の中を谷奥に向かって南へ歩き始めます。行く手には早くも目指すクルゾン・ダムの壁が見えています。

牧草地の先から緩やかな上り道に入り、クルゾン・ダムの下までやって来ました。ダムの手前の斜面を登ってダムの上を目指します。ダムの背後に見える山はル・ペロン(2,885m)。

クルゾン・ダムの下からナンダ谷を振り返って。谷底に見える家々が歩き始めたシヴィエで、ここから写真左側の斜面を歩いてきました。車道は写真右手の反対側の斜面を上ってきています。

ダムに上ると、その脇に可愛い礼拝堂が建っていました。周囲は牛糞で踏み場が無いくらいでしたが、内部は小綺麗な造りでした。

ル・ペロンの山を正面に仰ぎつつ、クルゾン・ダムの上を東側へ渡ります。湖水は氷河の融水のためエメラルド色に濁っています。

クルゾン・ダム東縁からのクルゾン湖の眺め。後方に覗いている山はベック・デ・ゼターニュ(3,232m)。

クルゾン湖の東岸を奥に向かって南へ進みます。歩いてきた方向を振り返ると、ダムの向こうにモン・ゴン(2,667m)の峰がスッキリと眺められました。

湖畔を歩くつもりが、間違えて上方のシェルヴェ・ビス(用水路跡)沿いの道に上ってきてしまいました。クルゾン湖の最奥部にあたるラ・グイユの分岐点から見下ろすクルゾン湖です。

ラ・グイユから谷底に下り、クルゾン湖上流の川を小さな石橋で渡ります。谷の奥に聳える山はグラン・モン・カルム(3,205m)。砂利道を通って谷の西斜面を登り、サン・ローラン小屋を目指します。

サン・ローラン小屋(海抜2,485m)に到着。小屋は開放されていましたが人影は無し。トイレだけお借りし、広いテラス席に座ってオート・ナンダ村のスーパーで買ってきたサンドイッチで昼食にします。左後方の山がベック・デ・ゼターニュです。

サン・ローラン小屋から湿地帯を渡り、南斜面を更に登ります。写真は振り返ってサン・ローラン小屋と湿地の谷を見下ろした図。

次第にガレてくる斜面を登り切り、本日の目的地グラン・デゼール湖(海抜2,642m)に到着しました。写真左の山がグラン・モン・カルム、中央がモン・カルム(3,220m)で、その右背後にロザブランシュ(3,336m)。その右にべったりとグラン・デゼール氷河が見えています。

グラン・デゼール湖の西側に迫る岩山群。その右奥が展望台のあるモン・フォール(3,328m)でしょうが、湖の北端からは遮られて見えないようです。

グラン・デゼール湖の北端。ローヌ谷を挟んで遠くレ・ディアブルレの氷河が見えています。

来た道を引き返し、ラ・グイユからシェルヴェ・ビス跡の道を通ってクルゾン・ダムの上方まで戻ってきました。

ビス(用水路)跡の道は起伏が少なくて快適に歩けます。急峻な岩壁が迫る場所もあり、大昔によくこんな場所に水路を通したものだと感心します。

シェルヴェ・ビス跡の道はコンバツリーヌのレストランに通じていて、シーズン中はそこからチェアリフトでシヴィエに下りられますが、今日はリフトが運行されていないので、我が家は途中の分岐点から谷底へ下ることにしました。谷の反対側の山が昨日登ったダン・ド・ナンダ(2,463m)です。

シヴィエでは、周辺の牧畜農家が黒牛を持ち寄って品評会をしていました。レストランのテラスでビールを飲みながら休憩していると、優勝した牛が頭に可愛い飾りを付けてもらって誇らしげに行進してきました。17時50分発の最終バスでオート・ナンダに戻りました。


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