「夫婦で歩くスイスアルプス」

ヴォルフガング湖畔&シャーフベルク ハイキング

2011年5月6日。文句の無い快晴の朝ですので、ここまで温存してきたシャーフベルクのハイキングに出掛けます。ザルツブルク中央駅前からポストバスに乗ってザンクト・ギルゲン村で下車。今の季節、平日の朝はザンクト・ヴォルフガング行きのバスや船が午前10時台まで無いので、ザンクト・ギルゲン村から歩いて行ってみることにしました。船着場のある湖畔の公園から、北側に建つモーツァルトの母親の生家の脇を通って進んでいきます。

ザンクト・ギルゲン村の家並みが途切れた辺りがヴォルフガング湖の北端です。この先は緑に包まれた湖畔が続いています。

湖面に近い位置に快適な遊歩道が設けられています。

ヴォルフガング湖の対岸には4日前に歩いたツヴェルファーホルン(1,522m)が美しい姿を見せています(右側のピークが山頂で、左側は支峰のエルファーシュタイン(1,376m))。写真右の湖岸の家並みがザンクト・ギルゲン村です。

やがて湖岸の一軒宿フュールベルクが現れます。ヴォルフガング湖の遊覧船も立ち寄る素敵な雰囲気の場所です。船着場の脇に赤いモクレンの花が沢山咲いていて綺麗でした。

フュールベルクで分岐を左折し、湖岸を離れて新緑の森の中を登っていきます。ザンクト・ヴォルフガングの教会に向かう「聖ルパートの巡礼道」で、道端には聖画を祭った祠が点在しています。

急な坂道を登り切った先がファルケンシュタインで、岩壁にへばりつくようにして教会が建っています。かつて岩壁を掘った洞に聖ヴォルフガングを敬う信者が生活していた場所らしく、教会内部には小さな洞窟がありました。教会内に吊るされた紐を一度引いて鐘の音が3回聞こえれば願いが叶うとされているようですが、カミさんが引いてみたら見事に鐘が3回鳴りました。教会の少し先の祠には聖ヴォルフガングが湧かせたと伝えられる泉があります。

聖ヴォルフガングが教会を建てる場所を決めるために斧を投げた場所と伝えられる峠(海抜795m)からヴォルフガング湖を眺めた後、東へ下ると森を抜けて美しい湖岸の牧草地へ出てきます。

湖岸に雰囲気の良いホテルが点在するリート地区を進んでいきます。

ザンクト・ヴォルフガング村の手前にあるシャーフベルク鉄道の山麓駅に到着。片道切符を購入した後、駅前の湖畔カフェでお茶しながら出発時刻を待ちました。

可愛いSLに押されてシャーフベルク山頂駅まで登ってきました。写真中央にダッハシュタイン連峰が綺麗に見えています。

山頂駅から坂道を登り、立派なホテルが建つシャーブベルク山頂(1,782m、写真右上)へ向かいます。左奥に見えているのはヒンメルスプフォルテ小屋。

シャーフベルク山頂から南東方向に眺めるダッハシュタイン連峰。右はゴーザウカム連峰ですが、山頂部分以外は手前のガムスフェルト(2,027m)に隠されています。ガムスフェルトの左手前は特徴的な山容のシュパールバー(1,502m)で、右手前(写真右端)がブレックヴァント(1,541m)。眼下はヴォルフガング湖の東半分で、手前の湖岸がザンクト・ヴォルフガング村、写真左端(湖の東端)がシュトローブル村です。

ダッハシュタイン連峰のアップ。中央がホーアー・ダッハシュタイン(2,995m)で、その左隣がニーデラー・ダッハシュタイン(2,934m)とホーエス・クロイツ(2,837m)、更にハルシュタット氷河を挟んだ左にホーアー・ギャイトシュタイン(2,794m)。ホーアー・ダッハシュタインの右は大ゴーザウ氷河を挟んでミッターシュピッツ(2,925m)、シュネーベルクヴァント(2,804m)、トーアシュタイン(2,948m)が並んでいます。手前の山は右がリンコーゲル(1,823m)、写真左端がレッテンコーゲル(1,780m)です。

南西側の眺望。遠方に並ぶ山々は、写真右がドイツのベルヒテスガーデナー・アルペン、中央がホッホケーニッヒ(2,941m)、左がブライコーゲル(2,411m)をはじめとするテンネン山群です。眼下はヴォルフガング湖の西半分。

ベルヒテスガーデナー・アルペン方面のアップ。中央がドイツ国境の山ホーアー・ゲル(2,522m)で、左はヒンテレス・フライエック(2,308m)、右はドイツ領のヴァッツマン(2,713m)です。ホーアー・ゲルの手前はシュミッテンシュタイン(1,695m)。右端手前がツヴェルファーホルン、左手前がイリンガーベルク(1,479m)です。

南方向にホーエ・タウエルン山脈のアンコーゲル(3,252m)が遠望できました(写真中央奥)。写真からは切れていますが、この左にホッホアルムシュピッツェ(3,360m)も見えていました。右の山はアプテナウ村の南方に位置するホッホカールフェルダーコップフ(2,219m)です。

山頂西端の断崖上に建つヒンメルスプフォルテ小屋。小屋の右奥にフシュル湖が見えます。写真左端はヴォルフガング湖とザンクト・ギルゲン村、写真右端がモーント湖です。

北西側に見下ろすモーント湖。その名のとおり三日月のような特徴的な形をしています。湖の最奥(北端)にモーントゼーの町が見えます。

北東方向に眺めるアッター湖。左の湖岸に見える家並みはウンターアッハ村です。手前はアイゼナウアーアルムの放牧場。

東側には支峰シュピンネリン(1,725m)が切り立った北壁を見せています。

山頂ホテルのテラス席でヴィーナー・シュニッツェルをオーダーし、景色を眺めながら昼食を楽しみました。日本の女子大生と思しき4人組の旅行者が近くの席にやってきて、コーラス部の仲間なんでしょう、「サウンド・オブ・ミュージック」のナンバーをハモっていました。

お腹が満たされたところで下山ハイキングに出発です。登山鉄道に沿ったコースもありますが、前方に見えるフォルマウアーアルムを経由して下ってみることにしました。

南斜面を東へトラバースしながら下ります。かなり傾斜がありますが、岩場に階段が切ってあったり手摺が付けられているので安心です。

樹林帯に入って暫く進むとメーニッヒ湖が現れます。静かな湖畔で暫し休憩。

湖畔にクリスマスローズのような花が咲いていました。

メーニッヒ湖畔からは尾根上の平坦な道を快適に南へ進みます。

フォルマウアーアルム手前の尾根から振り返って眺めるシャーフベルク。ホテルが建っている左の頂が出発地点の山頂で、そこから右下へトラバースして下ってきました。中央の頂は支峰のシュピンネリンで、その右はテアルシュピッツ(1,589m)。

尾根道から左手(東側)にシュヴァルツェン湖が見えます(写真右)。湖の背後の山はレオンスベルク(別名ツィムニッツ、1,745m)で、左の山はブライテンベルク(1,412m)。

牧畜小屋が点在するフォルマウアーアルムに到着。

眺めの良いベンチに腰掛けて一休み。可愛い草花が咲き乱れる草原は「サウンド・オブ・ミュージック」の世界そのものです。

林道を辿って眼下に見えるザンクト・ヴォルフガング村へ下ります。対岸はツィンケンバッハ川の河口三角州が張り出してヴォルフガング湖の幅が最も狭くなっている部分です。

ザンクト・ヴォルフガング村の教区教会前に到着。歴史ある教会に入ってみました。

ザンクト・ヴォルフガング村は観光地らしい雰囲気のある商店が並んでいます。ジェラートを買って頬張りながら散策しました。

船着場から遊覧船に乗ってザンクト・ギルゲン村へ戻ります。写真中央が乗り込んだ船着場で、その右の湖畔の建物が有名な「白馬亭(ホテル・ヴァイセス・レッスル)」です。

今朝歩いたファルケンシュタインを船から眺めます。湖岸まで絶壁で切れ落ちていて、道理で湖畔に道が付けられない訳です。

ザンクト・ギルゲン村の船着場に到着。甲板の座席で白ビールを飲みながらの優雅な船旅でした。ポストバスに乗り換えてザルツブルクに戻りました。


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